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2013年10月15日

セミトレ研究序説 その③;サスアーム/アームピボット、メンバーブッシュ(マウントインシュレーター) についての私見



 皆様方のブログを拝見するに、この連休を有意義に過ごされたようで何よりです。

 さて、これまでのところでセミトレの歴史的変遷やその基本的動き、またその利点・欠点などはお分かり頂けたかと思います。

 今回はセミトレの欠点たる「横力・制動力によるトーアウト傾向」をどう押さえこむかに重要な役割を果たす、サスアーム/アームピボットとメンバーブッシュ(マウントインシュレーター)を中心に述べてみたいと思います。


 なおメンバーブッシュの動きについては文献的資料が非常に少ないので、かなりの部分が自分の推測と想像になっております。従ってこれはあくまで自分の 「私見」 であり、決してこれが「真実」 だなどと思わないよう、また自分の理解や記載に誤りがあれば、是非コメントして頂きますよう、宜しくお願い申し上げますm(_ _)m 。





 I. サスアーム/アームピボット

 サスアームに関しては、この左右1本ずつのアームでFR車のパワーと車重、横力や制動力を支えるだけに、アームには十分な強度が要求されるのは言うまでもありません。





 また、当時の日産車の新車解説記事では耳タコな「アームの取り付けスパンの延長」 というセリフ、簡単にいえば、





 こういう理屈なので、そう難しい説明は不要かと思います。



 そしてアームピボットについては、NVH(音振)の遮断は後述するメンバーブッシュに任せ、基本的には高剛性と低フリクションが優先され、余分な動きを作らないのが理想であり、また車高調などを行うなら、





 こういう、ジオメトリー調整可能なタイプが必須でしょうね。






 Ⅱ. メンバーブッシュ(マウントインシュレーター)

 これが今回のメインテーマでして、前述のごとくかなりの部分、自分の推測と想像で記載しますのでご注意下さい・・・・。






 以前述べましたように、このメンバーブッシュの作用や挿入角については、1983年2月号のCG記事を読んで以来、自分の中で30年にわたって未消化のまま残されてきたテーマでしたが、文献的参考となるものは少なく・・・







 この記述を読んだだけでは今いちピンときませんでした。

 しかし・・・







 この記述を読み、当時の日産技術陣のブッシュ設計の狙いが判明したことや、セミトレにおけるコンプライアンスステアの問題を知ったことで、自分の中で 「こんなところかな?」 という考えが整理できてきました。


 ちなみに上記の本、セミトレ乗りに限らず、クルマの足回りについて理解するための必須アイテムだと思いますし、現在も入手可能ですので興味のある方はぜひ手にとってみて下さい!!


 今回は上記本を参考に、メンバーブッシュの ① 形状・構造  ②ブッシュ挿入角  の2点について私見を述べたいと思います。



 ①;メンバーブッシュの形状・構造







 前掲書によると、セミトレのメンバーブッシュの設計のキモは、「硬軟の強弱をつけること」「回転力を利用して、トーアウト方向への変化を相殺する」 ことのようです。

 そのため、多くのメンバーブッシュにおいては、



                                        (巻末参考文献 2) より)

 「すぐり」 という肉抜きや、スリットを設けることで、部分的に硬度を落としたり・・・



                                        (巻末参考文献 2) より)

 逆に、硬くしたいと思う部分には「中間板」などを埋め込むことで硬度を up したりすることで、ブッシュとしての硬軟の強弱をつけています。





 模式的に図説すると、こういう感じでしょうか・・・






 BMW 最後のセミトレ、E34型5シリーズのブッシュも・・・





 われらが日産では、Z31 のブッシュも、このような設計思想に基づいているようです。





 しかし F31 のメンバーブッシュ、ちょっと「すぐり」が多すぎやしませんかね・・・・



 そして前述のような形状のブッシュは、





 局在的な力が作用すると、ブッシュの軸を中心とした回転力&ゴムとしての弾性力によって、





 赤い線の方向に動こうとするのではないかと思います。




 それでは、このような形状のブッシュをどう挿入すれば良い結果が導き出されるのか・・・・











 ・・・もうすぐ出勤ですので、続きは今夜にでも。ではでは。



ブログ一覧 | セミトレ研究序説 | クルマ
Posted at 2013/10/15 05:54:40

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