2021年03月02日
クルマの支払といえば昔はほぼ現金一括か銀行ローンでした。自社ローンによる割賦販売も随分上司から煩く言われましたが、現実の金利負担差を考えると「ご面倒でなければ銀行行った方が良いです」って言ってました。
こんな記事がありました。
>https://news.yahoo.co.jp/articles/3da007d7e7add79b03e82702a18dcf2b53872812
アルファードが販売上位という内容の記事なのですが、何故アルファードの様な高額車輌がここまで売れているのか?と聞かれれば答えは簡単「全部ローンだから」というお話し。
こういう高額車両になると親ぐるみの購入計画になりやすいことに加え、今年はコロナの影響もあって時期的に親子孫の3世代で「go to トラベル」を目論んでいたってのもある様な気もします。
それに加えて、一旦最初の購入時に親を巻き込んでの頭金調達という障壁がクリアーできてしまえば後は残価を先に値引いた金額のローンとなりますから、一旦滑り出してしまえば次回の代替は毎月の金額がいくら増減するのか?という至ってシンプルな商談になってしまいます。
昔、3年毎にマーク2を乗り換えていただいたお客さんがいらっしゃいましたが、この乗り換えサイクルだと同じ型のM/C前と後というタイミングになってしまうという事がありました。その時「もう1年待ってもらえば…」と話を切り出したら、その方曰く「下取りが下がる」って一刀両断で却下されました。それと一緒ですね。
ただし、常に車代は払い続ける事になる事が前提である事を忘れちゃイケナイんですが。
アルファード以外で高額査定の定番と言えばハイエースバンですが、ハイエースバンをファミリーユースで乗られている方はさておき仕事仕様で乗っている方だと、どんだけ滑った転んだ引っ掻いたされたクルマに変わり果てるか想像も付きませんから、ディーラーとしてもフツーに乗用車なクルマを代替していって貰える方が助かるという事もあります。
あと重要な事は、「残価金額=通常の査定金額」ではないこと。当然、引き取った車は再販をして新車金額に充当しなければいけない「商品」です。当然、仕入なら安く仕入れるのが鉄則。
「残価率が良い」というのはあくまで「他の車と比べたら」という話であって、通常の査定や買取業者への売却(巨人とか〇ックなんとかは除く)と比べてはイケナイという事は忘れてはいけません。あとで並べられた金額を見るとひっくり返ります。
売り手にとって残価設定金額とは損しない絶対領域というかpoint of no return(綴り間違ってたらごめん)な金額なのです。
てことで話が元に戻って「なんで高額車が売れるのか」。それは自らの収入金額を顧みる事なく消費行動に走ってしまうという、確実な貧困化がもたらしている現象なんじゃないの?って思います。一旦歩みが止まったり滞ったりしたら、そこで息の根を止められてしまう。だって車に限らず、ローンを抱えるという事は観覧車を回し続けることが宿命づけられたハツカネズミ状態なんですから。
例えば社会情勢の変化が元であったにせよ、それによる減給であったり解雇であったり転勤だったりと、全て会社の一存に握られているとしたら怖い話だな、と。世が平らかで平和である事が大前提で、一旦就職できればそこで全てが整ってしまう、という程平坦な道じゃないと思うんだけどなあ。どっかのラブソングじゃないけど恋愛はハッピーエンドじゃなくって、まあ結婚するしないは各自の判断だけど、その後どれだけ継続できるかの方がよほど長い道のりなんだと思うんだけどなあ。
と、他人事ながら思います。ま、ローンが組めるだけ幸せなのかもしれませんが。
Posted at 2021/03/02 16:06:58 | |
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2021年03月02日
プレジデントにこんな記事がありました。
>https://president.jp/articles/-/43552?cx_referrertype=mail&utm_source=presidentnews&utm_medium=email&utm_campaign=dailymail
一読してみましたが、内容は他人からの伝聞をそのまま転記しただけで、その伝聞自体に事実誤認が多く、全く参考にならん記事でした。
クルマの商品開発は、開発コストの膨大さとは裏腹に、投資回収に見合う売上台数が確保できるか否かは売ってみないと分からない、という非常にリスクの高いプロジェクトでもあります。それこそ凋落傾向の著しい国内専用セダンなど清水の舞台から飛び降りる程度の覚悟では済まない位の重責だろうなあ、とは思います。
個人的見解ですけど、クラウンが売れなくなった理由は「クラウン」という名前の車に対する社内の期待値と約束事が、結果的に冒険が出来ない開発とさせてしまったのが原因だと思ってます。横から(無責任に)口出す人が多すぎたんじゃないの?失敗しない様に、社内基準をクリアーする様に、ってやれば、そりゃあ失敗の責任は有耶無耶になるだろうけど、それを誰が欲しがるの?と。
記事の最後にある「全車併売をきっかけとして全く売れなくなった」というのもディーラーの営業マンの立場を考えれば当然で、クラウンという名前の車に全く引きが無いという事です。引きがなければ売れません。今までのトヨタ店からすれば向こうから買いに来るアルファード売った方が楽に決まってます。
アルファードが販売上位3位に入ったというのも考えてみれば全トヨタ店が一斉にアルファード売り始めたんですから当たり前といえば当たり前。店側とすれば買いに来た人に自店舗扱いのクルマを売る、という障壁をクリアーするよりそのまま売る方が楽に決まってますからね。
売れ行きの良い車種なら在庫車も抱えているでしょうからアルファードなら即納も可能でしょう。クラウンを苦労して売るより最初からなんでも付いている特別仕様車のアルファードを「お値段変わらず、乗り降りもし易く、中も広く快適で、お孫さんも皆さんご一緒に出掛けられますよ?」って売った方が楽。しかも即納できるとなれば尚更でしょう。まあ、これはハリアーも同様です。
しかも今までトヨタ店に付き合ってもらっていたお客さんに「お前の所からアルファードを買えないのか?」と嫌味の1つも言われる事も多かったであろう事は想像に難くないですからトヨペット店以外の店舗は無茶苦茶楽できる様になったでしょう。結局それが経営統合・名称統一の新名称ディーラーという流れになる、と。
という事で話を戻して。
売れるクラウンを目指してSUVスタイルのクラウンという企画が進んでいるといった記事も目にします。
いや、そうじゃなくってさ。
醤油味からメガ盛りに変えれば売れるか?という話じゃなくって、クラウンという名前の「良いクルマ」というトヨタ指針・基準が置いてきぼりになってるのが指名買いを逃している原因でしょ?他に成功例を探すんじゃなくって、レクサスマークにしてスピンドルグリル付けて、内装を豪華そうにして元値+200万円で売るんじゃなくて、「クラウンの名前を付けるに相応しいクルマとは?」っていう自問自答をここらで一発、開発スケジュールから外した熟考の末に頭を冷ましてコンセプトから構築し直す方が良いんじゃないですかね?
Posted at 2021/03/02 10:59:00 | |
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