
昨日は偉そうなことを言ってしまいました。ちょっとどこまで書くか悩んだのですが、あまりにも尻切れトンボになるのもなあという事で、ああいう書き方をしたんですが。
「どうだ、すごいだろう」と自慢するつもりの投稿ではないので、今回は失敗例を上げましょう。もちろん失敗例とは言ってもきちんと義務は果たした上で、でもお客さんの理解が得られなかった、という事なんですが。
ちなみに画像は別の事故の写真です。もうあの方とは縁が切れてしまいましたので、その時に画像は消してしまったものですから、その際に全部消してしまったんです。
今回の事故は、相手側が一旦停止無視。こちらは一旦停止の規制がなく交差点を直進中、という状態での接触です。
こういう状況の事故では、基本加害者8:被害者2という基本過失を中心に両者の前後の動き方によって振れる、という事になります。
事故の電話を受け現場に直行すると、珍しく旦那がいました(契約者はその奥さん)。このことも後に影響するのですが、まあこれはこれ。
事故状況を確認し、相手側の一旦停止無視に因る事故という事を確認。もちろん警察の現場検証も入っています。奥さんには、
「こういう状況の場合は翌日にムチ打ちの症状が出ることが多いので、様子を見て病院に行くようにしてください。ムチ打ちとは言いますが、特に初期は首が痛いとかではなく、気持ち悪くなったり吐き気がしたり、という症状がでます。それがムチ打ちの症状です。ある程度はお医者さんに通っていただくことになるでしょうから、なるべく近場のお医者さんに行くのが良いと思います。」とアドバイス。
で、旦那さんには
「基本的には8:2、という線でのお話になるかと思います。後は奥さんの運転状況とか相手の運転状況とかで若干の修正が入ることがありえます。こちら側にとっての一番うまい解決は相手9:こちらが0というところでしょうが、この辺は相手の出方にもよります。基本的には8:2あたりのお話からは入らせて戴くことになると思います。」
今から思えば、そこまで言わんでもよかったなあ、とは思います。ここが失敗その1。
たまにあるのですが、この「ゼロ裁定」は私のよく使う手です。1でも2でもこっちに過失が出れば相手側に支払い義務が生じます。このため「本当に悪いと思うんならそちらの求償を放棄してくれ」というのです。
これが通れば相手側にこちらの保険を使う必要はなくなります。こちらが被害者だった場合、多少は溜飲が下がりますよね?
保険の加入状況は相手側は車両保険ありで、こちらは車両保険無しです。2~3年前クルマを代替されたので、その際にも、保険更改時にも、散々車両保険の付保を勧めましたが結局は付けられませんでした。ここが失敗その2。
車の修理についても旦那に尋ねました。どこで直しますか?と。まあそれはごく普通の答えだったのですが、ディーラーに持っていく、という答えでした。これが失敗その3です。
こういう事故(一旦停止無視)の場合、100:0裁定はありえません。どうしても過失は残ります。運転者の気持ちは別としてです。
そういう場合、修理費の残りの2割分程度は自分の車両保険を使うか自腹で何とかするか、の二通りになります。
ここで、私の協力工場での修理が可能なら、ある程度私の懐の中で修理金額を動かすことが出来ます。修理方法にしても然り、請求金額総額にしても然りです。
ただ、他の工場ともなるとその調整が効きません。持ってこられた工場側としては「ご馳走様です」とばかりに出来る限り請求金額を引っ張って利益を確保しようとするだけです。
その点ディーラーは、保険会社にとってもいいお客さんであることが多い(ディーラー自身が比較的規模の多い代理店であるということ)ので、ある程度請求金額が膨らむことがママ、あります。この点も後に禍根を残すことになりました。
今回の事故の場合、この2割分程度の修理費は、車両保険の御用意もないので、自腹が発生することは覚悟してください、とも言いました。仮に10万円くらいとすれば負担分は2万円となります、とも旦那さんには伝えました。
余計な話ではありますが、「お医者さんに通うことにはなると思います。で、この通院日数に応じて慰謝料が支払われますから、損失補てんという意味ではありませんけど、なるべく通うようにしてもらって、この修理金額の自腹分を取り戻してください。」とも言っておきました。
さて、結果的にはこの事故。9:0で決着は付きました。ただ、時間がえらくかかりました。半年ちょっとかかったかな。
失敗その1
「あくまで最大限の希望的観測である9:0裁定を口にしてしまったこと」ですが、これは言うべきではなかったですね。「基本過失8:2」で、あとは保険会社にお任せいただけますか?で抑えておくべきでした。
実際には被害者が「0過失」の8:0もなかなかない決着です。言い方は悪いですが、変に夢を見させてしまうべきではありませんでした。
失敗その2
過失割合そのものは「運転者のプライドの問題」です。ただ、車両保険に入っている・入っていないは、その場で「財布からお金が出て行く・出て行かない」という問題に直結します。なかなか招かれざるお客のせいで出費が嵩むのは嫌なものです。途中、修理を担当したディーラーが「修理金額が入らない」といって大騒ぎしていましたが、車両保険に入っていれば「仮払い」ということで、事故の決着が付いていなくても先に払ってくれます。
失敗その3
これはですね。相手の修理費は20万くらい、こちら側のクルマはいいとこ10万強。12万くらいの修理費だろうと見積もっていました。私としては。もちろんヤマ勘見積りです。ところがディーラーは修理金額20万円で請求してきたのです。すると自己負担金額1割として2万円。2割として4万円。
被害者感情としては「2万円も余分に出したくない」と引っ掛かるのは容易に想像のつくところです。しかもぶつけられた側で。
ここで言いたいのは2点です。一つは「ここまで請求金額がいかなければ数千円レベルの自己負担であったのに、保険事故だからといって内容を膨らませずぎ」という事。修理内容を聞きましたが「そこまでするの?」という内容でしたしね。
また、提携工場での修理であれば、ある程度の修理金額のコントロールもできるし、仮に揉めて、保険会社からの入金が遅くなったにしても、私のほうで工場には先払いしておくので、交渉を焦る必要もなかったのにと悔やまれます。まあ仕方がないけど。
あと、被害者が奥さんであった場合、表面はニコニコしていても、結構旦那を盾にして物を言われることがあるんですね。どちらに連絡を一本化したらいいのか、もっとはっきりさせておくべきでした。
結局いろいろなことが重なり、使えない代理店と評価されたのでしょう。今回を以ってこの方とは縁が切れました。経緯を一つ一つ書くと、ものすごく長くなるので今日はここまで。ゴタゴタの詳細はまたそのうちに。
Posted at 2009/10/25 12:57:09 | |
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