エンジンが『大好き!』という方は、お読みになって下さい。
■現行E63 AMG Eg 〔 6.2L V8 DOHC32V NA自然吸気 〕
最大馬力525hp/6800rpm、最大トルク64.2kgm 圧縮比 11.3:1
AMGが独自に設計し、全てのパーツをレーシングスペックで設計し、一基毎にAMGのエンジニアが『手組み』したEg。
FやLの様な特殊なクルマを除いて、現在、一般的市販車で『手組み』されているEgは、このAMG156型Egと、コルベットZ06、ZR1用Egだけ。
■新型E63 AMG Eg 〔 5.5L V8 DOHC32V ツインターボ過給 〕
最大馬力525hp/5500rpm、最大トルク71.4kgm 圧縮比 10.0:1
現行のE550アバンギャルドに搭載されているロボットが組み立てたノーマルの市販車用Egに、AMGが『ツインターボを加えた』Eg。
現行のM156型から、新型の157型にEgが変更となり、一番問題となるのは排気量が700cc下がった事ではなく、圧縮比が11.3:1から10.0:1に下がった事。そして次に、最大馬力の発生域が、6800rpmから5500rpmに下がった事だと思います。
圧縮比ダウンはEgの『ピックアップ感』を鈍らせ、ガスペダルの反応性をスポイルさせ、最大馬力の発生回転域が下がる事は、胸のすく『シャープなフケ上り感』をスポイルさせます。
一言でいえば、現行E63 AMG Egは、大排気量&高回転型の準レーシングEgであり、新型E63 AMG Egはノーマルの市販車用Egにエコ重視のツインターボセッティングを加えた一般車用Egといえます。
また、この新型Egには、マツダの「i-stop」や、マーチなどと同様な『エンジンストップ機能』が付いており、信号待ちではエコの為にエンジンがストップしますが、最大馬力525hp/5500rpm、最大トルク71.4kgmというクルマを購入する方に、はたしてプリウスの様な流行りのエコ機構を必要とするのか疑問に感じます。
以下のYouTubeにてAMG E63 現行エンジンの『手組み』の工程がUPされています。
現行の 6.2L V8 NA自然吸気 Egはカムシャフト、バルブ、バルブスプリング、ピストン、コンロッド、クランクシャフト、べアリング…etcに至るまで、パーツの一つ一つがAMGによりレーシングスペックで設計され、それらをAMGの熟練エンジニアが一人で一基のエンジンを『手組み』しエンジンの組み立て精度を高めています。
対して、新型 5.5L、V8 ツインターボ過給Egは、メルセデスが一般の乗用車用に設計しロボットが組み立てたEgをAMGに送り、AMGのエンジニアが過給器という補機類を取り付けたEgです。
『Egを組む…』という作業はEgに生命を与える事であり、『Egに補機類を取り付ける…』という作業は単なるEg組み立て作業に過ぎません。
私はメルセデスとAMGの『本物』を追い求める真摯な企業姿勢は大好きですが、今回の新型E63の5.5L、V8 ツインターボEgに関してはメルセデスのベースエンジンに何ら手を加えていない事に疑問を感じます。
また、『唯のノーマルエンジンにポン付けターボ』で、E550の1000万円に対し、堂々と50%UPの1500万円のプライスタグを新型E63に付けるのは、AMGを純粋に信頼する顧客に対し不遜だと思います。
AMGは常に、『AMG=レーシー』でなければなりません。
私が思うレーシーなEgは、『対話ができるEg…』だと思います。
乗っていて、いつも、いつも、どこかに畏怖と恐れを感じるEgこそが『レーシーなEg』だと思います。
現行E63 AMG の6.3L、V8 DOHC32V NAのM156型Egは、これからは当分出てこない、最後の『レーシーなEg』だと思います。
AMGよ、メルセデス資本によりMB傘下となって、『実利』に走ってはいけない!
フロントウインドーに手書きで『AMG』と書いてハコ車で草レースを走っていた頃を忘れてはいけない!
AMG よ、レーシングスピリットを忘れて、唯の『太った豚』に成り下がってはいけない!
********** 付記 (記事より抜粋) *********
AMG E63 6.2L V8 M156型Eg 受賞歴
「インターナショナルエンジンオブザイヤー2009」
「ベストパフォーマンスエンジン」 1位受賞
1.位. AMG 6.2リットルV8(109点)…E63AMGなど
2.位. BMW 5.0リットルV10(90点)…M6とM5
3.位. ジャガー 5.0リットルV8スーパーチャージャー(90点)…XFRとXKR
4.位. ポルシェ 3.8リットル水平対向6(78点)…911GT3
5.位. BMW 4.0リットルV8(78点)…M3
6.位. フェラーリ 6.0リットルV12(77点)…599GTBフィオラノ
AMGのエンジンが同賞に輝いたのは、2004年の『65シリーズ』の6.0L V12ツインターボ以来。
63シリーズの6.2L V8は、メルセデス製エンジンをベースにするのではなく、AMGが基本部分から開発を手がけた初のエンジン。
AMGの職人が1基1基手作業で組み付けを行う。
エンジンオブザイヤーはクルマの心臓部、エンジンに着目して優れたエンジンを選出するもので、今年が13回目。
世界で販売されている車種のエンジンを対象に、世界32か国65名のジャーナリストが投票を行い、各賞を決定した。
Posted at 2011/07/10 10:38:08 | |
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