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2011年06月03日

(2023年追記)広告にみる黎明期の国産ラジアルタイヤ

(2023年追記)広告にみる黎明期の国産ラジアルタイヤ  1960年代後半は、高速道路網の拡大やモータースポーツ熱に影響されたスポーティーカーの普及などが相まって自動車の高性能化が進み、それに伴い各社からラジアルタイヤが発売された時代でもありました。

 ミシュランX(シトロエン2CVなどでおなじみのアレ)、ダンロップSP3 あたりが先鞭を付けた後、BSからはRD-10やRD-11、ヨコハマからはG.T.スペシャルといったタイヤが、1967年頃から雨後の筍のように発売となった時代です。

 ただし当時の国産タイヤは、海外製品の技術の模倣の域を大きく超えるものではなかったようで、国産タイヤが海外ブランドに肩を並べる存在となるには、それから20年近くの時間を要したと考えています・・・。

 前掲の雑誌にも3種類の国産ラジアルタイヤの広告が出ていましたので取り上げてみました。



 ① BS RD-11(上の写真);小輩のような変人は、小学校や公園などによくあるタイヤを使った遊具を見ても、その銘柄をチェックせずにはいられなかったものでした。
 「な~んだスカイウェイか」「これはG.T.スペシャルか」「お~もうアドバンの廃タイヤを使ってる~」などとやっていた変な子供でしたが、残念な事にはRD-10やRD-11はとうとうお目にかかれませんでした・・・。そういう意味で「印象深い」タイヤですね。
 

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 写真で見る限りではピレリのCN36(左の写真)あたりをお手本にしたように思われるトレッドパターンですが、ピレリに比べるとサイプが細いように見え、ウェットグリップは・・・・でしたでしょうね。




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 (写真は海外サイトより拝借)
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 (写真は「ブリヂストンタイヤ五十年史」より)
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  2023年追記;CN36は1968年頃に登場したタイヤであり、BSがそれを「参考」とするには時系列的に無理があること、また当時のBSとグッドイヤーの技術提携関係を考えると、1965年頃に登場したグッドイヤー「G800」がRD-11の「元ネタ」なのではないかと思います。



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 折角ですので、同社の「五十年史」を引用しながらBSのラジアルタイヤ開発史を概説しますと、1953年に海外視察を行った創業者がミシュランのラジアルタイヤに注目したことにはじまり、その後まずはトラック/バス用ラジアルタイヤ(TBR)が先行して開発、次いで1950年代末より乗用車用ラジアルタイヤ(PSR)の開発を行うも、


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 時期尚早との判断でPSRは一時開発中断、1963年頃よりミシュラン・スチールラジアルとピレリ・テキスタイルラジアルの両者を比較した上、後者を範に取って再度開発を進め、1967年4月に「RD-10」としてBS初の乗用車用ラジアルタイヤを発売した・・・という流れになります。


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 RD-10 がチンチュラートに似ているのは偶然でも何でもなく、製造機材を含め、ほぼ模倣のような開発過程であったからでしょう。


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 (写真は「五十年史」、当時のパンフや広告写真、某CG誌1970-12号より)


 同社はその後、前述のRD-11、タクシー用スチールラジアルタイヤであるRD-12、冬用ラジアルRD-19、そして(おそらくは少数生産に終わった)RD-20* などを発売した後、1971年のRD-101/201 から3ケタシリーズにスイッチする訳ですが、それはまた別の機会に・・・


*さらに追記;RD-20 については後日;
 https://minkara.carview.co.jp/userid/549571/blog/46874348/
 にまとめさせて頂きました。




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 ただし、国産初のラジアルタイヤ発売は1966年のダンロップSP3であり、RD-10はそれに半年ほど遅れることとなったようです。ダンロップは1968年、現在まで連綿と続く名シリーズである「SP sport」を発売、

https://tyre.dunlop.co.jp/brand/history/


世界的に好評を得るなど、技術的にもBSに先行していたようですが、勉強不足のため今回はこのくらいにとどめておきます。





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 ② ヨコハマG.T.スペシャルは、タイヤそのものの内容より、マスコットの「顔タイヤ」のインパクトの方がはるかに高かったですね♪。今でも田舎のタイヤ屋には看板が残っていることが多いですし・・・

 2023年追記;ヨコハマがG.T.スペシャル(Y-417)を発売したのはRD-10の数か月遅れのようですが、その後同社は、

https://www.y-yokohama.com/about_yokohama/pdf/newsletter/no02.pdf


1969年に日本初の扁平率70タイヤである「G.T.スペシャル・スーパーモデル70」を発売するなどして劣勢を挽回したようです。ちなみにBSが初の市販70タイヤ「RD-102 WIDE70」を発売するのは・・・


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 それに2年ほど遅れた1971年7月のことでした(写真は某CG誌1971-9号より拝借)。また現在まで続く商用車用ラジアルタイヤ「RD-600シリーズ」も同時期にはじまった模様です。




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 ③ オーツタイヤ(後のファルケン → 今はダンロップに吸収・消滅)の「ラジアルエース」。 このあたりのタイヤになると小輩には全くわかりませんが、上掲の「表19」に記載された「1970年4月」より早い時期にオーツはラジアルタイヤを商品化していたことだけは、同社の名誉?のため付記しておきます。



 ・・・今回、国産メーカーのタイヤを調べて思ったのは、その歴史・変遷やトレッドパターンなどに関する情報がミシュランやピレリに比べ非常に乏しい! という事でした(→ そのためBSを中心に2023年追記させて頂きました)。

 今では世界的にも1流タイヤメーカーとなった感のあるBSやヨコハマですが、たとえば「WEBタイヤ博物館」みたいなのでもいいですから、もう少し自社製品の歴史を系統だてて紹介してほしいな・・・と思います。ではでは。


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Posted at 2023/03/25 08:38:42

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