さぁ今日から7月。夏本番です。
博多の街では7月1日から15日まで、皆さんご存じの博多祇園山笠期間です。
早速、朝から水法被を着た「山のぼせ」が福岡・博多の街を颯爽と歩いておられます。
博多祇園山笠は、7月15日午前4時59分スタートの「追い山」でクライマックスを迎え、博多の街は熱狂のるつぼと化すわけですが、「山のぼせ」の勇壮で豪快な男たちの鼓動と熱い魂は、見る者すべてに大きな感動を与えます。
この「追い山」は重量約1トンの色とりどりに飾られた山車に男衆数名が乗り、疲れた引き手を交替させながら競争させるという結構無謀なお祭りなわけでして、簡単にいうとポルシェクラスの乗用車を20数名で担いで、公道レースをするわけです。
関西の方は「だんじり」があるので、何となく理解していただけるかと思いますが、その異様な雰囲気をわかりやすく例えるならば、まさに甲子園球場での阪神-巨人戦ライトスタンド・・・
劣勢で迎えた9回裏。金本選手の逆転サヨナラ満塁ホームランでゲームセット。
というシチュエーションを思い浮かべて頂ければ判っていただけると思います。
そのくらい強烈なインパクトがあるお祭なわけです。
はっきり言ってこの期間はさまざまな治外法権が存在します。
A氏「B課長。すんまっせんが今日から2週間ほど休みばくれんですか?」
B課長「何ばするとね。2週間も・・・。どっか旅行でも行くとな?」
A氏「山笠です。」
B課長「そうな。じゃ~しよんなかたい。まぁ怪我せんごと頑張ってきない。飲み過ぎんごとな・・・」
てな具合ですよ。現代において信じられません・・・
山のぼせの正装は「水法被」。追い山での「締め込み姿」。こんな格好だったら普通どこのお店でもカンペキ出入禁止ですよ。しかし男どもは、いとも誇らしげにどこでも闊歩していくんですねぇ。
このバイタリティーは私には真似できません。
ところで、博多うんちくを少々。
そもそも福岡と博多は何がどう違うのか?ご存知ない方も多いと思います。
地理的なお話しをすると、町の中央を流れる那珂川を挟んで西側を福岡。
東側を博多と呼びます。
そして福岡は武士の町。博多は商人の町だったわけです。
福岡市は、明治22年に誕生。翌23年の市議会において、博多地区出身の議員から博多市に市名変更を提案されましたが、議決の結果同数。当時の議長の一声で福岡市に決定したのは有名なエピソードです。
ちなみに、その年の12月に国鉄が開業し、駅名をどうするかとなったところ、例の一件とのバランスを取り「博多駅」とすることで折り合いをつけたそうです。
山笠のフィナーレを飾る追い山は、午前5時スタートではなく、なぜ4時59分スタートなのか。
これには、きちんとした理由があります。各山は5分毎にスタートします。一番山は、4時59分にスタートし、2番山は5時5分に出発。以降5分おきに出発するわけですが、一番山はゴール地点に到着すると、博多祝い唄(祝い目出度/いわいめでた とも言う。)を歌うわけで、これを歌い終わるまでに約1分かかるので、その時間分を前倒ししているそうです。
それから皆さんが大好きな中洲「ナカス」ですが、実はこれも昔は呼び方が違ったんですねぇ。
昭和40年代にはまだまだ路面電車が走っていたわけですが、その頃は、車掌さんが「東中洲」を「ひがしなかずぅ~」って言ってましたね~。
「なかす」か「なかず」かの真偽のほどは定かではありませんが、そんな時代もありました。
しかし、一般の方には、「福岡」と「博多」の違いはさぞ判りにくいでしょうねぇ。
昔はテレビ番組でも時々、「福岡県博多市」ってテロップ流す番組があったくらいです。
長くなってしまいましたが、この「博多」って響き。私とっても大好きですし、とても誇らしい気持ちになります。
厳密に言うと、生まれも育ちも生粋の福岡人なわけですが、時々「博多」を名乗りたくなることがあるんですね~。
おそらく福岡市に限らず、周辺市町村出身の方々もそんな気分になることがあるはずです。
特にこの時期はね・・・
ところで、関東や関西の方から見た「博多」もしくは「博多の人」のイメージってどのように映っているのでしょうか?
きっと気が短くて、酒が強くて、ケンカっ速い。そんなイメージですかね・・・
何か今日のブログはいつもと違う様相ですが、どうかご勘弁を・・・
今日のたろすけは博多宣伝マン状態でございます。
この機会にあなたも博多通ぶってみませんか?ここ2週間だけは日本一にぎわう街です。
きっとウンチクたれても笑顔で許してもらえるはずです。
他に「こんな凄いウンチク知ってる~」とか「こんな信じられん治外法権に遭遇した~」という経験をお持ちの方。この機会に暴露しちゃって下さいマセ・・・
拙い文章で失礼しました。お口直しに博多が生んだスーパースターの名曲を聞いて下さい。
ガレージの中で大音量で聞くと自然に涙がこぼれてきます・・・
「博多っ子純情」byチューリップ
いつか君、行くといい。博多には夢がある。できるなら夏がいい。祭は山笠。
男たちはとても見栄っ張りで気が強い。海の風に吹かれるから。
だけどみんなすぐにもらい泣きするようなヤツ。酒を飲んで肩を叩く・・・