
先日、とある先輩から「最近ちっとも書かないね。たまに出てきたと思ったら音楽とかの話ばっかしだし~~」
とお叱りを受け (^_^;
今回は一応、音楽絡みのクルマ話です (笑)
カレラ・パナメリカーナ・メヒコ。
かつて中米を舞台に行われていた、ポルシェ乗りにとってはちょっと特別な意味を持つ公道レース。
今でこそ911のベースグレードを指す呼称となってしまいましたが、元々356カレラ2などGTレースのホモロゲーション・モデルに用いられていた特別なバッジ “Carrera” は、このレースでの輝かしい戦績を記念したものでした。
1954年のパナメリカーナでクラス優勝、総合三位に食い込んだ、ハンス・ヘルマン駆るポルシェ550スパイダー・カレラ・パナメリカーナ...逆に、ポルシェ乗りにとってのパナメリカーナって、ほぼほぼこの車両のイメージだけだったりして !?
かく言うhommaもその類いだったのですが、先日、ひょんなことから旧いビデオ (レーザーディスク) の存在を知りまして...
ピンクフロイド/道:カレラ・パンアメリカーナ
ピンクフロイド:1965年に結成され2014年に活動終結した、英国のプログレッシヴ・ロックバンド。
往年のプロレス・ファンの方だったら、アブドーラ・ザ・ブッチャーのテーマ曲『
吹けよ風、呼べよ嵐』を演奏していたバンドと言えばピンと来ますかね ?
キングクリムゾンやイエス、EL&Pと並び称される、プログレ界の先駆者であり大御所なわけですが、なぜかこれまで聴かず嫌い (^_^;;
ところが最近、肥大化した商業ロック感のある後期とは全く異なる、
ドラッグでぶっ飛んだビートルズ的な初期作品を耳にしたらこれが妙に馴染んで (苦笑)
CDが紙ジャケットで再発売されたのを機に、全作買い揃えちゃいました。
で、当時のライブ演奏とかをYouTubeで検索していたら、荒野を旧~いスポーツカーが爆走する妙な動画が引っかかってきて...それがこの映像作品『La Carrera Panamericana』でした。
不勉強でしたが、ピンクフロイドの創設メンバーであるドラマーのニック・メイスン氏というのが相当なエンスーらしく...
成功したミュージシャンのクルマ道楽ってよく聞く話ですが、この方の場合は道楽なんてレベルではなく、1979年ころから
ル・マンやシルバーストーンを中心にガッツリとレース活動をしていた模様。
そのメイスン氏が、盟友のギタリスト、デヴィッド・ギルモア氏を誘って参加したのが1991年に開催された “復刻版” パナメリカーナ、このビデオに収められているレースです。
彼らが駆るのは二台の'52年型ジャガーXK120C...のレプリカ ??。
ナレーションで御本人が語っているので本当なのでしょうけれど、Cタイプのレプリカマシンのよう。
他にも550スパイダーやメルセデス300SLの姿も認められますが、この辺りもレプリカだとのこと。
近年開催されている他の “復刻版” ラリーや耐久レースと比べると、かなりレギュレーションがユルそうです (^_^;
その他にはフェラーリ、アルファ・ロメオ、たくさんの各種ポルシェ356 (ホンモノ) といったヨーロッパのスポーツカーに...hommaにはメーカーの判別すらできないアメリカン・クーペ達 (汗)
たぶんフォードとかキャデラックとかビュイックとかかと思いますが、申し訳ないけどこの辺りは疎くて (汗汗)
とにかく、欧州スポーツと北米クーペの異種格闘戦、ガチンコ一発勝負的な様相を呈しています。
今回初めて知ったのですが、カレラ・パナメリカーナって元来そういうレースだったのですね。
そもそも北米大陸から南米大陸まで縦貫するパンアメリカン・ハイウェイの、メキシコ区間の完成を記念して開催されたのが始まり。
1950年の第一回大会、北米から持ち込まれたアメリカン・クーペ達がメキシコ市街を激走し、勢い余って住宅に突っ込む過激なレースの模様が、このビデオにも収められています。
翌1951年にフェラーリが北米市場へのプロモーションを兼ねて出走、余裕でワンツー・フィニッシュをかましたのを機に、欧州のライバル・メーカー達がワークス・ドライバーを引き連れて大挙参戦。
パナメリカーナ専用に仕立てられたマシンも持ち込まれ、大会は “マジなレース” に。
全長3,000kmあまり、標高差3,000m近くで未舗装部分もあるただでさえ過酷な公道レースは、次第に高速化。
コースアウトによる死傷者が続出し、1954年の第五回大会をもってレースは終焉を迎えます。
こうした歴史を解説した貴重な白黒の資料映像も挿入されていて、それだけでもこの作品を観ておく価値があると思いました。
さて、本編の方はと言いますと、ピンクフロイドの音楽をバックに疾走するCタイプや他の参加車両の映像をメインに、コース沿線の中米の習俗、ラリーや公道レースに付きもののマシントラブルと夜を徹しての復旧作業の様子、カレラ・パナメリカーナ・メヒコに対する熱い思いを語る参加者達の表情等々を織り交ぜて、一編のレース・ドキュメンタリーとしてもなかなかの出来栄えかと思います。
ビデオ後半では、限界を超えてのコースアウト&クラッシュも続発。
往時のレースを偲ばせる、アツい走りを見せてもらいました。
下は見事完走し総合八位に入賞したニック・メイスン号の、現在の姿。
ちなみにデヴィッド・ギルモア号の方はレース終盤で崖から転落して大破...
御本人はかすりキズだったそうです (@_@;;
↓短縮版ですが資料映像部分はバッチリ !!
発 表 1992年
発売元 Sony Music Video Enterprises
価 格 4,500円 (廃盤)
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Posted at
2017/12/03 21:10:06