(現在は「お友達限定記事」に移管済みの)前回ブログの続きです・・・・
今回の家族旅行、何が「大失敗」 だったのかというと・・・・
ご想像の通り、この車です。
マークⅡ、もといマークX の標準グレード「250G」(OPのナビ付き)、昨年のマイチェン後のモデル(約9000km 走行)なのですが、その完成度とバリューの高さには日産党の自分もシャッポを脱ぎました・・・。
メカ的には特別目新しさのない、2.5LのGRエンジン+アイシン6AT、シャシーもゼロクラ以来の10年選手なのですが、それだけに十分に熟成された感があり、パワートレーン系のスムーズネス(とくにアイドル振動の少なさ)、シュアなステアリングフィール、クセがなくてバランスが良く、雨の山道でも安心して飛ばせるハンドリングは、ちょっとした驚きでした。
また自分の走り方くらいでは十分な印象のボディ剛性感で、なんでも昨年のマイチェンでは、
http://response.jp/article/2012/11/26/185798.html
http://response.jp/article/2012/09/15/181391.html
などを読むに、通常の日本車のマイチェンではあり得ないボディのスポット溶接の追加まで行われたそうです。
同じく、自分の走り方くらいでは十分な容量のブレーキ(かつ、停止寸前のマナーも良好)であり、タイヤサイズと銘柄のチョイス(DNA dB 215/60R16)も適切。その走行性能はお世辞抜きに「200万円台のクルマとは思えない」レベルだと感じました。これには本当におみそれしました・・・
室内も、プラや布地の素材質感こそかつてのGX81 あたりには及びませんが、全体のデザインやメッキパーツ、木目調パネルの使い方の巧みさにより、少なくともパッと見には、これまたとても200万円台のクルマとは思えないレベルのものでした。
現車はオプションのベージュ内装だった事もあり(とはいっても、250G でこの内装色を選べるのは白か銀だけという寂しさですが・・・)、広く明るい雰囲気で、フロントシート(パワー式)の座面サイズや座り心地もまずまず。またリヤシートには手動ながらリクライニング機構も付き、妻子とも「広いね~」「楽ちんだね~」を連発しておりました。
エクステリアデザインは人それぞれの好みがありましょうが、昨年のマイチェンは
http://www.carsensor.net/contents/testdrive/_20646.html
によれば、ボンネットやフェンダーを変えることなく、ライトユニットとバンパー/グリルの変更のみで大きく印象を変えるのに成功しており、このあたりも流石にトヨタらしい秀逸さです。
・・・あまりホメ過ぎるとmeganet らしくないので(苦笑)、気になった点をいくつか。
① Aピラーは太く傾斜が強いため、自分のドラポジでは右コーナーでの視界がいまいちでした。
② エンジンノイズの遮断は秀逸ですが、遮音材にグレード間格差があるのでしょう、ロードノイズの遮断はそれほどでもありませんでした。
でもこれは、購入後にアンダーコートの追加塗布やオトナシートの貼付などのDIYを行う楽しみがあるという事でもあります(笑)。
③ ダンパーも、コスト要件のためか微小振動の吸収性が今一歩のように思われました。
ただし、そういうのが気になる人は「Frequency Adaptive Damping ショックアブソーバー」付きの上級グレード「プレミアム」を買えばいいし、DIY 好きな人はアフターパーツで改良すればいいだけの話で、普通に飛ばす分には十分な仕事をしてくれます。
④ ジグザグ式のシフトゲートは(慣れのせいもあるかもしれないが)やや使いにくい。
・・・という事で、上記のうち②, ③ は、最初から上級グレードを買うor 購入後に弄ることで解決できるレベルですし、とにかく「200万円台」のクルマでこれほど完成度の高いものはなかなかないと思います。
250Gは約270万。これにOPのナビ(43~50万)その他を付け、そこから値引いて車両価格300万、という価格設定なのでしょうね・・・。
いや~、meganet も意外なほどの大絶賛ですが、いちばんの問題はこのクルマに乗った後の家族の反応・・・・
「ベンツアウディじゃなくてもいいから、狭苦しくてエアコンの効かないメガーヌや家族が乗れない金食い虫のレパードなんか売り払って、せめてこのクルマくらい快適なのを買ってよ!!」「このクルマいくら? 270万? メガーヌより安いじゃないの!?」
「・・・・・・・確かに快適だけど、あんまりスムーズに楽ちんに走るから面白みがないし(言い訳)、普段の街乗りや子供の送迎にはこのクルマはちょっと大きすぎるよ。税金だって2.5L だと高くなるし・・・・」
「アンタは何の役にも立ってないレパードに、毎年高い税金払ってるじゃない!!」
「・・・・・ひでぶ~。。。」
実にごもっともな意見だけに、もはやぐうの音も出ません・・・・
・・・とりあえず今後は、長距離旅行の際にはなるべくこのクラスのレンタカーを使おうよ・・・・という事で、何とか家族をなだめすかせたつもりですが・・・・
「ア~ッ、マークX を選んだのは大失敗だった!! 世の中にはバリューが高く、もっと快適なクルマがあることを知られてしまった。。。。。」
・・・・という訳なんです(汗)。
日産党の自分が言うのも何ですが、このマークXは実にバリューが高く、そしてトヨタのエンジニアリングの良心すら感じさせるクルマでした。300万円以内で何がおススメかと問われれば、今のところ自分のイチオシですね。
・・・・でも、これだけ誉めあげておいて言うのも何ですが、大の日産党であることを差し置いても、自分はどうしてもこのクルマを所有するという気になりません。
何故なら・・・
この「筋肉脳」 的キャッチフレーズのクサ過ぎる世界観を共有する気にならないからです。。。。
だいたい「走り続けるオレたち」 とか、「深く研究・考察しているブ●グ」 とか、そういう表現って、自分から言うようなもんじゃないだろうって思います。
「走り続ける=常にadvance している」 かどうか、「研究・考察内容が深い」 かどうかは、他人が評価してナンボのものですからね・・・
自分で自分の事を「オレは休むことなく走り続けてきた」 なんて公言するヒトは(主に団●世代を中心に)自分の周囲にも複数いらっしゃいましたが、そういう御仁はえてして独善的・独裁的・攻撃的・非内省的ではた迷惑な事が多かったように思います。
クルマはオーナーの美意識や自己表現に繋がると考える自分としては、折角のイイ車も、こういう男根主義的・独善的広告はかえってイメージダウンにしかならないと感じますね・・・・
それに加えて、「オレたち」ってフレーズ、われわれの世代では・・・・
どうしてもこれが頭をよぎってしまいます・・・・
これがまだ「オレ・タチ」なら・・・・
カッコイイとも思えるんですけどね。。。
誤解なきよう申し添えますと、自分は決してマークX を愚弄しているのではありません。
いやむしろ、マークX から感じられる、厳しいコスト制約の中でエンジニアや製造者が最善を尽くし、安価で良質な製品を提供しようとしたその姿勢に共感するからこそ、電痛あたりの下らんマーケティング屋がそれを「筋肉脳の直線番長ドヤ顔グルマ」のようなイメージで売りつけようとするのはナンセンスだと言いたいのです。
少なくともこのマークX 250G は、「美しき正統」マークⅡの後継者たるに相応しい、万人向けのするイイ車だと思えました。
そろそろトヨタも「痛い奴ら」と距離を置いて、地に足が付いた正統派のマーケティングを目指すべきだと思うんですけどね・・・。
・・・・って、思いっきりトヨタを応援してどうするんだ俺は(苦笑)。
・・・・日産もちっとは頑張らんかい!!
ではでは。