
今の愛機であるライーザ2号機の総走行距離は14万4000km、初年度登録から10年半が経過しましたので、最近は各種ブッシュ類をリフレッシュを行っています。今まで交換したブッシュやマウント類は、
・エンジンマウントを2回純正品に交換
・デフマウントを社外品に交換(純正→LEG)
・前後のスタビライザーブッシュを純正に交換(MS→MS)
・タイロットエンドを2回交換(AutoEXE×2)
次は前期型RX-8でサーキット走行するのに辺り、問題となる純正フロントロアアーム(以下Fロアアーム)を交換する事にしました。
■前期Fロアアームの問題点
前期型のFロアアームでサーキットを走行をすると、内側の縁石に乗り上げた際、Fロアアームのボールジョイントソケット部に亀裂が発生してジョイント頚部が折れたり、ボールジョイントソケット部からボールスタッドが外れて走行不能になる事があります。
これが原因でサーキット走行中に走行不能になった8乗りを何人か知ってますし、8月にレボリューションのデモカーの8が、FSW SC(富士スピードウェイ ショートコース)走行中にボールジョイントソケット部からボールスタッドが外れました。レボリューションのホームページの作業日報の「2014-8-06 富士ショートコース ダブル取材」を参照。
http://revo-tune.jp/fa/daily_report/index.php?command=view_month&monthtime=1406818800
■Fロアアームのリコール
8のFロアアームは、マツダは平成17年7月21日をリコールを国土交通省に届出を行っています。
「前輪緩衝装置において、不適切な鍛造工程により製作されたロアアームが組み付けられたため、当該ロアアームのボールジョイントソケット部に亀裂が発生したものがあります。そのため、サーキットでのコーナリング走行時等に、内輪が段差を乗り上げたり、急操舵、急制動を行った場合、ボールジョイントソケット部からボールスタッドが外れ、走行不能となるおそれがあります。」
→「全車両、ロアアームの製造ロット番号を点検し、該当するものは当該ロアアームを良品と交換します。」
http://www.mazda.co.jp/service/recall/175/110/001144.html
以上がFロアアームのリコールについての内容なのですが、要約するとFロアアームの一部に不良ロットが混じっているので、該当品は正常品と交換しますよという事で、Fロアアームの強度不足についての言及は全くありませんでした。
■ひっそり改良されたFロアアーム
ジョイント頚部の強度不足の問題を抱える前期型のFロアアームですが、いつの間にか対策品に変わっています。
対策された内容としては、問題部のジョイント部分の径が大きくなったり、ジョイント部分取り付け部分の構造が変更されており、問題部分が強度アップされています。これは、マツダが今までのFロアアームの強度不足を認めた結果でしょう。


どの時期から対策品のFロアアームに変わったのかという疑問が生じますが、MAZDA EPC上のデータを参照すると、平成16年11月5日以降の車両のFロアアームの型番は
「F151-34-350B」と変更されています。なので、おそらくこの時期から対策品のFロアアームに変わっているのではないかと考えれます。なお、Fロアアームのリコールが発表されて三ヵ月後の特別仕様車「Sport Prestige Limited II」では、既に対策品のFロアアームが装着されているのを確認しています。
■さらに対策された後期Fロアアーム
平成20年3月にRX-8はマイナーチェンジして後期型となりました。後期型のFロアアームを見ると、ジョイント部の強化アップに加え、かっこの形をした穴が開いていたブッシュが穴無しに変わっています。これはブッシュの亀裂防止を担っていると考えられます。
私の8は平成16年2月式の前期型で、未だに対策前のFロアアームをつけたままサーキット走行をしています。先日友人の8が鈴鹿サーキットの130RでFロアアームが破損して走行不能になった姿を目の当たりにしたのと、Fロアアームのブッシュのリフレッシュも兼ねて、今回後期型のFロアアームに交換する事にしました。
■後期Fロアアームの型番と値段
後期型のFロアアームを注文したのですが、値段の高さにびっくりしました。
・F189-34-300A ロアアーム(R) 21,492円
・F189-34-350A ロアアーム(L) 21,492円
作業工賃を含めるとトータルで5万円オーバー。そして、Fロアアームの脱着を行うとアライメントがずれますので、別途アライメント調整も推奨です。なお、今回Fロアアームを注文したら左側のFロアアームが在庫切れでバックオーダーとなり、納期がちょっと遅くて作業日ギリギリになってしまいました。
■⇒驚愕する
後期Fロアアームを取り付ける為に今まで取り付けていたらFロアアームを取り外したところ、

右側(運転席側)のFロアアームのブッシュに大きなクラック(亀裂)が入っていまして、既に終わってました。
左側のFロアアームは右側と比べるとクラックはやや小さめでしたが、こちらは裏側までクラックが入っていました。もっと早い段階でFロアアームを交換すべきだったと反省。
後、Fロアアーム交換時にフロントアッパーアームのブッシュがよじれて固定されているのが発覚。どうも車高調取り付けの際にブッシュがねじれたまま1G締めされてしまったようで、一旦緩めてもブッシュは元の形に戻りませんでした。今回はそのままにしましたが、Fアッパーアームも近いうちにリフレッシュしなければ。
■Fロアアーム交換インプレ
後期Fロアアームに交換した後のインプレですが、ステアリングを切り始めた直後の車の動きが明らかに変わり、スムーズな動きになったのを鈍感の私でもわかりました。最近交差点で曲がる際にステアリングを切ると、車の向きが変わり始めた直後の初期の動きが重く、また何かに引っかかるような感触があってアライメントが狂っているのかなと思っていたのですが、どうやらFロアアームブッシュのクラックが原因のようです。
また、Fロアアーム交換前はステアリングを少し切った時のレスポンスが悪く、ステアリングに伝わるインフォメーションもおかしくて私のイメージと合致せず修正舵が多めでしたが、Fロアアーム交換後はそれも改善されました。いや、改善されたという表現は適切ではなく、本来の動きに戻ったと書くべきですね。
■他のリフレッシュアーム類
今回はFロアアームをリフレッシュをしましたが、他のアーム類はと言うと上でちょっと書きましたようにFアッパーアームのリフレッシュも考えています。でも、その前にリアのアーム類のリフレッシュが先です。8のリアのアーム類のブッシュの劣化は思った以上に早く、特にサーキット走行している車両については、5万kmで交換が目安との事。先日青パチ君がリアアームのリフレッシュを行いましたが、写真を見るとブッシュがあちこち切れています。これではせっかくのリアのトラクションが逃げてしまいます。リアのトラクションは8のキモです。
https://minkara.carview.co.jp/userid/453573/car/372859/4083022/photo.aspx
■まとめ
前期Fロアアームで対策前の品を装着してサーキット走行している車両は、Fロアアームのジョイント部の破損ないし脱臼対策として早急に後期Fロアアームに交換する事を強くお勧めします。
また、前期8組はどの車両も既に6年半が経過していますので、Fロアアームブッシュはだいぶ劣化しているはずです。特にサーキット走行している前期8につきましては、お節介ながらもFロアアームのリフレッシュをお勧めします。
【整備手帳】
・後期フロントロアアーム交換 その1
https://minkara.carview.co.jp/userid/507493/car/488014/2948862/note.aspx
・後期フロントロアアーム交換 その2
https://minkara.carview.co.jp/userid/507493/car/488014/2948863/note.aspx
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足回り | 日記
Posted at
2014/10/07 00:00:01