明日から2015年が始まります。その前に今年のモータースポーツを振り返りましょう。

従来の2.4ℓNAエンジンから、1.6ℓターボへとエンジンが変わり、ハイブリッドの部分でも大きな変更を受け大きな変化があったF1。さらに小林可夢偉が1シーズン振りに復帰を果たしました。
その中でシーズンを掌握することとなったは、19戦中16勝をマークしたメルセデスAMGでした。ハミルトンとロズベルグの体制を維持して臨んだ今季はこの2人のタイトル争いがシーズンのトピックに。お互いにトラブルを抱えたり、スパでは両者が接触するなどし最終戦まで続いたタイトル争い。
ポールを獲ったのはロズベルグですが、レースではスタートのミスとマシントラブルにより後退。このダブルポイントの最終戦を制したハミルトンが2008年以来2度目のタイトルを獲得しました。
メルセデス勢以外で唯一の勝利を飾ったレッドブルのリカルド、古豪復活を象徴させたウィリアムズのボッタスなど新たな時代のドライバーも登場。
また来季からはマクラーレンのサプライヤーとしてホンダが復帰することもあり、再び注目を集めることになりそうです。
・F1
[ドライバー] L.ハミルトン (メルセデスAMG W05 HYBRID)
[コンストラクター] メルセデスAMG (メルセデスAMG W05 HYBRID)

WECではポルシェがLMP1へと参戦することになり、3メーカーの争いへと。
そんな中際立っていたのは参戦3年目のトヨタです。今年からトヨタの望んでいた4輪での回生が許可されることになり、トヨタのハイブリッドの技術をフルに活用することになりました。
その結果ル・マンまでの2戦で2連勝。そしてル・マンでは7号車の中嶋一貴が日本人で初めてのポールポジションを獲得。肝心のレースでも7号車が独走と優勝へ向けて視界良好でしたが、夜間走行中に突然電気系のトラブルに見舞われピットに戻れず無念のリタイヤ。8号車は序盤の雨でのクラッシュから復帰しますが、3位に終わり念願のル・マン優勝は逃します。優勝は確実に走りきったアウディの2号車となり、同一トリオで3勝目をマーク。
しかしル・マンは落としたものの、トヨタとTS040の速さは別格であり、最終戦の前に8号車のタイトルを確定。さらに最終戦でマニュファクチャラーのタイトルを決め、トヨタにとって世界選手権で久しぶりのタイトルを獲得しました。
・WEC
[LMP1-H ドライバー] A.デビッドソン/S.ブエミ (トヨタ TS040 HYBRID)
[LMP1-H メーカー] トヨタ (トヨタ TS040 HYBRID)
[LMP2 ドライバー] S.ズロービン (オレカ03-日産)
[GTE Pro ドライバー] G.ブルーニ/T.ビランダー (フェラーリ 458GTE)
[GTE Pro メーカー] フェラーリ (フェラーリ 458GTE)
[GTE Am ドライバー] K.ポールセン/D.H.ハンソン (アストンマーチン V12)

スーパーフォーミュラでは、シャーシがダラーラ社製のSF14に、2ℓ直噴ターボの通称NREを搭載した新しいパッケージが導入されました。
トータルのパッケージの高さから、コーナーではF1と変わらない速さを誇るSF14は各サーキットで高いパフォーマンスを披露します。
しかしその中でホンダ勢はエンジンの開発に苦労し、序盤はトヨタ勢から大幅に遅れてしまいます。
シーズンはロッテラー、一貴、JP、デュバルのいわば四天王達がタイトルを争います。しかしデュバルはル・マンでの負傷で富士を、ロッテラーはF1スポット参戦のためもてぎを欠場。
また大きなトピックとして、苦戦していたホンダ勢はもてぎから導入されたBスペックのエンジンによりディフェンディングチャンピオンの山本尚貴が2戦連続でのポール獲得、さらにルーキーの野尻がSUGOで自身初の優勝を飾るなど復調を見せます。しかし最終戦でタイトルの権利を残したのはトヨタ勢の7人でした。
ここで力を見せたのは中嶋一貴でした。シーズン中はセッティングに嵌まり苦しんでいましたが、成長を見せつけ優勝で自身2度目のタイトルを獲得。
スーパーフォーミュラ
[ドライバー] 中嶋一貴 (ダラーラ SF14-トヨタ)
[チーム] ペトロナス・チームトムス (ダラーラ SF14-トヨタ)

GT500はDTMと同一のシャーシを導入。エンジンはスーパーフォーミュラと共通のNREを搭載。日産はGT-Rのままですが、レクサスは発売が開始されたRC Fにマシンを変更。ホンダは発売前のNSXの名前を復活させました。
シーズンをリードしたのはレクサス勢と日産勢でした。その中でもシーズンを通して力を見せたのはNISMOと、2台のトムス勢です。シリーズ初開催のタイレースなど様々な要素が絡み合いました。そして最終決戦の舞台もてぎでは、タイトル争いの一角にいたインパルがトムスの36号車に接触。これによりダメージを受けた36号車はタイトル争いで痛い後退。一方予選でミスがあった37号車は挽回を見せ表彰台圏内まで浮上。しかしポールスタートの23号車NISMOがぶっちぎりのレースで他を圧倒し、2008年以来のタイトルを獲得して見せました。
ロニーは3度目、松田次生にとっては念願の初タイトルとなりました。
SUPER GT
[GT500 ドライバー] R.クイッタレンリ/松田次生 (日産GT-R NISMO GT500)
[GT500 チーム] NISMO (日産GT-R NISMO GT500)

GT300では、GT3車両の強さが際立ったシーズンとなりました。その中でZ4を使用する初音ミクと、今季から参戦を開始したBMWジャパンサポートのStudie。そこにSLSを使用するゲイナーという構図でタイトル争いが繰り広げられました。
最終戦に入る段階で初音ミクがポイントリーダーに。ゲイナーは逆転をするためには優勝することが大前提という中、ダンロップとSLS共に相性の良さを発揮しレースを圧倒。しかし初音ミクがしっかり3位へと入ったため、GSR初音ミクが2度目のタイトルを獲得。ただチームタイトルはゲイナーが獲得し、拮抗したシーズンであったことを示しました。
SUPER GT
[GT300 ドライバー] 谷口信輝/片岡龍也 (BMW Z4GT3)
[GT300 チーム] ゲイナー (メルセデス SLS AMG GT3)