晴乗雨描のブログ一覧

何故、私のクルマ選びが「いびつ」なのか？

人には、それぞれに「原風景」というものがあると思う。
その「原風景」は、それぞれの人の人生に、何らかの「影響」という深い影を落とす。

私のバイクの「原風景」は、昭和人なら皆同じ、「ホンダ・カブ」の無免許運転であった。
今思えば「電動自転車」程度の速さではあるが、初めて乗った「カブ」の余りの速さに、全身全霊の「魂」が震えた。



私のクルマの「原風景」は、日本初のハッチバック車である、初代「ホンダ・シビック」4速MT。
今思えば「軽四」程度の速さではあるが、当時は「シビック」をスポーツカーだと思い込んで、勇んで峠道を走らせていた。



よく、外野の方から、『何故、大きなクルマに乗らず、CLIO V6なんて「軽四」程度の小さいクルマを選択するか？』と問われますが、私にとっての「クルマ」の「原風景」が、「小さくて、軽くて、MTで、ハッチバック」なのでしょう。

因みに私が幼児の頃、亡父はヤナセから米国製のV8の大きな「ビュック」を購入し、完成したばかりの名神高速を100kmで走行してみせました。

私は後席から亡父の背中越しに「横長のスピードメーター」の赤い針が100を指すのを見て、怯えながらも「心を躍らせた」ことを覚えています。
最早、60年以上も前のことですが…　

人には、それぞれに、それぞれの「原風景」がある。
それは、決して「変えられない」、それぞれの「心の風景」である。

クルマの趣味も、一生変えられない「心の風景」、の一場面である。

今更、嘆いても仕方ありませんが、単なる「加齢」ですが、腰椎の神経を悪くして、「座面の低いクルマ」の乗り降り時に、腰と左足に疼痛が出て、「座面が極端に低い」最新型ポルシェ911カブリオレを手放しました。

ところが、最近「タリージェ」という神経に効く鎮痛薬を処方されました。
現在、この薬が驚くほど効いていますが、いつまた再発するか判らないので、腰と左足に「タリージェ」が効いている間に「最後に、好きなMT車に乗ろう！」と思い立ち、選んだのが今回の CLIO V6 です。



しかし、購入してからメンテナンスに入り、つくづくビックリ！

何と「部品」の無い事か？

今まで所有したクルマの中で「部品」の入手し辛さは、間違いなく、No1です。
いくら法外な金額を積んでも、このクルマの「部品」は入らない！

本当に「なす術が無い！」とは、このことです。



『よくもまあ、こんなややこしいクルマを選んだものだっ！」と、時折、思います。
『なぜ、新車の「ポルシェケイマンGTS 4.0 LHD M」 にしなかったんだ！』とも考えますが、『クルマ好き』とは、そんなものでしょう。

「クルマを好きになる」には、理由は無い。『ただ、惹かれた…』だけです。

その事に、正解も不正解も無い。『好きなものは、仕方がない…』だけです。

『ややこしいクルマほど、惹かれるものらしい…』と観念する、今日この頃です。笑

私の「CLIO V6 Phase2」は、純正エアクリーナーシステムを取外し、BMC製エアクリーナーシステムに換装済、唯一それだけが「社外品」でした。

エアクリーナーシステムを元来の「純正」に換装し、『クルマを完全純正仕様に戻したい』と思い、①純正エアクリーナーケース、②純正エアクリーナーケース取付ブラケット、③取付用部備品類、を入手する為、Netの『世界旅行』に出た。

先ずは原産国のフランスのショップへ飛び、各ショップへ問い合わせ、次は西欧ドイツ、オランダから、東欧ポーランドへ、そして更に東アジアのトルコに行き、最後には、何と戦火のウクライナにまで…



①純正エアクリーナーケースは、日本のチューナーの倉庫の奥から、埃まみれで発見！

③取付用部備品類は、東欧ポーランドで、トルコ製の社外品を発見！

②純正エアクリーナーケース取付ブラケットは、世界中どこに聞いても『何だ！それっ！』てな感じで、にべもなく、取り付く島もない状態で、「もう、ワンオフ製作しかない！」と思い、鉄工所への製作注文図面を引いていた所、英国マンチェスターのスクラップ屋さんから『錆だらけだけど、CLIO V6 Phase2が1台あるにはあるよ…』との気弱なメール。

慌てて、『車を地面に降ろし、ボンネットを開け、エアクリーナーケースのホース類を外し、エアクリーナーケースを外し、更にその下にある「黒い取付ブラケット」を外して、写真に撮ってメールで送って欲しい！』と、メールを返信したら、5枚の写真が送られて来た。



一番、発見が望み薄だった②純正エアクリーナーケース取付ブラケットは、英国マンチェスターのスクラップ屋さんで、奇跡的に「錆だらけ」を発見！笑



パーツカタログと照合し、純正ブラケットと確信、英国マンチェスターのスクラップ屋で、錆びて放置されていた CLIO V6 Phase2 からの「部品取り」を、日本へ送って頂ける様に依頼しました。

極東の日本人の「つたない英語」の申し出を聞き入れて下さり、わざわざブラケットを取り外して日本へ送って下さる、英国人のスクラップ屋さんの親切に、感謝！感謝！です。笑

これで、ようやく、全ての純正部品が揃いました。
産まれた時の『完全純正』に戻れて、CLIO V6 Phase2も、さぞや喜ぶと思います。

PS:　もし「CLIO V6の部品」に困ったら、気楽に御一報下さい。
ワンオフ製作の為の純正部品の貸し出しでも、世界中から部品を探すお手伝いでも、オーナー同士、何なりと御助力致します。笑

過去に「旧車」と呼ばれるクルマを、３台レストアし、所有していました。
4０歳代には1969年製メルセデス280SLを、5０歳代には1970年製アルファロメオジュリアを、60歳代には1992年製VWゴルフカブリオを、それぞれ高名なレストアガレージに委ね、笑える程の時間と資金と情熱を傾注して、細部に至るまで、完全にレストアしました。

上記の3車種は、世界的モータリゼーションの中、エポックメーキングなクルマであり、数万台から数十万台製造された大量生産の名車です。

50年前の1969年製メルセデス280SLや1970年製アルファロメオジュリア、30年前の
1992年製VWゴルフカブリオ、全てのパーツが簡単に入手出来、メルセデスは未だに「純正部品」すら在庫し出荷している。

翻って、CLIO V6はと云えば、ルノー100周年を記念し、2000年前後に前期型Phase1と後期型Phase2が、それぞれ千数百台余りが製造され、ヨーロッパ、米国、日本の一般顧客に販売されたが、日本ではPhase1とPhase2合わせて、百台余りが発売されたとか。
その後、フランスの合理的国民性故か、商業ベースに乗らない極めて少ない個体数故か、ルノーは法規定年数で「純正部品供給」を止める。

「純正部品供給」を止められたら、後はもう、「死に体」である。
クルマは「燃料」で走るのではない。「部品」で走るのだ。



CLIO V6に関しては、サードパーティーの部品商も社外部品を作らない。
余りにも個体数が少な過ぎて、経費を掛けても部品が売れないからだ。
早晩、世界中でCLIO V6の部品を「奪い合い」、部品は「枯渇」を通り越して「絶滅」する。
瀕死で走れなくなったCLIO V6が、１台、また1台とスクラップされ、部品取り車になり果て朽ちる。




チベットの「鳥葬」の様なものだ。
人が死に、その肉体を鳥が食べて、その鳥が生き永らえる…




CLIO V6の寿命を延ばすには、部品を「ワンオフ製作」するしかない。
部品が無いのなら、オーナー自ら部品を「製作依頼」するしか無い。

誰かが「ワンオフ製作」した部品は、必ず「他の誰か」が必要になる。
他の誰かが「ワンオフ製作」した部品は、また必ず「皆」が必要になる。
それぞれが、「ワンオフ製作」した部品の情報を、皆が共有し「部品」を必要とする方々に有償で「分け与える」しかない。

CLIO V6のオーナー諸氏は、『自分一人のCLIO V6』では無く、また『部品が無くて、動かなくなってしまったら、廃車にするしかない』では無く、フランスを代表するクルマ文化財としてのCLIO V6を後世に遺す義務を有すべきであると思う。

CLIO V6 のオーナー相互の部品情報の共有と開示が無ければ、フランスを代表するこの希少な絶滅危惧種のクルマは、間違いなく、確実に「絶滅」する。

現在、私の「CLIO V6 Phase2」には、購入時より、純正エアクリーナーを取り外し、BMC製のエアクリーナーシステムが取り付られておりますが、私はエアクリーナー関連を「純正仕様」に戻したいと考えています。

もし、「CLIO V6 Phase2」を御所有されておられる方々で、純正エアクリーナーを外して、他社製のエアクリーナーシステムに換装されておられる方で、外した「純正エアクリーナーBOX」（写真1）及び、「純正エアクリーナー関連パーツ」（写真2）を倉庫等に保管されておられる方がおられましたら、是非、「純正エアクリーナーBOX」及び、「純正エアクリーナー関連パーツ」をお譲り頂きたく、当方までメッセージにより御連絡を頂けます様、宜しく御願い致します。

「純正エアクリーナーBOX」（写真1）

「純正エアクリーナー関連パーツ」（写真2）