
最近サーキット走行時のブローバイが酷い。先日のスパ西浦フリー走行時では、エンジンオイルがレベルゲージのLOWのラインより少し上の状態で走行したのにもかかわらず、走行中にエンジンが吹けなくなり、1回の走行でオイルキャッチタンク(以下OCT)に約400mLものオイルミストが溜まり、オイル警告灯が表示されるほどエンジンオイルの量が少なくなった。また、エンジンオイルの乳化も最近酷く、エンジンオイルのレベルゲージやオイルキャップに乳化した油がベッタリ。このままでは今後安心してサーキット走行できない。
以前に筑波サーキットの近くにあるショップのREAL-TECH(リアルテック)のブログでブローバイの事について書かれた記事を思い出し、今回リアルテックの浜口さんにメールでブローバイの件について質問しましたら、とても丁寧にアドバイスをして頂きました。
http://real-tech.jp/
http://blogs.yahoo.co.jp/yasuyh0811
今回のブローバイ対策として、以下の4点を提案されました。
・エンジンのコンプレッション(圧縮)の測定
・ベンチレーションキットの取り付け
・使用しているエンジンオイルの銘柄の変更
・ABA型のバッフルプレートがついたオイルパンへの変更
エンジンのコンプレッションがほとんどないとブローバイを大量に吐くので、今回のブローバイの原因がエンジンのコンプレッション低下から来るものかどうかの確認のためのコンプレッション測定です。まだコンプレッションは測定していませんが、車検間近なので車検の際に測定する予定です。
次にベンチレーションキットの取り付け。ベンチレーションキットは、5年前にオイルの乳化対策という事でマツダからリリースされた対策品です。保証が残っている車はDラーで無料で取り付け可能。随分前にリリースされた対策品なのでキットそのものがもう入手できないかと思いましたが、マツダの対策品は長い間在庫しているようです。なお、前期型(MC前)の途中からベンチレーションキットが標準装備となり、後期型(MC後)も標準装備されています。
正式な商品名と型番は、「ベンチレーションキット取付 N3Y113S80A ベンチレーション セット」。部品代:19,110円、工賃:11,466円です。私の8は保証が既に無いので、先日Dラーで有料で取り付けてもらいました。作業手帳はこちら。
https://minkara.carview.co.jp/userid/507493/car/488014/1473149/note.aspx
ベンチレーションキットはブローバイ発生を抑える装置ではなく、発生したブローバイをエンジン側に還元する(戻す)装置です。ベンチレーションキットの構造は複雑で、配管の取り回しを追ってみても奥に入り組んでいて確認できず、一体どのように変更されたのかよくわかりません。いろいろ調べてみたところ、ベンチレーションキットはブローバイを2系統に分けてエンジン側に戻しているようで、一つはオイルフィラー側からインマニに、もう一つはオイルパンからインテーク側(電子スロットル前部)にブローバイを還元しているみたいです。なので、下の写真のベンチレーションキットを装着して増えた赤矢印の配管と青矢印の配管は直接繋がっていない事になります。
比較として、ベンチレーション非装着車の配管は下の写真のようになっています。オイルフィラー側とインテーク側がダイレクトに繋がっています(赤矢印)。
今回装着したベンチレーションキットですが、これによりインテーク側の蛇腹(ベローズ)やエアフロセンサー、エアクリボックス内・エアクリそのものがブローバイガスで汚れる事が無くなるわけではありません。1号機にもベンチレーションキットを装着してましたが、エアクリボックス内がブローバイガスで汚れてエアクリもオイルがベタベタになった事が何度かありました。ベンチレーションキットを装着する事によりブローバイガスでインテーク側が汚れる頻度が低くなりますが、完全に防ぐ事は出来ないようです。
ベンチレーションキット装着車両でオイルキャッチンタンク(以下OCT)を装着している人もいます。まずは、ベンチレーションキット非装着車でOCTを取り付けるケースの説明。ベンチレーションキット非装着車の場合だとオイルフィラー側とインテーク側がダイレクトに繋がっているので、OCTを装着する場合は、その間に配管を割り込ませて装着するのが一般的で、私もそのやり方でOCTを着けてました。
問題はベンチレーションキット装着車でOCTを取り付ける場合。ベンチレーションキットにより配管が複雑になっていて、どこにOCTを割り込ませるかが問題。ブローバイガスによって大きな影響が出るのはインテーク側の汚れなので、オイルフィラー~インマニの間よりも、オイルパン~電子スロットルの間に割り込ませて取り付けた方が良さそうです。後期型の青パチ君のOCTも同じ配管でした。
ベンチレーションキット装着車でのOCTの取り付け方法を探していたら、たかさんの作業手帳にとてもわかりやすい該当記事がありました。ベンチレーションシステムを取り付ける際にSARDのOCTを一旦取り外してしまいましたが、この作業手帳を見て後日またOCTを取り付けようと思いました。せっかく購入したSARDのOCTですし、1号機みたいにベンチレーションキットをつけた状態でもインテーク側が汚れる可能性はありますからね。
https://minkara.carview.co.jp/userid/485929/car/411851/1282467/note.aspx
また、ベンチレーションキットを装着するとインテークマニホールドプレッシャー計(インマニプレス計)の取り付け箇所も変わってくるので注意が必要です。
Dラーでペンチレーションキットを注文した際にマツダスピードのエアクリーナーを注文したのですが、ベンチレーションキットを取り付けた際に一緒に交換されてしまいました(汗 前使っていたエアクリーナーはR Magicのトリプルパイパークリーナー。マツスピのエアクリはスペアとして持っている予定でしたが、Dラーが勝手に交換しちゃったのなら仕方がないよね。外したR Magicのトリプルパイパークリーナーはブローバイガスのオイルミストが付着していて、エアフロセンサーもかなり汚れていたそうで洗浄してもらいました。
マツスピのエアクリの型番は、QSE1-13-Z40で価格は8,925円。後からBombでも取り扱っている事を知りましたorz
ベンチレーションキットの事でずいぶんと長くなってしまいましたが、次はエンジンオイルについて。100%化学合成油だと油膜が薄い分粒子も薄いのでブローバイが出やすく、低粘度のオイルだとなおさらだそうです。今まで使っていたエンジンオイルは、R MagicのRacing Energy for NA。エステル系の100%化学合成油で0w-30で低粘度。・・・、ブローバイが出やすい両方の条件を満たしている。Racing Energy for NAは、中回転領域でのパンチ力があって好きなフィーリングでしたが、ブローバイ対策で別のエンジンオイルに変えることにしました。リアルテックの浜口さんに勧められたオイルはnutec(ニューテック)。
http://nutec.jp/
nutecのオイルは種類がいくつかあり、お勧めのオイルをいくつか教えていたのですが、今回は部分化学合成油のNC-50(10w-50)とNC-51(0w-30)を1対1でブレンドして5w-40として使う事にしました。これから気温が上がり油温が110℃を超えるようなコンディションになると、これぐらいの粘度がないと厳しいそうです。
今回エンジンオイルをnutecに変える際に、ミッションオイル・デフオイルもnutecに交換しました。ミッションオイル:ZZ-32(80W-120)、デフオイル:NC-71(80W-140)です。8はミッションオイル・デフオイルもスポーツ走行するとかなり高温になるそうで、これぐらい粘度が高いオイルを入れておかないと純正LSDであっても厳しいそうです。高温に晒されてオイルが劣化して状態でのスポーツ走行は、ミッション・デフの耐久度に影響してくるそうなので、保護を兼ねて今回高い粘度のギアオイルを入れてみる事にしました。ギアオイルは、最長でサーキット走行時間5時間以内の交換を推奨との事です。nutecのオイル交換の作業手帳はこちら。
https://minkara.carview.co.jp/userid/507493/car/488014/1473166/note.aspx
純正LSDな事もありデフオイルの違いは私にはさっぱりわかりませんでしたが、ミッションオイルのZZ-32(80W-120)はいい感じになりました。nutec ZZ-32のパーツレビューはこちら。
https://minkara.carview.co.jp/userid/507493/car/488014/3676109/parts.aspx
エンジンオイルの説明終わり。最後はオイルパン。LA型からABA型に変わったタイミングで(約6年前)バッフルプレートがついたオイルパンに変更になりましたが、これもブローバイ軽減に影響があるそうです。私はLA型なのでバッフルプレートが着いていないタイプ・・・。1号機の時はバッフルプレート付きのオイルパンは対策品だったので無料で交換してもらいましたが、前のオーナーがバッフルプレート付きのオイルパンに交換した可能性は低い。バッフルプレート付きのオイルパンは今後のブローバイガスの出る量を見てから交換の判断をしたいと思います。今度Dラーに行った時にバッフルプレート付きのオイルパンに交換したらいくらかかるのか聞いてみます。なお、後期型(MC後)のオイルパンは容量が増えてオイルパンの形状が変わったみたいなので、前期型(MC前)に取り付けは無理みたいです。
以上で今回のブローバイ対策の説明を終わります。ベンチレーションシステムを装着&エンジンオイル交換してジムカーナ練習会と鈴鹿サーキット 国際レーシングコースを走ったところ、以前みたいにブローバイガスでエアフロセンサーが汚れて吹けなくなる(燃料カット)症状は全く出ませんでした。エアクリボックスの中を隙間から少し覗いて見たところ、ファンネル部にオイルが少し付着していたので、やっぱりベンチレーションキットを装着してもオイルキャッチタンクは取り付けておいた方が良さそうです。
ブローバイガスの状況については今後も報告したいと思います。今回相談に乗って頂いたリアルテックの浜口さん、どうもありがとうございました。
http://real-tech.jp/
Posted at 2011/04/26 01:51:45 | |
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