夏休みの工作と称して実験をやったので、レポートちっくに結果と考察も上げて完結としたいと思います。
先日、実験編で録画した各コンデンサ、各コイルの平原綾香の動画ファイルからwav形式で音源化しました。
それをiPodに入れて各1分ずつのファイルを何度も何度も繰り返して聴き比べてみました。
どこのサイトでもそうですが、こういった評価は主観的なものになってしまいますのでその点はご了承ください <(_ _)>
また音色の印象は使用開始直後のものとお考えください。エージングで変化する素子だと思いますので、鳴らし続けるとまた印象は変わる可能性も多分にあります。。。
<結果>
IMG_5202 posted by
(C)shibi-shibi
・JBL純正のネットワーク。
まずは純正です。
動画ではこれだけ出力が低かったので音量を補正して比較しています。
他に比べると余計に感じますが、中高域が引っ込み気味です。
サ行などに弱冠刺さり気味というかチリチリとちりついている感じ。
ボーカルがどうも人工的な声に聞こえてる印象。
純正を基準として、まずはコンデンサ比較。
一応、コンデンサ比較ではありますが、空芯コイルを
IMG_0565 posted by
(C)shibi-shibi
Jantzen Audio 18AWG 0.1mHに変更していますので純正ネットワークを比べてコンデンサもコイルも交換してある状態ではあります。
IMG_0547 posted by
(C)shibi-shibi
・Jantzen Audio Standard Z-cap 3.9μF
今回変更品での基準としましたが、純正に比べて中高域がしっかり前に出てきました。
他と比べてるとちょっと大人しめな優等生なコンデンサ。
IMG_0549 posted by
(C)shibi-shibi
・Jantzen Audio CROSSCAP4 4.1μF
ちょっと数値が違うのでTWのクロスオーバーが低めになってきます。
Z-capと同じく純正よりしっかり中高域が前に出ます。
Z-capに比べてざっくりしてますがきれいな音という感じ。
IMG_0553 posted by
(C)shibi-shibi
・AUDYN QS6 3.9μF
純正よりしっかり中高域が前に出ます。
CROSSCAPより音に厚みがある感じです。数値が低いわりにそう感じたので同値で比較するともっと厚みを感じるかも。。。
CROSSCAPと同じ程度にきれいな音という印象。
他のコンデンサと比べてもなんというか上品な音で、ホームオーディオで似た雰囲気を味わうことがあるなーという印象。
音の消え入る余韻がCROSSCAPよりちょっと情感があります。
IMG_0552 posted by
(C)shibi-shibi
・Mundorf CMP6 3.9μF
純正よりしっかり中高域が前に出ます。
音の余韻が他のコンデンサと比べても一番情感がありとても聞こえ心地がいいです。
ギターの弦の音が柔らかく響きます。
IMG_0559 posted by
(C)shibi-shibi
・ParcAudio DCP-FC001 4.7μF
FOSTEXと同値ですが、その他のコンデンサと比べて数値は大きいためCROSSCAP以上にクロスオーバーが低めになってきますのでMIDとかなりボーカル域の周波数の重複があると思います。
ついでに言うとMIDのスロープを6dB/octにしているのでこの重複は余計に出ていると思います。
純正よりしっかり中高域が前に出ます。
ボーカル域の音がけっこう厚めに感じましたが、ここは数値の影響もあるかもしれません。
音がかなりはっきりしており解像度高めに感じます。
出音の立ち上がりが早い感じなのではっきりくっきり感じるのかもしれません。
余韻はAUDYN QSと同程度。
IMG_0560 posted by
(C)shibi-shibi
・FOSTEX CP 4.7μF
こちらも数値が高めです。
純正よりしっかり中高域が前に出ます。
全体的な音の印象はParcAudioと似ています。なのでくっきりはっきり解像度高め。
ボーカル域の音がけっこう厚めに感じましたが、やはり数値の影響もあるかもしれません。
音の響きはParcよりある感じ。
以上がコンデンサの比較結果でした。
次にコイル。
こちらのコイル比較ではコンデンサ比較の最後に登場したFOSTEX CP 4.7μFで固定しています。
正直コイルについては音色の違いが僕の耳ではコンデンサのようには感じにくく差がそれほど大きくないように思いました。
IMG_0568 posted by
(C)shibi-shibi
・Jantzen Audio 15AWG 0.1mH
ボーカルの力強さがアップ。
うーん、コンデンサも変わっているので難しいですがボーカルの人工的な感じが薄れた印象。
IMG_0571 posted by
(C)shibi-shibi
・Mundorf LML140 0.1mH
最後の検討品。
こちらもボーカルの力強さがアップ。
Jantzenの15AWGに比べてもこちらの方がボーカルが肉声っぽくなりました。
以上がコイルの比較でした。
<考察>
とくにコンデンサ。組んである回路設計は純正とも違うはずだし、やはり素子に掛けれるコストの違いも反映してか音色は変わりました。
僕が聴いている限りではどのコンデンサに変更してもいい方向に転がっているし、コイルについても同様で変更することでボーカル域の力感は上がるようです。
余韻、情感、儚さの表現力ではよく聞き込めばやはりMundorfのコンデンサがいい仕事をするようです。さすがだなと思いました。
ここら辺は第一印象と変わってきたところでした。
最近は違うと思いますが、一昔前によく言われたスピーカー業界で日本メーカーは解像度を求めリアリティーは高いけど音楽性で今一歩、音のキャラクターも意図的に付けない方向。欧州メーカーはスペック的には大したことがなくても表現力が多彩で癖もあるけどそれがメーカーのキャラクターとなり音楽性となるという印象は今もコンデンサメーカーにもありそうに感じました。
コイルについては特徴が出しにくいのかは僕にはわかりませんが、差は確かにありますが大きくはなく、このあたりがコイズミ無線さんや横浜ベイサイドネットさんなんかを見ていてもコンデンサはわんさか種類があるのにコイルはわずかしかないという品揃えにも通じるのでしょうか。。。
自作ネットワークのチャレンジは勉強のための意味合いが強かったですが、予想以上にオーリスの音を豊かにしてくれそうですので、さらに煮詰めて行き最終的には実装したいと思います。
スロープの設定しかり、コンデンサについても電解コンデンサをわざと加えてフィルムコンデンサと電解コンデンサを並列に結ぶことでお互いのいいとこ取りをする方法などホントにたくさんの理論があるようで、そこまでは立ち入るつもりはありませんが、パッシブネットワークの奥深さは深遠なる世界のようです。
少しだけではありましたが、面白い世界が覗けました。
なお、今回の実験では回路設計とコンデンサ、空芯コイルの数値算出に福岡県のショップ、エモーションさんの「パッシプネットワークの作り方」という38ページにわたる大作の資料を教科書とさせて頂き、バターワース方式に基づいて設計させて頂きました。
明日はお休み。
上の子の夏休みの工作を手伝いたいと思います。
予想通りのワニシャンです(苦笑)
ブログ一覧 |
オーリス | 日記
Posted at
2015/08/18 22:11:17