
今回8のエンジンオーバーホールを決断した理由ですか、複数の要素から総合的に判断しました。理由を大きく分けると、
エンジンコンディション・マネー・スピリットの3種類です。
一つ目はエンジンコンディションの劣化。
主な症状としては、
・エンジンのコンプレッション(圧縮)の低下
・ブローバイガスの増加
・低速トルクの低下
・サーキット走行での最高速度の低下・タイムの伸び悩み
・エンジンから冷却水漏れ
■エンジンコンプレッション低下
まず、エンジンコンプレッションの値ですが、2011年5月下旬の車検の時期に日を変えて3回測定しまして、その平均が、2011年5月30日に倒壊末だで測定した、
F:7.0 7.2 7.3
R:7.3 7.5 7.6
(250rpm換算)
ライーザ号 2号機は納車時にエンジンを載せ替えている(はず)なのですが、2年28,000kmのエンジンでこの値でしたからショックでした。
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その2年後の車検の時にもコンプレッションを測定したのですが、
F:9.0 8.5 7.3
R:7.2 7.1 7.0
(250rpm換算)
4年6万kmちょっとのエンジンです。2年前の数値からすると、フロント側は6台が出てもおかしくなかったのですが、フロント側の数値はなぜか上がりました。途中で試したRECSやフューエルワンなどの洗浄剤の効果が出たのかもしれません。しかし、今度は三室差とローター差が大きくなりました。ちなみに、
圧縮の限界値は680kPa、三室差:150kPa以内、ローター差:100kPaとされています。
コンプレッションの値はあくまで目安。同じ時期に測定してもエンジンオイルの銘柄などの車両コンディションでコンプレッションの値は簡単に上下します。ですので、コンプレッションの値だけ見てエンジンオーバーホールの時期を探ろうするとわけがわからなくなりますが、今のエンジンでサーキット走行を続けると、次の2年後の車検まで確実に持たない予感がしました。
■ブローバイの増加
2011年2月下旬にエンジンオイルをレベルゲージ真ん中よりやや少ない状態で鈴鹿サーキットを走行したところ、1回の走行で装着したオイルキャッチタンクが満タンになるほどブローバイが出ました。
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その後、リアルテックの浜口さんからのアドバイスで、
・エンジンオイル:某社の化学合成油100%(0w-30)
→ 部分化学合成油のnutec NC-50(10w-50)とNC-51(0w-30)を1対1でブレンドして5w-40
・ベンチレーションシステムを装着
以上を試したところ、ブローバイが減少&ブローバイによるエアクリボックスへの吹き返しも少なくなりました(浜口さん、アドバイスありがとうございました!)。
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コーナーシールとサイドシールのクリアランスが大きくなると、ブローバイの吹き抜けが多くなります。また、燃費の悪化やパワーダウンの原因にもなるので、この時点で既にエンジンのコンディションが良いとは言えない状況でしたが、その後コンプレッションを測定するまでエンジンオーバーホールの選択は頭にありませんでした。
■低速トルクの低下
ライーザ号を他の8オーナーが運転すると、低速トルクがない・パワーがないとまず言われます。オーナーの私自身は鈍感でそこまで感じていないのですが、逆に私が他の人の8を運転させてもらうと、そっちの方が明らかに低速トルクがあるのがわかりました。
また、高速道路で6速に入れて80~90km/hぐらいで巡航している最中に勾配の急な上り坂に差し掛かると、途中で加速力がなくなって4速に落とす事がよくありました。これがトルクがないって事なのでしょうね。
■サーキット走行での最高速度の低下・タイムの伸び悩み
2011年3月にスパ西浦で1分1秒台を出してから、自己ベストが全然更新できなくなりました。特に、岡山国際サーキットのバックストレートや鈴鹿サーキットのバックストレートみたいに上りながらのストレートだと、前を走っている8に全然追いつけない・・・。
エンジンパワー低下が原因かと思ったのですが、ロガー上で過去の自分のデータとコンペアすると、最高速や3→4速の加速がそれほど大きく落ちているわけではなくて、その日の走らせ方によるタイムロスの影響が大きいのがわかりました。
その後、2013年5月の鈴鹿ドライビングレッスンでは、突如フリクションが消えて高回転まで一気にエンジンが回った事が1周のみありました。あれは、噂で聞いたREの
「灯滅せんとして光を増す」現象(ロウソクの火が消えるときに、その光がパッと明るくなる様)。あの時はエンジンブローを覚悟しましたが大丈夫でした。あれで、もうこのエンジンでサーキット走行は無理かもと思うようになりました。
■エンジンから冷却水漏れ
2013年5月下旬の車検にて、フロントサイドハウジングとフロントローターハウジングの間から、冷却水(クーラント)が滲み出して漏れている事が見つかりました。
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その2年前の車検時のコンプレッションの測定結果から、エンジンブローのトリガーとなりかねないトラブルが見つかったらエンジンオーバーホールしようと思っていました。これぐらいならまだオーバーホールしなくても大丈夫だよというアドバイスを他の方から頂きましたが、これ以上エンジンに不安を抱えたままサーキット走行をしたくなかったので決断しました。今回のエンジンオーバーホールを決めた理由は、この件がとても大きいです。
■純正パーツ値上がり&消費税8%
次はマネー(お金)です。先日のブログでも書きましたが、純正パーツは年々値上がりしています。それに加えて、来年の4月から消費税が8%に上がります。エンジンオーバーホールは多額の費用がかかりますので、その前にしておいた方が同じメニューでも安く済みます。
■エンジンブローの代償
エンジンブローさせてしまうと、さらなる高額請求が待っています。エンジンブローはカーボンロックなど複数のケースがありますが、その中でもアペックスシールが割れるパターンだとエンジン全損で、
ローター(主にフロントローター1個)、エキセントリックシャフト、ステーショナリーギヤも再利用不可。こうなると、エンジンオーバーホールメニューによっては工賃込みで大台(100万円)を超える場合もあります。
また、レッカー代もかかりますし、長期入院となるので、突如のエンジンオーバーホール依頼の間ずっと代車を貸してくれるショップは少ないです。私みたいに8しかマイカーがなくて8を通勤に使っていると、車が手元にないと普段の生活で困ってしまいます。車が直る前に別の車両(原付や軽自動車など)の購入が必要となると、全損エンジンオーバーホール代+別車両購入代が重くのしかかってきますので、そういう状況になってしまう前に手を打たなければと思っていました。
■全てはエイトリアンカップ2014Springの為に
最後はスピリット(精神)。2014年1月18日(土) に筑波サーキットで開催されるエイトリアンカップ2014Springに遠路はるばる参加を予定している友がいます。筑波サーキットで彼と走り合う事が出来るチャンスは、この機会が最初で最後。だったら、持てる力を全てつぎ込むのが礼儀でしょという事で、その前に私はエンジンオーバーホールして、NEWエンジンで彼と走り合うという選択を選びました。
今シーズンは、エイトリアンカップ2014Springに全てをかけます!

↑本人のブログから写真をお借りしました
長くなりましたが、以上が今回私がエンジンオーバーホールを決意した理由となります。エンジンオーバーホールを検討している人の参考になればと思います。
Posted at 2013/11/28 00:00:00 | |
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エンジンオーバーホール | 日記