有色紀州犬とは…

　ウチの犬、ハヤテ(血統書登録名：菊若ノ光国)は、純血の紀州犬です。が、その風貌と体格から、大きな柴犬、若いシェパード、雑種犬等とよく間違えられます。
　紀州犬というと、多くの人は白い中型犬をイメージするかと思います。和歌山では県や県警、ＪＡ等が紀州犬をマスコットとしていますが、どれも白い犬のキャラで、茶色や黒の毛をした者は居ません。実際の所、現在の紀州犬はその9割以上が白毛であると言われますし、聞くところによると、保存会に所属しているような人でも、「紀州犬は白毛に限る」などと言う人が居るそうです。

　しかし、元々の紀州犬は白い犬ばかりでなく、ハヤテのような胡麻毛、柴犬に多いような赤毛の他、虎毛や斑毛など、さまざまな毛色があり、白はその中の１つに過ぎなかったそうです。白毛が増えたのは第二次大戦後の事だそう事で、見た目にきれいで、生涯毛色が大きく変わらない白い犬が展覧会用やペット用としてウケが良かった事、展覧会で高評価を受け、繁殖用として活躍した犬が白だった事等から、白の割合が増え（白×白は基本的に白しか生まれないため。）、その他の毛色がどんどん減っていったようです。

　紀州犬＝白犬というイメージが定着している事もあり、ハヤテのような毛色の犬は「有色紀州犬」と呼ばれるようになっています。古い愛好家は「イロモン」、「色物」等と呼んでいます。こんな呼び名が付いていますが、犬種が分化されてるわけでは無いので、血統書の上ではどちらも紀州犬です。胡麻毛は、ここ数年増加しているようですが、その他の毛色はネット上でもあまり写真等を見かけません。斑に至っては、wiki等ですでに居ないように書かれていますが、実は今でも生き残っています。というか、有色紀州犬を使った交配でたまに生まれます。ハヤテの母系の数代前にも、斑ノ鉄という斑毛の犬が居ました。

斑毛の紀州犬というのは

こんなのです。画像の犬は猟犬で、現役時、ある山からイノシシを駆逐したほどの凄腕だそうですが、人相手にはまったく無害な犬でした。
見た目が、多くの人がイメージする雑種犬っぽいため一般ウケはしないでしょうが、この毛色は名猟犬が多いそうです。


こちらは赤毛です。きれいな赤毛の紀州犬はかなり希少です。


ハヤテとは若干色合いが違う胡麻毛。この犬はハヤテの現時点唯一の息子です。（娘は複数居ます。）

　先述の通り、白犬同士の交配は生まれてくるのがほぼ全て白犬なので、有色紀州犬が子供を残していけないと、紀州犬は本当に白い犬だけの犬種になってしまうかもしれません。

割と責任重大です。




以前、娘(手前)を預かっていた時の写真。