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2015年09月16日

デルタチューニング回想録(その13)

デルタチューニング回想録(その13) 【タービン交換でクルマを壊さない為にすること(その3)】

インジェクターの容量を増やすこと

GTタービンに交換したことで、高回転域でA/F(空燃比)が若干薄い方に振っているので、EVCでのブースト設定値は1.15barだ。 それでも走行後、Defiのピークホールドを見るとサーキットではオーバーシュートも含めて1.2barをちょっと越えてることが多い。 燃圧を若干高めているものの、基本的には燃料は増えない。 インジェクター交換も視野に入れているが、ショップに相談すると書換え程度のノーマルコンピューターでの制御を考えるとやはり難しいとのこと。

仮に市販の440CCのインジェクターに交換しても(ノーマルは384CC)全開時はブーストアップしてもこれで余裕は出るだろうけど、アイドリングや低速域では濃くなり過ぎて黒煙モクモク状態に。。。

IT系の会社のSEをしてる友人曰く、ECU内の基本噴射係数のアドレスが分かればROM書き換えで容量増しインジェクターを問題なく使用できるとか言うのだが、そもそもそんなデータが公開されてるはずもなく、まあ、夢と言うか、永遠のテーマですねえ。
 
ただ、ノーマルインジェクターでも数値上は260馬力くらいまでは出せると言う事なので、当分の間は必要ないような感じですが、ポンプの方も燃圧計を見る限り垂れもないのですが、容量アップした方がいいような気もしてきたところで、、 考えるばかりでは進まないので、ちょっと取り組んでみることに。。

燃料系チューニング

以前もちょっと触れましたが、燃料系とか言うと、ガソリンのオクタン価でも上げるのか?って感じですが、もちろんレース前はオクタン価を上げる添加剤なんかを入れたりもしますが、今回はもうちょっと大袈裟なチューニングに挑戦です。 これまた自分でやる訳ですが、そろそろ自分で出来るチューニングの限界に来てるような感じがします(^^;

もちろん、ショップや友人の助けがあってのことですが、基本的にはアイデアと部品の調達などは自分で考えますので、モチベーションも必要ですね。 

さて、インジェクタの容量は384CCということですが、エボ2はもうちょっと多いようだ。  ただ、ほんの少しなのでどっちでも同じと言う事らしいが、エボ1にエボ2のインジェクターを付けるだけで、ちょっと安心仕様になるって事かも知れない。 ただ、エボ1コンピューターでエボ2インジェクターだと燃費は悪くなるね(笑)

カタログ上の馬力はエボ1が210hpで、エボ2が215hpってことで、わずか5馬力の違いなんだけど、考えようによってはあの小さなタービンで215hpである。 なので巷のエボ2はエボ1のタービンに換装しただけでエボ1をブッ千切るだけのパワーを得ることが出来るのだ。  実際、タービンをエボ1に換装してエボ2は速いもんね。

なんて書くと、エボ1乗りが救われないが、ここはエボ1に拘り、ホモロゲートモデルの威信にかけてもエボ2を越えるエボ1を作って行くぞ!!と誓ったのだ! という事で補強もそうだが、現状エンジンもノーマルな訳で、点火系は既にMDIを使用しているので、次は燃料系を少しチューニングしてみようかなと思った訳です。

大幅なパワーアップに挑戦

さて、いろいろを勉強してきました。 このチューニングが完了すると僕の頭の中の折れ線グラフでは5000回転から上で最大20hpのパワーアップを既に実現しているのだ!



上の写真はいろいろ調べて見つけた440ccのインジェクタ。 BOSHタイプのボルトオン仕様だ。 アメリカのメーカーだがランチア・デルタ用としてリリースされている。  当時は円高で、100円を切ろうかという時代だったのでドル買いできる通販は狙い目だったんだよね。 実際このインジェクタ、送料を入れても4個35000円弱と言う価格でゲットできた。 今なら4万円を越えるかな、、 まあ、それでも実績あれば価値ある挑戦だと思います。

でもこの時点で実際、このインジェクタを付けるとどうなるか・・・ 悩んだね。 いろいろ情報集めても机上の空論を語る人は多く、あーだこーだと言うが実際のところ試したことが無い人がほとんどで、どれも信用出来る情報では無かったのでやってみることにしたのだ。 デルタの世界って当時はほんとにポン付けパーツのチューニングしか出来ないショップばかりだった。 そんなんオートバックスと一緒じゃん!

噴射量を上げるにはROM書換えが必須

さて、ポチっと買ってしまった訳だが、このままでは付けれない。 ROMの書換えが必要なんだよね、、 そこで友人に頼んで440ccのインジェクタに合わせたコンピュータROMの製作もしてもらえることになったんだよね。。 まあ、濃すぎて壊れることは無いので、薄くならないようにマージン取った仕様にしてもらいます。 失敗は成功の元・・・・ ですよねえ(^^; こうやっていろいろ試している時が一番楽しいんだよねえ〜

ショップは快く協力

インジェクター増量計画の打ち合わせも兼ねて行きつけのショップに出向いた。  僕はコンピュータロム等のことには全く知識が無いのですが、前回書いた440ccのインジェクタに合わせて全域で噴射量を絞ったロムで試してみて、高回転を少し濃くしたものに入れ替えて行く方法でテストするといいのではないか?ってことで、あっさり決まった。  要はやってみろってことですよ!

その後ダメならとっかえひっかえテスト走行をしてみて、いいところを見つけてその場で書き換えてもらうことになった。 頼りになる仲間である 。

とりあえず3種類のROMでテスト

依頼したROMが、早速3パターン上がってきた。 順番にテストして、一番良さそうな物に手を加えて完成となる。 正直、僕にはなんのことなのかさっぱり分かりませんが、以下のワークシートがメールで届いた。

これはノーマルROMの中身らしい、、、



これを元に以下の3つのROMを作ってくれました。



微妙に違うのかな? これが乗り味にどのように影響するのかは素人の僕には分からないが、経験に元ずく職人は、このグラフを見ただけでクルマの特性が分かると言う。

分からんながらも見つめていると、なんだかパワーが出そうな感じに見えてくるから不思議だ(笑) エボ1を買ってから様々なチューニングをしてきたが、こういう理論立ったパワーアップ的なチューニングは初めてだ。 久々に楽しみなチューニングではあるね。

いよいよインジェクター交換

しかし、その前にあのアメリカ製のインジェクターが本当にボルトオンなのか? という不安もあるが、とりあえず取り付けてみることに。 画像左がエボ1純正で、右が今回輸入したもの。



ポン付けとのことだったのでサイズやカプラーの形状などは問題無さそうだ。 今回購入したのは純正の384CCと言われるインジェクタよりも数値上は15%ほど噴射量が多い440CCのタイプだ。



上の画像はインジェクタの噴射ノズルの形状だが、左の純正に比べ、今回のモデルは多孔ノズルになっている。 この形状がどう影響するか分からないが、見た目的には良さそうな感じだ(笑)交換は本当に簡単で、純正のインジェクタが長年の固着でやや抜けにくかっただけで、それ以外は本当にボルトオンで1時間程で交換完了した。



装着完了の図。 インマニ側は差し込むだけ。 金属のデリバリーパイプは10mmのボルト4本でインマニに止まっていてそれで4本のインジェクタを押さえるようになっている。 

エンジン始動

さて、交換は出来たもののエンジンはかかるのか?? なんて心配はよそに、1発始動。 コンピュータROMはそのままで始動してみたが、予想通り吹かすと黒煙が。 あきらかに濃くなっているのが分かった。 ここからは増量インジェクタ対応ROMを装着してテストした。
とりあえずコンピュータBOXを取り出し、今回の為に作ってもらったスペシャルROMと切り替えスイッチを装着した。



上の画像は純正のROMの4倍程の容量を持つROMを使用して、純正を含めて4種類のマップを書き込んだものを装着した図。 ROM自体の大きさはノーマルと同じだが、取り付けステーを付けているので、かさ上げしたような形になっている。



数種類のROMはなんと1つのROMで切り替え式!

その4種類のROMをこの切り替えスイッチで瞬時に切り替えることが可能なのだ。 今回は4種類のマップを用意してもらったのだが、走行中に切り替えても大丈夫なので排気温度計とA/F計を見ながらいろいろ試してみた。 待ち乗り用からレース用まで4段階に切り替えられるこのチューニングROMは素晴らしい。 こんなものが出来てしまうと言う事に僕のようなアナログ人間は感動するのであります。

早速高速に乗り、いろいろ試してみたのですが、いい感じではあります。 濃くなりすぎるのとちゃうか?という心配は杞憂に終わりました。 それよりもレブリミットまでしっかりとパワーが付いていく感じです。 5000回転から上の『ただ回ってるだけ』のエンジンからしっかりとパワーが出てるように感じました。 しかしこればっかりは実際にサーキット走行で試してみないことには分かりません。 これからまだまだ細かなところはきちんとセッティングして行かないとダメでしょうね。 

A/F計と排気温度計を見ながら、いい感じのROMを選んで、さらにそのROMを基本として、4段階にマイルドなものから攻め込んだものまでを4種類作ってもらって一応の完成となった。

今回、僕の発案とは言え、実際にはショップの社長にはいろいろとお世話になった訳で、未だにこうやって客と一緒になってデルタの新しいパーツの開発が進んでいくと言う事に喜びを感じます。  コンピューターボックスはこのようにアクリル板で武装して、助手席コンソールに縦に設置した。 ちょっとチューニングカーっぽい?



余談だが、チューニング屋さんのサーキットデモカーのセッティングなどではA/Fはシングル、つまり10以下でセッティングすると言う。  一般的に理想空燃比14とかパワー空燃比12とか言う中でシングルなんだと。 まあ僕のデルタでそんな事をしたらカブってしまいそうだが、サーキット走行をする上でのマージンと言うか濃い目のセッティングという点では間違っていないのかな?と思います。 様子を見ながらベストなセッティングを出して行きたい。 ROMの切り替えについては、さすがにレース中は触る気はないけど、これによってブーストをもうちょっと上げてみようかな?って悪魔の囁きのような危険なことを考えてしまうのだった(^^;;

次回は、『ブーストアップをする前に』です。
ブログ一覧 | デルタ | クルマ
Posted at 2015/09/16 16:04:03

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この記事へのコメント

2015年9月16日 16:30
ついに興味深々で、私も踏み込んだ事の無い分野に突入、楽しみです。

今回のチューニングとは別の話だが、
昭和53年、 排気ガス規制があり、ラリー車もエンジンには手着けられない時代があった。
でも、色々考える人が居る者で、1600cc 4AGエンジンのインジェクターを2000ccセリカ用の噴射口径がほんの少し大きなインジェクターに変えたものだ。(本戦ではルール違反)
だが、そうした隠れた改造をするラリーストで、誰よりも速いってドライバーを私は知らない。
パワーアップするかしないかの改造より、車がボロボロになるまで練習を重ね、腕を磨き実戦で勝つ人をどれだけ見てきたことか。 
当時は、しっかりした理論も持たず簡易的な事のみを実施したが、韋駄天さんのように理論と実戦の繰り返しが必要と、再認識させられた。

コメントへの返答
2015年9月16日 19:33
本気ラリーとデルタで草レースではちょっと違いますね。 クルマがボロボロになるまで練習ってのが出来ないですからね。 なので、僕のように壊さないようにマージン取ってチューニングしちゃうんですよね。 僕の理論も分ってくれる人と、バカにして全く分ってくれない人がいます。 まあ、そうでしょうね(笑) でも、これからもこのスタンスで行きます! なのでこれからも助言や忠告よろしくお願いします!!
2015年9月17日 0:40
A/Fシングルですかぁ・・・

ノーマルのGDBインプレッサのROMなんかは、冷却空燃比(燃料で筒内をむりやり冷やす)でシングルだったりしますが、私の知ってるショップさんや、いろいろ見てきたターボ車のチューンドROMは、やっぱり出力空燃比を狙ってましたね。

インタークーラ容量UPや前置きしたり、でノックマージンを稼いで、どうしようもない部分以外はなるだけ出力空燃比に設定されてました。

自分もそうしてました。
ブースト高め領域は11.5ぐらいにはせざるを得ませんでしたが・・・


ただ、ショップさんそれぞれのノウハウと、車種に応じたノウハウがあると思うので、一般論ですが。
コメントへの返答
2015年9月17日 11:38
まあ、シングルって国産ハイパワー車のターボ車チューニングで、壊さない為のマージンでしょうね。 専用パーツも豊富で、チューニングROMなんてのもいろいろと選べる日本車と超が付くほどマイナーなデルタのチューニングとは少し考え方が異なりますね。 

やることは同じでも、参考になる部品が無いですからね。 煮詰まったチューニングROMやフルコンがある国産車と違ってイタリアのチューニングメーカーが作った謎のROMとか、そんなんを付けたり、それを元に手直ししたりって感じですので、道のりは険しいです。

ショップのノウハウも基本は流用とか手作りってのが重要になってきますので、なかなか一筋縄では行きません。 趣味性に加えてファッション性も高いので、お客様の趣向も様々でいろいろと苦労が耐えないようですが、、、(^^;

僕みたいにデルタを切り刻んで、中身をぐちゃぐちゃにしてるオーナーはデルタでは少ないと思います。 

空燃比計と排気音計だけが頼りですから(笑)

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「西宮北のとあるヤードにず〜っと放置されてるクルマ。 通るたび気になって気になって、、、、」
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