デジカメメーカー各社を
調べずに適当にDisるブログとどっちにしようか迷ったけどこっちで。
富士フイルムのX100という現在発売されているコンデジの中でも特に偏愛度の高いコンデジだ。僕が持ってる初代だけFinePix X100という名称でその後はXシリーズと別ブランド展開になってほとんどスタイルを変えることなくX100S、X100T、T100Fとモデルチェンジを続けている。2011年に初代が発売されて2年おきにモデルチェンジしていることを考えると僕以外にも多くの人に愛されているのだろう。
もっと偏愛度の高いコンデジとしてシグマのDPシリーズがあるのだけど、あれはデジカメというより
Foveonイメージセンサにレンズとボディーをくっつけたものと考えたほうがわかりやすい。
例えるならば電脳戦機バーチャロンのライデン(余計わかりずらい)。
売れなきゃ生産終了、売れたらフォロワー続出のマスプロダクションの世界ではナンバーワンで居続けるよりオンリーワンで居続ける方が難しいと思うんだけど、DPシリーズは10年近くオンリーワンであり続けている。しかもモデルチェンジするたびにオンリーワン度というか
変態度を高めてくるあたりシグマの変態度(超褒め言葉)が垣間見えて大変素晴らしい。
話を戻して富士フイルムX100の話。
僕はこのコンデジを偏愛してやまない。買ったのは2011年だからもう6年使ってることになるのか。こいつの後にもソニーのRX-100とペンタックスK-3Ⅱ、キヤノンPowertshotD30を買ったんだけど、ぶらりとお出かけするときのお供はやっぱりこいつになる。コンパクトさと便利さではRX-100に、性能面ではK-3Ⅱに敵うべくもないんだけど(PowershotD30は水をかぶるときの特殊用途カメラだ)、カメラ構えてシャッター切るのが楽しいんだよね。
感覚としては銀塩末期に出てきたContaxT2みたいな感覚。持つだけでワクワクする小さな宝石箱、いやからくり箱。電源入れなくても抜けの良いファインダー、小気味よいクリック感のあるダイヤルとかいじってるだけで楽しめます。これは写真よりカメラが好きな僕には重要なポイントだったりする。(初代X100はちょっと露出補正ダイヤルが回りやすくてカバンの中で勝手に露出補正が+2とかになってしまうのはご愛嬌)
大事な大事な僕のX100なんだけど実のところ傷だらけである。キャップをアスファルトに落としたことは数知れず、ボトムカバーなんて塗装が剥がれて素材のマグネシウム合金が見えてきてしまっている。でも仕方ない。このカメラは大事にカバンにしまって持ち歩くより常に首からぶら下げてシャッターチャンスを逃さないようにするためのカメラなんだから(そいうときこのキャップはすぐ落ちるのでキャップはポケットにしまっておこう)。
・ハイブリッドビューファインダーの話
初めて触る人は最初に驚くハイブリッドビューファインダー。EVFモードでは一般的なミラーレス一眼のように写真で写る通りの映像が液晶に表示され、カメラ正面のレバーを倒すとシャコンという音とともに光学ビューファインダー素通しの画像の手前にフレームや撮影情報が表示される。この光学ビューファインダー(OVF)がなんとも言えず心地いいのだ。
(富士フイルムX100カタログより引用)
OVFだとEVFみたいに撮影する画像がそのまま見えるわけではない。パララックスを補正してピント位置に合わせて移動する液晶式ブライトフレームも精度が高いわけではなく、ピントが目的の位置に合焦しているかも分からない。露出もどうなるか撮ってみるまで分からない。(幸いX100のAFは遅いけど正確でスコーンと外すタイプではないので心配は無用だ)
そう、OVFは時代遅れのレガシーであり、より良い写真を撮るためにOVFを捨てEVFに走るべきなのだ。
否。
AT車全盛のこの時代に車と対話するためにMT車を求める奇特な人間がいるように僕はOVFを求めるのだ。「これだけ白が多い被写体でこのカメラはどう露出を判断するだろうかここはプラス補正を入れよう」「この光源にAWBはカメラはどう反応するか、カメラに任せるかホワイトバランスを手動へ変更すべきか」あるいは白黒モードで撮るならば白黒になったときどういう絵になるか。カメラと対話するのが楽しいのだ。(このあたりが写真よりカメラが好きと自称する所以)
シャッターを押すまでどんな絵が出るか分からない。これは現像するまで結果がわからないフィルムカメラに似ている。
ちなみに何がなんでもOVFを使わないといけないわけではなく、EVFモードも背面の液晶モニターを使った撮影もできる。またOVFでかなり近距離(70cmくらいか)を取ろうとするととAF警告が出てシャッターを切れなくなる。こういうときはおとなしくEVFを使わないといけない。あとハイアングルローアングル撮影はやっぱり液晶モニターが便利である。
しかしこのカメラを手にするからにはやはり富士フイルムの技術者渾身の変態度の高いOVFを使わない訳にはいかない。
・レンズの話
X100には23mm f=2.0のレンズが搭載されている。4代目にあたるX100Fまで基本的に変更されていない。コーティングが多少進化したくらいだ。そしてこのレンズに合わせてイメージセンサを最適化してある。おかげでレンズ交換式用のレンズに比べて非常にコンパクトで性能がいい。
このレンズの個性で絞り開放でマクロ域を使うとソフトフォーカス気味の描写をするのでこれを活かして花とか撮ると面白い。

↑クリックで拡大
この写真で注目すべきはうちの飼い猫ミャー太…ではなく背景のボケ具合。23mmのレンズでここまで柔らかいボケをみせるレンズ(カメラ)はそうない。

↑クリックで拡大
ちなみに点光源があれば普通にコマフレアは出ます。気合を入れて絞りましょう。
何度となく語ってるけど、フルサイズ換算で焦点距離35mmくらいの画角は僕のぱっと見た時の視界の広さに近い画角なので非常に使いやすい。多分僕はスナップショットを撮る時に32mm〜38mmくらいのレンズ1本あればあまり困らない人なのだと思う。28mmのレンズだと撮りたいものが視界に入ってそのままカメラを構えたら被写体が思ったよりも小さくてアレレとなったり逆に50mmだと慌てて一歩下がったりすることが頻発すると思う。そこで考えるのが写真上達の第一歩なんだろうけど。
このOVFと使いやすい焦点距離のレンズ、もしかして僕のために富士フイルムはこのカメラを用意したんじゃないかと思うくらい僕に馴染む。多少もっさりしたAF(現行機はストレスフリーだ)、OVFのおかげでコンパクトデジカメのなかではやや大柄なボディーでも画質は今でも第一線級だし、なによりシャッターを切るだけで楽しいデジカメ。僕は今後も使い続けるだろう。この先こいつが壊れてもX100の後継機を求めるだろう。
それくらいいいカメラだ。
・参考文献
THE FinePixX100 Book(内田ユキオ)インプレスジャパン
FinePixX100カタログ
ブログ一覧 |
デジカメ | 日記
Posted at
2017/04/18 23:00:57