博多たろすけのブログ一覧

７月１日より書き続けた山笠ブログもいよいよ最終日を迎えました。
たろすけ　現場からの実況中継の予定でしたが、
諸般の事情により、急遽テレビ観戦となってしまいました。
（しかし、これも観戦って言うとかいな？）
いつものことではありますが、実に勇壮です。

今日は７月１５日。朝日もまだ昇らぬ午前４時５９分。
博多の街は一斉に目覚めます。
重量約１トンの山車を男衆が全速力で博多の街を駆け巡ります。
お櫛田入りに始まり、全長約５㎞の行程を早い流は、約３０分で走り抜けました。
「祝いめでた」から「博多手一本」の一連の画面を見ていると自然に涙がこぼれます。
台上がりの男衆の表情の格好良いこと。男が男に惚れる瞬間です。

とまぁこのあたりまでは皆さんご存じの博多祇園山笠の表の姿です。
ここからは、福岡にお住まいの皆さんもあまりご存じない裏の姿を紹介します。

山笠は山のぼせの男衆の祭りと思われがちです。
しかしながら、その祭りの成功の裏には、山のぼせに対する女性の献身的な協力があるからこそなのです。
山笠期間中はほとんど仕事をしない男どもも少なくありません。
そして、毎日のように飲んだくれる輩もあちらこちらに見受けられます。
その間、女性は家や店を守り、詰所へ足しげく通い、疲れた男どもを炊き出しで労うなど、本当に女性の献身的な協力には頭が下がります。
そうです。山笠は女性抜きには絶対に語ることができないお祭りなんです。

本日、須崎問屋街を駆け抜け、フィナーレを迎えたわけですが、裏の山笠はここから始まります。
一部の流は恒例の手一本で締めた後、若い衆を中心に今日まで崇め奉った山車に群がり、一斉に山車を解き始めます。
これを「山解き」といいますが、一瞬にして跡形もなくなってしまうんですね・・・
「まるで獲物に飢えたハイエナのよう」というのがピッタリの表現です。
以前は、お目当ての部位を取り合うために乱闘も辞さなかったとのこと・・・

普通は名残を惜しんで、しばらくはゆっくりと山車を眺めていたいのが人情でしょうが、
この瞬間が博多の気性を如実に表している瞬間なのです。
「そんなに急いで壊さなくても・・・」
２ヶ月間かけて作られた人形師の方々が一番寂しさを感じる瞬間だそうです。

ちなみに写真は、今朝７月１５日　午前８時３０分現在の飾り山の写真です。
既に飾り山は跡形もない状態です・・・
追い山が始まってまだ、４時間経ってないんですよ・・・
そして最後の８番山がゴールにたどり着いて、わずか２時間の姿です。
実に潔いではないですか。
手一本を入れればそれで全て終わり。そして、次の瞬間には日常に戻っていくというわけです。
まさに竹を割ったような性格とはこのようなことを表すのでしょう。

１年のわずか約３０分のために全てを捧げるこの男達、実に格好良いです。
憧れます。福岡に生まれたことを誇りに思います。
と同時に博多に生まれなかったことをとても残念にも思います。

そして、２００９年の山笠は幕を閉じていったわけです。
そしてそれは、３６４日後に迫る２０１０年の山笠の始まりでもあるわけです。
実に素晴らしい１年の終わりであり、始まりでもあるわけです。

延々とやってきたたろすけの山笠リポートもこれでおひらきとさせていただきます。
拙い文章に長々とお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

それにしても、

ホントにホントにすごか街バイ　この街は・・・

おいさっ！！！




関連情報URLは、同じ場所での山笠が飾ってある状態です。比べてみてください。