口を開けて笑う千手観音…血を流す仏像!?

『骸の爪』
道尾 秀介 (著)

ホラー作家の道尾は、取材のために滋賀県山中にある仏像の工房・瑞祥房を訪ねる。彼がその夜見たものは、口を開けて笑う千手観音と、闇の中で血を流す仏像。しかも翌日には仏師が一人消えていた。道尾は、霊現象探求家の真備、真備の助手・凛の三人で、瑞祥房を再訪し、その謎を探る。工房の誰もが口を閉ざす、二十年前の事件とはいったい。


この作品には、大小多くの謎が散りばめられています。
そんな多くの謎が複雑に絡んで、濃淡の差はあってもそれぞれが事件と結びついて、最後にうまく収束していますね。
まぁ簡単に言えば、他愛もないダジャレめいたものなのですが、聞いた人が勘違いし、それが他に連鎖していくことで、「不可解な連続殺人事件」というメカニズムを駆動していくことになります。

次回は、前作になります「背の眼」を読みたいです。



注意：感想は私個人的な意見ですので、ご了承下さい。