中棚温泉 中棚荘

小諸なる古城のほとり 島崎藤村
小諸なる古城のほとり
雲白く遊子悲しむ
緑なすはこべは萌えず
若草も籍くによしなし
しろがねの衾の岡辺
日に溶けて淡雪流る
あたゝかき光はあれど
野に満つる香も知らず
浅くのみ春は霞みて
麦の色わずかに青し
旅人の群はいくつか
畠中の道を急ぎぬ
暮行けば浅間も見えず
歌哀し佐久の草笛
千曲川いざよう波の
岸近き宿にのぼりつ
濁り酒濁れる飲みて
草枕しばし慰む
若い頃は文学を志していましたので、島崎藤村の若菜集、落梅集という詩集、破戒、春、家、夜明け前などの小説も読みました。今ではほとんど忘れてしまいましたが・・・。
上に紹介したのは藤村の落梅集の中にある詩です。「千曲川旅情の歌」として知られています。この詩の「岸近き宿」が中棚荘なのだそうです。藤村のゆかりの宿です。
小諸駅近くの坂道を下ると途中に看板が見えます。歩いてもいける距離です。看板の反対の駐車場に車を停め、更に坂道を下っていくと、山羊が出迎えてくれました。温泉山羊は初めてです。
フロントで食事をお願いすると「はりこし亭」を紹介されました。階段、外の通路で更に下りたところにありました。美味しいお蕎麦をいただきました。
再びフロントに戻り日帰り入浴をお願いしました。フロントから廊下を進み、いったん外に出ます。風呂は別の建物にありました。
建物の戸を開けると何とも雰囲気のある浴室がありました。木のぬくもりが感じられる室内で、落ち着いた感じの浴室です。脱衣所と浴室の境がないのも面白いものでした。露天風呂もすぐ外にあり、脱衣所から全てが見える造りなのです。
内湯は長方形の檜風呂で真ん中ほどに丸太があって、浴槽が2つあるように見えます。源泉の温度が38℃と低いので内湯は加温しています。臼のような湯口から湧き出るように源泉が注がれています。手にとって口に含むとほのかに硫黄臭がしました。とろりとしたお湯でいつまでも入っていられる温泉です。
露天風呂は打たせ湯のようになっています。源泉がそのままかけ流しにされているのでぬるめです。夏だといつまでも入っていられそうですが、冬だと厳しいかもしれません。
こんな素晴らしい温泉で藤村も物思いにふけったのでしょうか。
ここの良さは宿泊でなければわかりませんね。誰か文学談義が出来る相手を捜しましょうかね。(2009/6/28)
再訪
2009年11月3日に再訪しました。「初恋りんご風呂」に浸かってきました。 周囲も秋景色でしたよ。
関連リンクの画像はこの日のものです。以前のものは温泉データの最後にURLを書いておきます。
温泉データ
源泉名・・・・・・中棚温泉
日帰り入浴時間・・11:30~14:00
定休日・・・・・・無休
料金・・・・・・・1000円
泉質・・・・・・・単純温泉(弱アルカリ性低張性温泉)
泉温・・・・・・・37.5℃
pH値・・・・・・8.4
加温・・・・・・・なし(内湯有)
加水・・・・・・・なし
循環・ろ過・・・・なし
消毒・・・・・・・なし
入浴施設・・・・・内風呂男女別各1、露天風呂男女別各2
最新入湯日・・・2013年4月14日(10)
HP・・・・・・・http://www.nakadanasou.com/
写真①↓
http://minkara.carview.co.jp/userid/516066/car/449952/1519356/photo.aspx
※関連リンクに画像があります。
住所: 長野県小諸市古城乙1210
電話 : 0276-22-1511
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