• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2023年04月03日

BSにまつわるエトセトラ その② ;BS/石橋家の「後援」こそが、菊竹清訓氏を世界的建築家ならしめた(前編)


 およそ何の領域であっても「上達」への最善の道は、とにかく「場数」をこなすことであると、自らの拙い経験からみても思います。




alt


 K市が生んだ世界的建築家、故・菊竹清訓氏については以前にも、
 https://minkara.carview.co.jp/userid/549571/blog/45597097/
 等で書いたことがありますが、今回、



alt


 先日の拙ブログでも紹介した資料の中に多くの貴重な写真を発見したので報告させて頂きます。
 なお例によって、関係者より問題とのご指摘があれば画像削除、もしくは公開先限定に変更させて頂きますし、皆様どうぞ「イイね!」はなしでお願いいたします。

 また菊竹氏と石橋正二郎とのかかわりについては、
 https://www.biz-lixil.com/resource/pic/column/inaxreport/IR171/INAX171_15_37.pdf
 のインタビュー記事に詳しく述べられていますのでご参照下さい。



alt

alt


 菊竹氏の「公共・大規模建築作品」としての建築界へのデビュー作品は「石橋文化センター」でしたが、


alt


 自著やこの本など各種の書籍等で既に明らかにされているように、文化センターのグランドデザイン自体は「美術、庭園、建築設計が3大趣味」「建築に至っては工場、オフィス、住宅、会館、倉庫、宿舎、その他なんでもござれである。むろん細部にわたって自分でやれるわけでもないが、公私合わせて、私は今までに何万坪かの各種建築物の設計いじりで楽しんできた。恐らく専門家でもこの坪数にはかなうまいと思っている」と公言していたほどの建築マニアであった石橋正二郎その人であり、菊竹氏は石橋美術館など個別建築の意匠・細部設計など、いわば「現場監督」に近い役割であったようですし、


alt


傍証として、書籍①の文化センター紹介記事をみても、菊竹の「き」の字も出てきてはおりません。




alt

alt


 一方で、昔の某書籍に掲載されていた「作品年譜」や、「文化庁国立近現代建築資料館の収蔵資料検索システム」;
https://db.nama.bunka.go.jp/index.php/informationobject/browse?collection=140985&query=%E8%8F%8A%E7%AB%B9&topLod=0&sq0=%E8%8F%8A%E7%AB%B9&sort=relevance&sortDir=desc
に記録されている設計図リストをみると、氏の初期建築の多くがBS/石橋家関連のものであることは明白です。


 https://bunganet.tokyo/kurume1/
の方のブログにも記述されておりますが「石橋正二郎は菊竹の才能に目をつけ、若き日の菊竹に数多くの設計のチャンスを与えた。ローコストな施設やリノべーションがほとんどで、菊竹はそのことにより設計の腕が鍛えられたと語っていた」のだそうです。



alt
 (書籍②より引用)


 ときは正に高度経済成長期。BSの売り上げは文字通り「倍々ゲーム」のように増加し、石橋文化センターのみならず、


alt

alt

alt

各地の工場や支店、職員住宅などの新設・増築・建て替え、また、


alt

alt

alt
 (以上、書籍① ②より引用。あの吉阪隆正氏のヴェニス・ビエンナーレ日本館まで石橋正二郎の寄付物件とは!)

K市を中心とした各種建築物の寄贈など、BS/石橋家関連の新規建築案件は枚挙にいとまがなく、若き日の菊竹氏は石橋正二郎からこれら数多くの物件の設計を委託され「場数」をこなすことで設計の腕が鍛えられたのと同時に、安定した収入を得ることもできたのでしょう。




alt

 かの代表作「スカイハウス」も、またその下に駐車している、おそらくは氏の自家用車(ルノー4CV)も、氏に十分な金銭的「余裕」がなければ、実現していたでしょうか・・・





alt


 さて、これら初期の菊竹作品については、上のリンクでも紹介されている千栄禅寺本堂(1959)のように近年になって菊竹作品と判明したもの、また上掲のBS関連物件のように建築雑誌への発表が建設当時なかったものなど、その全貌についてはなかなかつかみ難いものがあります。が、前掲の書籍 ①② に比較的豊富に建築写真が掲載されていたため、今回その引用を中心に「知られざる初期菊竹建築」を紹介したいと思います。




alt



alt
 (追加写真;貴重なカラー写真を「35周年 会社概況」にて発見したので添付)


① 石橋文化センター;これまでにも紹介したので簡単に終わらせますが、前掲の「文化庁国立近現代建築資料館の収蔵資料検索システム」によると、美術館や体育館のみならず、


alt

alt

プールスタンド(1988年解体)や、


alt

alt

なんと日時計までも、菊竹事務所に図面が残っていたようです。


alt

 追記;日時計は形を変え、現在も時を刻んでいました。



alt

② 永福寺幼稚園(1955);これも石橋正二郎による建物寄贈物件。比較的有名な建築、かつ前回の拙ブログでも考察しましたので詳細は割愛させて頂きます(長くなったので次回に続きます・・・)。


 追記;室内写真について、下記のサイトに掲載されておりました。
 https://twitter.com/kosho_yamasemi/status/1615967298401210370

ブログ一覧 | BS関係 | 日記
Posted at 2023/04/03 20:19:42

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

関連記事

BRZ(ZD8)にリアスピーカーに ...
ソニックプラスセンターさん

プリウス(60系)にソニックプラス ...
ソニックプラスセンター大阪・名古屋・山梨さん

わたせせいぞう展へ行ってきました!
JUN1970さん

アクア(11系)にソニックプラスで ...
ソニックプラスセンター大阪・名古屋・山梨さん

ミニ・クロスオーバー(F60)にソ ...
ソニックプラスセンター大阪・名古屋・山梨さん

タイの建築物における地震被害に対し ...
どんみみさん

この記事へのコメント

ユーザーの設定によりコメントできません。


プロフィール

「以前にも限定公開記事にて紹介した事のある報国タクシーのクルー。あれから数年経ち、JR久留米駅前にあった味わい深い車庫も今は亡く、クルー自体この1,2年で急速に30プリウスに代替され風前の灯火に・・・(泣)。写真は数日前に偶然見かけた生き残りの1台。どうか最期まで頑張ってほしい!!」
何シテル?   05/14 19:43
ファーストカーであるメガーヌ・ツーリングワゴン1.6(2009年購入、ph. 2.5) に加え、2011年に縁あってF31レパード・アルティマターボを購入し、2...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/5 >>

    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

リンク・クリップ

トヨタしか作れないクルマがある-40年目のクラウン誕生物語 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/04/08 20:12:14
クルマと子育て 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/02/24 00:41:58
ボンネットフードロックのお手入れ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2019/11/29 20:28:02

愛車一覧

ルノー メガーヌ ツーリングワゴン ルノー メガーヌ ツーリングワゴン
2009年よりわが家のアシ車となっているメガーヌワゴン1.6(ph 2.5)です。 簡 ...
日産 レパード 日産 レパード
2011年春に縁あって購入した、1990年式 F31アルティマターボ(希少色の#4G6、 ...
日産 ローレル 日産 ローレル
小生の初の愛車、1984年式 C31 ローレルの4HT 2000グランドエクストラ。 ...
日産 グロリアセダン 日産 グロリアセダン
大昔の愛車、1984年式 Y30 グロリアセダン(V20E SGL、ベンコラ)。 簡単 ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation