のピストンです。
8月11日加筆(わかりやすく)しました

F1で1967年にデビュー、以来1983年までに155勝した名エンジン、コスワースDFV V8 2993cc です。
ターボエンジンの台頭で姿を消しましたが、F1史上に輝かしい戦績を残したエンジンでしょう。
なぜか、そのピストンが手元にあります。

ナゼこれがあるかは、ヒミツ♪ですが、
まー、かつてはピストンの研究と設計でメシ食っていた、ということでして。
コイツは、いわゆる鍛造アルミニウムピストンでございます。
鍛造は、鋳造に比べ強く、材料欠陥も少なく、その分薄くして軽量化できたり、同じ厚さなら単純に耐久性が上がったり、設計の仕方によりさまざまですが、かなりのメリットがありました。
一番大きいメリットは熱処理で硬度、強度が上げられる、ということでしょうか。コレは鋳造では不可能なメリットです。なぜなら、鋳造は必ず空気の巻き込みによる気泡欠陥が内在し、熱処理を行うと、ブクブクふくれたり、最悪の場合割れてしまうからです。
しかし、鍛造のメリットが過去形なのは、今は鋳造技術も発達し、鋳造なりのメリットも大きく出てきたからです。(今では、熱処理も可能にした鋳造方法も実用化されていますしね。)
たとえば、そのいい例がエボ4で鍛造ピストンを採用したのに、エボ5では鋳造ピストンに戻したこと。
え、鍛造の方がいいはずなのに、エボ5で鋳造に戻しちゃったの?退化じゃん、と思うのがフツーです。
しかし、中子技術の進化により、鋳造だと「クーリングチャンネル」という冷却用のオイルの通る中空部分をピストン頭部内に作ることができるようになりました。
コレは、鍛造では作れないのです。
この技術で、400馬力の熱と力に耐える鋳造ピストンができたわけです。
鍛造が必ずしもベストでない、と言う事です。
いちおう続く。
Posted at 2011/08/10 22:14:26 | |
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