皆様、数日間ご無沙汰しておりました・・・(汗)。
さて、これから通常営業再開! 、といいたいところですが、年度末は何かと忙しく、また同僚との公約を果たすための業務も遂行しなければならず、仕事が山盛り状態ですので、今後しばらくは更新・訪問のペースが落ちますこと、悪しからずご了解頂ければ幸いです・・・。
ただし、ハ●ス様からの情報更新があれば随時報告いたします。
さて今回は、先日のS12 記事を作成するためひもといたこの雑誌にインスパイアされ・・・
120系クラウンについて考察いたします。
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120系クラウンといえば、われわれ往年の日産車党にとっては「いつかはクラウン」の名コピーとともに大人気を博し、われらがY30に圧勝した憎っくき存在ですし、もっとナウなヤング(笑)の方々にとっては・・・
チョ~レル様のかつてのご愛車としても、つとに有名な存在です!
・・・もっとも、日産びいきの自分は当時、
「クラウンのツインカムなんか、旧いM型エンジンにDOHC 2バルブヘッドを載せただけ! VG エンジンの方がずっと新しく高効率ではないか! 」
「内装も Y30 に比べてメッキや(ニセ)木目パーツが少なく、Y30にはあるエロランプもないではないか!」 などとまあ、負け惜しみをぐだぐだと言っては憂さ晴らしをしておりましたが・・・
でもセミトレについていっぱしに勉強したいま、改めてこのクルマを見ると・・・悔しいかな素晴らしいんですよコレ!
何が素晴らしいって、この「フルフレーム構造+セミトレ」、これもまた 「究極のセミトレ」 かもしれないって・・・
以前、拙ブログでセミトレについて考察した時に解説しましたが、一般的なモノコックボディにサスメンバーを介してセミトレ式リヤサスを懸架する場合に問題となるのが、ブレーキングなどの際、サスメンバーごとリヤサス全体がトーアウト方向に動こうとする挙動(コンプライアンスステア)です。
かといってこれを防ぐべく、サスのメンバーブッシュなんかをガチガチに固めると、NVH がきわめて悪化してしまう恐れがあります・・・。
セミトレの抱える、この根元的問題を、クラウンは・・・
リヤのサスメンバーをフルフレームと一体化して十分な剛性を確保し、またアーム後退角を22度と、当時の多くの日産セミトレ車より浅めに設定、アームスパンも広めにとることで・・・
かの笹目氏が「セリカをカモれる」 と高評価を下した、当時としてはかなりスタビリティの高い足回りを確保できたようなのです。
(写真はチョ~様ブログ; https://minkara.carview.co.jp/userid/232669/blog/24686990/ より拝借)
普通ならセミトレサスで高剛性と限界特性を追求しようとすれば、NVH の悪化という問題に直面する訳ですが、クラウンのフルフレーム構造は、ボディとの結合に十分なブッシュを用いた 「フルフローティングマウント」 としたり、果てはダンパーまで装着したりと様々な工夫を凝らすことで、当時としてはかなり高いサス能力と十分な快適性の両立に成功したのだと思います。
・・・話は多少変わりますが、「クラウン=品の良い中年紳士の乗る車」「セド/グロ=クラウン乗りより若くて派手めのオーナー向け」 といった住み分けが、鬼クラの後期ツインカム仕様登場のあたりから大きく崩れ、クラウンHT=渋滞の高速道路の路肩爆走・直線番長のオラオラグルマ、というイメージも定着しだした時代でしたね・・・(注;当時の世相を解説しているだけで、クラウンオーナー様への中傷を意図するものではありません。悪しからずご了解下さいませ m(_ _)m )。
・・・そのような当時の状況、また「FR車のリヤ独立サス=セミトレ」 という時代にあって、クラウンの開発担当者、とくに操安チームはこう考えたはずです。曰く、
「運転は上手くないけど飛ばし屋のオーナー様が調子こいてカーブにオーバーペースで侵入したとする。オーナー様は慌ててアクセルオフにしたりブレーキングするだろう。従来設計のセミトレなら、トーアウト→スピンモードとなり、車が重量級(=慣性重量も大)なだけに酷いことになるだろう・・・。運転の上手くない人がオーバーペースで走ったり多少の無茶をしたとしてもスタビリティが破綻しないよう、セミトレのトーアウト特性は十分に抑えこんでおかなければならない!」 と。
そして、クラウンのフルフレーム構造こそ、セミトレサスのトーアウト特性を抑えこむのに最適なものだと、彼らはすぐ理解したのでしょう・・・。
以前ブログにも書いた事がありますが、セミトレは構造がシンプルで各アーム類の干渉やフリクションも少なく、長いサスストロークも得やすいため、パッセンジャーカーに用いるにはなかなか良いサス形式でもあります。フルフレーム構造を生かした剛性の高いシャシー設計によって操安性の問題をクリアした事で、「日本の道路環境と走行速度、平均的オーナーの運転技量を鑑みれば、フルフレーム構造+セミトレこそが、クラウンの最適解である。」 との確信を、当時の設計陣は抱いたに違いありません。
だからこそ、ソアラやマークⅡBros.、セルシオ、マジェスタといった、モノコックボディのトヨタ製上級FR他車のリヤサスが軒並みダブルウィッシュボーンに移行した後も、クラウンのみ140系まで「頑固に」 セミトレを使用し続けたのではないでしょうか・・・。
ただし、クルマの魅力・顧客訴求力というのは、そのクルマ自体が有する絶対的なものだけでなく、(とくに新車時には)ライバル他車、あるいは当時の一般的水準と対照される相対的な要素も関与してきますので、
( 写真は wiki より転載 )
例えば140系クラウン、とくにロイヤルツーリングなんかは、熟成を究めた最後のフルフレーム構造+セミトレに加え・・・・
セミトレ自体もトーコントロールリンクを付与された新世代のものですし、更にJZエンジン+5AT などの技術的進化も果たしているにもかかわらず、スタイリングを抜きにしても、当時の(相対的)評価としては、「今の時代にまだフルフレーム+セミトレかよ」といった「旧式な」イメージも加味され、あまり評価は高くなかったと記憶しております。
その点120系クラウンは、「プレ・マルチリンク」時代にあって、他車より一歩進んだシャシー設計、ツインカムエンジンによる高性能・高級感のアピール、定評ある快適性とブランドイメージ、など、ライバル車に対するアドバンテージと顧客訴求力の極めて高い「名車」だったのだと、今にして改めて思います・・・。
トヨタもCMでしっかり 「量産FR車で世界唯一 フルフレーム 4輪独立懸架」 と誇らしげに謳っておりますが、確かに誇るに足る内容だと感じますね!
どうですチョ~様、また乗りたくなったんじゃありませんか?(笑)
・・・でも、ここまで書いておいて言うのもなんですが、やっぱり自分は・・・
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内装にはメッキ/シルバー加飾とニセ木目パネルとエロランプ(笑) がなければ高級車じゃない!! と信じておりますので(爆爆爆)、やっぱり Y30 が最高です!!
ちなみにわたしは前期派 ♪
ではでは。
Posted at 2014/03/14 19:50:34 |
その他のクルマたち;国産車 | クルマ