
18年間・通算12台。私が愛したポルシェと、その完璧なフィナーレについてお話しします。かなり長文。。
先日新人担当営業くんから電話がありまして
「ポルシェお売りになりましたか!? 他社のネットに上がっていたので、、 ネットに上がりますと当社とはもうお取引できなくなりますがそれでもよろしいですか!?💢」
はい、構いませんよ。そう答えて電話を切りました。
18年で駆け抜けた、12台のポルシェ史
2008年に996ターボ(中古)をガレージに迎えてから18年。
私の生活の傍らには、常にポルシェがありました。
気づけば新車9台、中古3台の通算12台。
その間にはランボルギーニやフェラーリといったスーパーカーも所有しましたが、自分にとっての基準であり、走りへの情熱を燃やし続けさせてくれたのは間違いなくポルシェでした。
憧れの原点と「996ターボ」との出会い
僕はド直球のスーパーカー世代です。
幼い頃からポルシェは「誰もが憧れる特別なクルマ」であり、いつかは手に入れたい聖域のような存在でした。
その第一歩となったのが「996ターボ」です。
当時は「涙目」と不人気扱いされていたこともあり、なんと400万円ほどで手に入りました。憧れのポルシェターボに乗れているという事実だけで、胸が熱くなったのを覚えています。
そこから一気に弾みがつき、次は1,100万円で「997ターボ」へ。
この時期は勢いそのままにランボルギーニ・ガヤルドや430スクーデリアなどを所有するなど、まさに「スーパーカー最高!」なイケイケ時代でした(笑)。
新車991 GT3との出会いと、若手凄腕担当営業との出会い。
スカイグループのポルシェセンター横浜へ足を運び、その頃駆け出しの担当営業くんが、なんとGT3の枠をあてがってくれました!そうです!初めての新車として注文したのが「991 GT3」でした。ここから僕のポルシェ人生の始まります。
続いて「991 GT3 RS」の枠も巡ってきたのですが、ここで衝撃を受けます。
「リセール価格が凄まじい……実質プリウスより維持費が安いんじゃないか!?」と、ポルシェの圧倒的な資産価値に目覚めてしまったのです。
気を良くして怪物「GT2 RS」も申し込んだのですが……枠が案内された時には、売却益で不動産を買ってしまっていて手元資金がすっからかん(涙)。泣く泣く見送る羽目になりました。
お布施の日々と、運命の分岐点
諦めきれない僕は、ポルシェへの「お布施」を一からやり直すことに。
中古で手に入れたケイマンGTSをはじめ、ボクスター、991カブリオレと乗り継いで実績を作り、ついに「992 GT3」を獲得!同時に「992 GT3 RS」も発注しました。
(ちなみにこの怒涛のラインナップの合間には、跳ね馬の美しさに魅せられてフェラーリ・ポルトフィーノも所有するなど、スーパーカーの魅力を心ゆくまで堪能していました)
992 GT3を一切の損失無しでで売却し、1,000万円の頭金を入れて2回目の3RSを購入。
まさに絶頂期でしたが、ここから物語の風向きが変わっていきます。
第一の分岐点:長年付き合った担当者の移籍
3RSの納車直前、長年信頼していた担当営業さんが他社へ移籍。後任は所長クラスのやり手の方でした。
第二の分岐点:S/Tを断ってしまったこと
3RSの枠が確定している頃、担当から「RSの代わりにS/Tはいかがですか?」と打診が。「ツーリングに毛が生えたような車に4,000万円も出せるか!派手な3RSが一目惚れだ!」とお断りしてしまいました。
これが大痛恨……!
1年後に「3RSを売って大儲けだ!」と意気込んでいたら、中古市場で3RSが4,300万円程度(それでも1,000万上がって2,000万ほど戻りましたが)だったのに対し、断ったS/Tはなんと8,000万円まで爆上がり!「買っときゃよかった……」と心底後悔しました(笑)。
この辺からもはや投資目的。。
バブルのピークと、抱き合わせ販売
この頃のポルシェ界隈はバブル絶頂期。「タイカンとスパイダーRSの抱き合わせ」なんて条件も当たり前の時代になっていました。
「まあ長年のお付き合いだし、多少損してもいいか」と購入を腹くくりました。スパイダーRSは1年で売るつもりで、噂されていた「S/C(スポーツクラシック)」の枠を気長に待つ戦略です。
そんな折り、ポルシェジャパンから名指しで「992.2 GT3」のオファーが舞い込みました。
長年買って貢献してきた功績が認められたのかと胸が熱くなり、「これなら損もないだろう」と購入を決意。最高にカッコいい「エトナブルー」のGT3(マニュアル)が手元に届きました。
ターボの圧倒的な加速から、GT3やGT3RSのカリカリのレーシングNA、スパイダーRSの官能性、そしてタイカンの最新鋭テクノロジーまで。
最高の走りを求めて、ポルシェの世界を余すことなく味わい尽くしてきた自負があります。
では
なぜ、ポルシェをやめるのか。。
これほどまでに愛し、12台もの歴史を重ねてきたポルシェと、なぜここで区切りをつけるのか。
それには大きな2つの理由がありました。
1. 車ではなく「投資対象」になってしまった世界への違和感
近年、ポルシェ(特にGT部門や限定車)を取り巻く環境は激変しました。
本来「走るため」「純粋にドライビングを楽しむため」に作られたはずの素晴らしいマシンたちが、転売や投資の道具として扱われる光景を目の当たりにすることが増えました。
プレミア価格やリセールバリューばかりが一人歩きし、純粋なクルマ好き・走り好きのための存在ではなくなってしまった現在の風潮に、どうしても拭えない強い違和感を抱くようになったのです。自分自身もリセールを気にしてオプションを選ぶようになってました。。純粋なドライブフィールより、いかに高く売れるか。。と。
2. 長年連れ添った「担当者の変更」
もうひとつ、自分にとって大きかったのが信頼できる営業担当者の変更でした。
スカイグループで2014年の991 GT3を購入して以来、私の好みを理解し、熱い想いを共有しながら一緒にポルシェライフを歩んでくれた担当者の存在があったからこそ、何台も乗り継ぐことができました。
その熱い関係性が途切れてしまったことは、私の中で「ポルシェというストーリーのひとつの章が終わった」と感じる決定的な出来事でした。
最高のフィナーレ:992.2 GT3(MT)
注文もしていないのにポルシェジャパンからの直々のオファー とても光栄なことなので右ハンドルのマニュアルで「992.2 GT3」をオーダーしました。
GT3という、フラット6・9,000回転の最高峰NAエンジンを、電子制御のオートマ(PDK)ではなく、自分の手足でシフトを操るマニュアルで締めくくる。
これこそが、18年間ポルシェを心から愛してきた自分に対する、「最高かつ最短のフィナーレ」だと確信しています。
ポルシェに感謝を込めて
996ターボから始まり、992.2 GT3で終わる私のポルシェ史。
不満や寂しさを抱えて去るのではなく、自分の中で「ポルシェの走りはすべて味わい尽くした」という満足感と共に、完璧な形でピリオドを打つことができました。
私に最高の熱狂と走りの悦びを与え続けてくれた12台のポルシェたちと、これまで関わってくださった皆様に、心からの感謝を込めて。
私とポルシェの物語は、ここで美しく完結です!
ポルシェよありがとう!
2008年:996ターボ(中古)— ポルシェライフの原点
2009年:997ターボ(中古)
2009年:ランボルギーニ ガヤルド(中古/スカイグループ)
2011年:フェラーリ 430スクーデリア(中古/コーンズ)
2014年:991 GT3(新車/スカイグループ)— ここからスカイグループでの新車購入がスタート
2015年:991 GT3RS(新車/スカイグループ)
2016年:ケイマンGTS(中古/スカイグループ)
2018年:718ボクスター(新車/スカイグループ)
2019年:991カブリオレ(新車/スカイグループ)
2020年:フェラーリ ポルトフィーノ(新車/ニコル)
2021年:992 GT3(新車/スカイグループ)
2023年:992 GT3RS(新車/スカイグループ)
2025年:718 スパイダーRS(新車/スカイグループ)
2025年:タイカン(新車/スカイグループ)
2026年:992.2 GT3(新車/スカイグループ)