• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

hommaのブログ一覧

2014年12月27日 イイね!

オーバーフェンダー

オーバーフェンダー本年最後のこってりブログです (^ ^;

冒頭の画像、お好きな方にはお馴染みの光景ですよね。
世界選手権を争うレースとしては、最後の開催年となった'73タルガフローリオ。
この年にデビューしたカレラRSR勢の活躍によって、ポルシェの独り勝ちとなったレースでもありました。

で、この画像。
なんとなく...違和感を覚えた方は相当なナロー通、もしくは空冷症 (ビョーキね) と認定します (苦笑


え、なんのことだかサッパリ !?
そっか~、ではこちらのアングルなら...


画像はワークスチームの三番手として出走した、シュテケーニッヒ/プッチ組の107号車。
チームメイトの車両と比べるとイマイチ地味で、今まで気がつきませんでしたが...
リアのオーバーフェンダー、なんか可笑しくないですか ? (*´艸)ププッ
見慣れたRSRフェンダーより若干低い位置から、水平にブニって突き出てる感じ。
ふつうのRSRは、もう少しなだらかな角度で張り出してますよね ?
このレースで優勝したワークス一番手の8号車と比較すると、お解り頂けるかと思います。

で、もう一点、'73年式RSRとしてはおかしな特徴が...
ウインカー周りとホーングリル、黒じゃなくてメッキですね。
さらに下の画像をご覧いただくと、助手席側ドア後方に楕円形の黒い影 !? (p_-)
そう、この個体は右リアフェンダー上にオイルリッドを持つ、'72年式の911なのです。


'73年シーズンに向けて進められていたカレラRSプロジェクト。
開発の初期段階では、'72年のレースやラリーの実走個体 (2.5リッターのS/T) をワークスが途中で引き揚げ、車体番号を打ち直して使っていたそうです。
'73カレラRSの車体番号は911 360 0011から始まっていますが、欠番となっている0001~0010はこうした開発車両に割り振られていたと考えられています。
当時の広報写真等から実際にその姿が確認されているのは、0001と0002の二台だけ。
タルガフローリオを走ったのは、このうちの一台 (たぶん0002 "RS2") ではないかと言われています。

これら初期のプロトタイプは、走行試験やカレラRS2.7のグループ4へのホモロゲーション申請といった役割を終えた後、'72年の終わり頃には社内のスポーツ広報部門へと配置換えされ、以降はレースの練習走行用にワークスドライバー達に貸し出されました。

このクルマも、もともとは練習走行車として'73年のシチリア島に送り込まれました。
ところが練習開始直後、ジュリオ・プッチがレース本番で使用するはずだった本来の107号車 (911 360 0974 "R8") をクラッシュ大破させたため、急遽代役に抜擢。
エンジンとフューエルタンク、フロントフードを107号車 (R8) から移植して本選に臨み、結果見事6位入賞...ということだったようです。
下の画像はフロントフード移植前のもの (マルティーニ・ストライプの形状に注目)。
ゼッケンの横に、T-car (トライアルカー) の名残を示す “T” の文字が確認できますね。



いろいろ資料蒐集していたら、シュテケーニッヒの絡みで下の画像を拾いました。
ツェルトベク1,000kmに、シュトレーレ・アウトシュポルトから出走した911“S”。
ドライバーはギュンター・シュテケーニッヒ/ビョルン・ワルデガルド。
特徴的なリアオーバーフェンダーやマッドガードの形状から、この車両こそがプロトタイプRS2の母体となった、'72年式S/T (911 230 0841) ではないかと思われます。


オーバーフェンダー以外にも、センターオイルクーラーを備えたフロントエアダム。
そして下の画像、アルミ板切り出しのダックテール !? (@_@;
レースが行われたのが “1972年” の6月であることを考えると、これは驚きです。
ポルシェ本体と繋がりの深いシュトレーレ、ポルシェの技術者でもあるシュテケーニッヒとワークスドライバーのワルデガルド...
この個体が、ヴァイザッハの息がかかったモノであることは間違いないでしょう。
'72年の段階で、カレラRS-RSRのアイコンでもあるこれらの技術がすでに実戦投入されていたんですね。



かなり興味深いヒストリーを持つRS2ですが、その後の消息は現在のところ不明です。
ポルシェの歩みを研究する上で重要なマスターピースであるこうしたプロトタイプも、一度歴史の闇に埋もれてしまうと、その詳細はようとして知れません。
しかし近年、好事家達の手により発掘され、再び脚光を浴びるケースも出てきています。
下の画像は今年、フランスのディジョンで開催されたヒストリックカー耐久レースの模様。


車体番号 “911 360 0001”...
そう、'72S/Tを母体として製作されたもう一台のプロトタイプ、RS1が復活したのです。

RS1のヒストリーは比較的しっかりと残されています。
'72年に911S/T2.5 (911 230 0769) として製作され、ワークスのラリードライバーであるソビエスラフ・ザサダの許へ。
7月のポーランド・ラリーでクラッシュした後、ワークスが回収しリペア。
エンジンはボアアップで2.8リッターRSR試作バージョンに、車体番号は911 360 0001に打ち直されました。
以降はRSL (カレラRSライトバージョン) のプロトタイプとして、ホモロゲーション申請等に使用されたようです。
'74年にイギリスのプライベーターに放出された後は、カレラRS2.7のスペックで主に英国内のラリー等に出場。
'90年代にもともとのS/T2.5スペックで一度レストアされたのですが、今世紀に入ってから、アメリカ人の前オーナーの許で、タルガフローリオ仕様のRSR2.8プロトタイプとして再レストアを受けました。

レストアの過程で、心臓部はエンジンルーム内にオイル投入口を持つ911/72型に換装。
それに伴い、右リアフェンダーにあったオイルリッドは塞がれたようです。
オーバーフェンダーも通常のRSRの形状で再現されています。


RS1は、2013年にモナコの現オーナーの許へ。
2014年の今年、フランスで開催された4月のツール・オート・ラリー、6月のディジョン・ヒストリック1,000km、7月のル・マン・クラシックに、ジェラール・ラルース、ガイス・ファン・レネップ、ユルゲン・バルトといった往年のマルティーニ・レーシング=ポルシェ・ワークスのレジェンド達のハンドリングで出走しました。

最後はル・マン・クラシック2014での一コマ。
ジェラール・ラルース御大と、ガイス・ファン・レネップ御大の貴重なツーショット。
御二方とも七十を超えてまだまだ現役バリバリ、お盛んなご様子ですネ (^_^;
Posted at 2014/12/27 14:00:30 | コメント(8) | トラックバック(0) | ヒストリック・ポルシェ | クルマ
2014年11月30日 イイね!

オクタン !! ~Octane 別冊 Porsche Classics

オクタン !! ~Octane 別冊 Porsche Classics昨年発行された日本版創刊号以来、しばらくご無沙汰していた英国エンスー誌『オクタン』。
ポルシェを特集した別冊ムックが出たというので、久々に手に取ってみました。

“Porsche Classics” ということで、356等クラシックモデルにもかなりの比重が置かれています。
なかでもTyp64の記事は興味深かったです。
ベルリン-ローマ長距離レースに向けて製作され、現存するのは一台のみ。
“戦争勃発でレースがポシャって日の目を見なかったスペシャルカー” くらいの認識でしたが、その後もなかなか数奇な運命をたどっていたんですねぇ...


ナロー人気高騰と比較して、相対的に低い気がする930ターボへの評価。
この辺りはスーパーカーブームを通過した日本と、彼の国の違いかも知れませんが...
でも不思議なことに向こうでも、ポルシェで連想するのは “真っ赤な930ターボ” らしく (笑
本編もさることながら、こうした英国特有のポルシェ事情がなかなか面白かったです。

日本も濃い目の方が多いと思いますが、英国のポル馬○も相当なモンですネ (^_^;
Posted at 2014/11/30 11:30:24 | コメント(5) | トラックバック(0) | 文献紹介 | クルマ
2014年11月16日 イイね!

新製品

新製品この冬の新作です。m-ko



( ´艸`)ムププ ...ウソ
Posted at 2014/11/16 12:10:19 | コメント(1) | トラックバック(0) | その他雑記 | グルメ/料理
2014年11月10日 イイね!

今宵の一枚 ~椎名林檎/日出処~

今宵の一枚 ~椎名林檎/日出処~東京事変を解散し、再びソロ名義での活動に戻った林檎姫。

とっちらかったポップス/ロックのハイテンションチューンを、バンドの強みでゴリゴリ押しまくる事変 vs. 林檎の内側を時に内省的に、時にゴージャスに曝け出すソロ活動。
みたいな感じで、とても巧くバランス取ってたと思うのですが...

椎名林檎/日出処 SUNNY
オリジナル・アルバムとしては三文ゴシップ以来5年ぶり。
音的には...
林檎と事変をいっぺんに聴いてる感じ ? (^◇^;
林檎節は健在なり、ってとこですかね (笑

紅白でも歌ったN○Kの連ドラ主題歌と、ワールドカップ応援ソングも収録。
何れもオマケのディスクでプロモーションビデオを観ることができます。
どの曲も、映像付きの方が十倍伝わりますネ。
ご購入の際には通常盤でなく、DVD (もしくはBlu-ray) 付属の限定盤がオススメ (^_-)-☆


サッカー好きの方には (ワタシも含めて)、トラウマになってる曲かも知れませんが (^_^;
改めて聴くと、やっぱりイイです♪
このまま埋もれさせてはモッタイナイ !!
六年後の東京オリンピックでもう一回使えませんかね (笑






この曲、リリース当時いろいろと言われましたが勿論ご本人にそんな意図はないだろうし。
よってこの場でも、その手の (政治的) 発言はNGということでお願いします m(_ _)m


発 表 2014年11月
発売元 UNIVERSAL MUSIC
価 格 4,212円 (CD+DVD 初回限定盤B)
Posted at 2014/11/10 22:00:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | 音楽 & 映画 | 音楽/映画/テレビ
2014年10月18日 イイね!

本日着弾 ~彼女のカレラ SOUND PORTRAIT

本日着弾 ~彼女のカレラ SOUND PORTRAITこの記事は、10月8日発売【彼女のカレラRS サウンド・ポートレイト】画像公開!について書いています。

着弾いたしました !!
麻宮先生、ありがとうございまーす (^_^ゞ

激雨の中ターボくんに鞭打って、東を目指した二年前のあの日が昨日のことのように甦ります (笑
Posted at 2014/10/18 10:00:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 音楽 & 映画 | 日記

プロフィール

「オレは根っからのポルシェファン。そしてまた、それは最高のモノでなければならない。それでこのポルシェの究極的モデルともいえる、3リッターのターボをしとめたのさ」...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/10 >>

   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 

愛車一覧

ポルシェ 911 ポルシェ 911
'76年式 Turbo 3.0 “Prototype Clone” エメラルドグリーン・ ...
スバル インプレッサスポーツワゴン スバル インプレッサスポーツワゴン
'02年式 Type Euro Turbo プレミアムシルバー・メタリック('23 Ap ...
ポルシェ 911 ポルシェ 911
'89年式 911Carrera CS グランプリホワイト('09 Jan.~'09 O ...
ポルシェ 911 ポルシェ 911
'88年式 911Carrera サテンブラック('03 Aug.~'09 Jan.) ...

過去のブログ

2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation