
クラウドファンディングで買った5Wのレーザー彫刻機を使って、色んなものにロゴを彫刻をしてきたが、磨きのステンレスやそれに近いテカテカしたものはレーザーを反射してしまうため、いくら動作速度を遅くしても、また出力の大きな装置を持ってきても彫刻できなかった。
最初に製品の製作を依頼したのは、梨地の素材で加工してくれる業者が作ってくれたものだった。だからそれにレーザー彫刻した。
梨地の反射は弱い。出力の低い半導体レーザーでも、茶色く、ある程度深い彫刻が出来た。
それが自分の基準になった。
やがて別の業者と付き合うようになり、別の素材での製品が提供された。
現在働いている業界では、指定する素材名に肌は記載しないのが普通だった。だがその業者が作ってきたものは、肌に艶のある素材だった。
反射して彫刻できない事を、無知な自分は「出力が足りないのではないか」と60Wの半導体レーザーを買ってみたり、小ロットのくせに「素材を変えてくれないのか」と業者と交渉をしたり、金と時間を使うことで解消しようと試みた。
また表面が反射することに起因するなら、それを解消するために艶有りや艶消しの黒いスプレーや、白っぽいサフェーサーを吹いたり、マスキングテープを貼ったりなど試したが、彫りが薄いと言うより「薄く模様が付いた」という状態にしかならなかった。
艶のある肌を殺すため、両頭グラインダーに硬いブラシを付けて表面を荒らしたり、レーザー彫刻用のテープも試したりした。だがそうしてしまえば茶色い彫刻が出来るのだが、余計な「手間(=お金)」がかかってしまう。
振り返ると1年以上、艶肌へのレーザー彫刻に取り組んできたが、やっと解消した。
「二硫化モリブデン」というキーワードを得、写真の右はそれ(二硫化モリブデン)であればスプレーグリスでも良いのかと試したもの。
そして左は、パウダー仕上げになる二硫化モリブデンのスプレーだ。
右の彫刻の4倍のスピードで彫刻してみたが、濃過ぎるくらい黒い。
5Wでも、もっと短時間で加工できそうだ。
5cm x 2cm に2時間(業者に委託すれば1-2万円? もちろん業務用はもっと短時間だろうけれど)かかっていた彫刻が、30分で出来れば嬉しいなと思った瞬間だった。
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パーツレビュー | クルマ
Posted at
2024/06/25 01:38:59