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2011年04月10日 イイね!

福野礼一郎氏に関すること(その③)


 「○○教*」の「信者」(*実際の宗教のことではなく、あくまで比喩的な意味です)、とか「ネ申」というモノ言いは、対象の無誤謬性への妄信と、自分でモノを考えることを放棄した絶対的帰依のニオイがしてあまり好きではありません。

 すべての人間は無誤謬性ではありえず、つまり「神」にはなりません。


 そこで問われるのは、その言動や著作内容に関する妥当性、論理的整合性、説得力、といったところです(追伸:あと自動車評論家については、メーカーや広告代理店のアメとムチの中でも己を失わない「良心」や「節操」という点もポイントが大きいでしょう。「ト○タホ○ダ=電痛」依怙贔屓のヒョンカが跋扈する世の中においてはなおさらです)。

 福野氏の著作はそれぞれ、氏の類い稀なる知識や取材・経験に裏付けされた説得力があります。すごく緻密で論理的(ロジカル)なタイプに、一見みえます。

 ただし一方で「アレっ?」と思われるようなこと、いささか納得しかねるようなことを断定的に述べられる時もあり、違和感を覚えることも昔はありました。


 しかし私が氏の著作を読むうちに自分なりに理解したのは、氏は実際のところ「レトリシアン」であり、そのレトリックに十全の説得力を与えるべく、様々な知識・経験の引き出しを開示しているのだということでした。

 そう理解すれば、氏の著作にみられる様々な「間違い」や自己矛盾的言動、氏の憧れの車(レストアは終わったのでしょうか・・・)が、氏のかつて酷評した365BBであることなども、すんなり腑に落ちるようになりました。



 ・・・話はやや脱線しますが、白井晟一氏という日本の近代建築家の作品を私は好きなのですが、その白井氏に関するある雑誌の論評の中に、白井氏が「レトリック」の建築家であること、そしてそのレトリックに説得力を与えるべく、外観は(一見)ロジックを堅持しているのだ、といった文章をみた事があり、なるほどと頷かされたものです。

  
  白井晟一氏設計の親和銀行本店
  (写真は下記サイトより引用させて頂きました)




 
 福野礼一郎氏の著作姿勢もある種、白井氏に通じるものがあると私は感じています。




 と、堅い話はここまでにして・・・

 私が福野氏の著作から、F31のセミレストアに関する姿勢として大きく学んだこととしては 、

〇レストアは自由の概念であるということ(=福野氏の本の通りに実行しなくても別にかまわない)

〇しかしそこには最低「オリジナリティの尊重」あるいは「その個体の歴史に対する尊重」が含まれるべきであろうという考え

の2点に集約されます。



 詳細は現車のセミレストア方針を提示するときに述べたいと思います・・・。

Posted at 2011/04/10 07:15:14 | 福野礼一郎氏 | クルマ
2011年04月10日 イイね!

福野礼一郎氏に関すること(その②)

福野礼一郎氏に関すること(その②) 「くるまにあ」~「Fロード」、そしてCG誌での連載といった氏の近年の活躍ぶりは、氏のファンであれば説明不要だと思います。

 氏の言動には好き嫌いもあろうかとは思いますが、好きにせよ嫌いにせよ、肯定にせよ否定にせよ、「カーマニア」を自称するのであれば一度は氏の著作に目を通す必要があるのではないかと、個人的には思っております。

 とくに私のように、20年以上前の大古車を手に入れ補修しようと考えている人にとっては、写真の3冊は必携だと思います(くるまにあ誌は入手困難かもしれませんが・・・)。

〇モノを維持するのは大変だが、破壊(物理的破壊・オリジナリティの破壊)は一瞬である
〇モノの価値は金銭で判断するものではない
〇年月と破壊の手をかいくぐり残されてきたモノというのは、自分のものでありながら自分のものでない(氏のいう「中古車世界遺産」)ようなものであり、勝手気ままな破壊・改造は(自由主義社会において処罰や制限の対象にならないのを百も承知で言いますが)「顰蹙」な行為である

といったことを最近とくに痛感している私は、そういうモノ(F31)を縁あって自分が所有し、後世に継いでいくことの意味と、その具体的技術論を再確認するために再読しています。


 氏の著作は、是非同好の士には読んで頂きたいと思います。



 ・・・とはいっても私は、実を言うと「福野礼一郎教」の「信者」という訳では必ずしもありません・・・(続く)。
Posted at 2011/04/10 05:48:10 | 福野礼一郎氏 | クルマ
2011年04月10日 イイね!

福野礼一郎氏に関すること(その①)

福野礼一郎氏に関すること(その①) CG誌(というより小林彰太郎御大)のあと、わたしの自動車趣味のよりどころとなっているのが「福野礼一郎氏」の存在です。

 わたしが最初に氏の名前を意識したのは、Y32シーマを紹介したモーターファン別冊「新型シーマのすべて」でした。
 CG等と一緒に処分してしまったので詳細を確認できませんが、確かシーマを初代セルシオ、BMW 735i と比較するインプレの中で私の目にとまったのは、氏が(現在の「純正至上主義」とは違い)自身のセルシオの足周りを弄って、欧州仕様のサスとオーストラリア仕様のダンパーの組み合わせ(だったと思う)にしているとのエピソード、シーマの「静かなんだけれどもこもったような抜けの悪さ」を指摘していた点(叔父のY32シーマを借りて乗った第一印象がまさにそうでした)、そして735i の「うるさいけどハガネのようなボディ」への賛辞、でした。

 新車紹介(=ある種のチョウチン)記事で、その車をことさらにけなさないレベルで的確な批評を加える、その「みたて」の確かさと、文章全体から伝わる、なんとも表現しがたい説得力と訴求力が印象に残っています。

 続けて氏は、これまた小生のツボにはまっていた「Car EX」誌で編集責任を務めた後、90年代後半からは「くるまにあ」誌で伝説的な怒涛の連載を著述することとなります・・・(続く)。


Posted at 2011/04/10 05:01:03 | 福野礼一郎氏 | クルマ

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「以前にも限定公開記事にて紹介した事のある報国タクシーのクルー。あれから数年経ち、JR久留米駅前にあった味わい深い車庫も今は亡く、クルー自体この1,2年で急速に30プリウスに代替され風前の灯火に・・・(泣)。写真は数日前に偶然見かけた生き残りの1台。どうか最期まで頑張ってほしい!!」
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ファーストカーであるメガーヌ・ツーリングワゴン1.6(2009年購入、ph. 2.5) に加え、2011年に縁あってF31レパード・アルティマターボを購入し、2...
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