
今年の3月ごろのことだったかと思います。
お付き合いが始まってから3年目くらいになるとある方から、車検のローンは出来るか?というお問い合わせがあり、「信販会社の判断なのでなんともいえませんが、車検のローンお取り扱いはあります」とお答えしておきました。
それから車検時期が近くなって再度お電話があり、車検をお願いしたいと言う依頼電話でした。甘いと言えば甘いのですが、そういう初めからの断りがなければ基本的には車検を先にやってしまっています。というより昔から知っている方とか、そういう方からの紹介ばかりなので、特にそういうお支払いの面の心配をほとんどしたことがありません。
却って、こういうことを言われると警戒してしまいます。いずれにしても回収できない以上、仕事を請ける意味はありません。
ですので、先に事前審査を受けていただいて、その返事を待って車検を受けるというお話としておきました。
さて、その当日。信販会社からの結論は「NO」。お決まりの「理由はお答えできません」。
やむなく結果をお客さんに伝え、お帰りいただきました。
2日ほど経ってから、またその方からお電話がありました。一括払いとしていた任意保険の支払いを分割にしてもらえないか?というお話です。すぐにピンと来たのは「これで車検代を何とか捻出しよう」ということだろうな、と。
当時、私の手元にはワゴンRがありました。車検は4月に来ますが、特に何も言うことはない状態で、距離も76800キロ。5ドアのATです。主に代車や営業用として使用していた車でした。早い話が、これをしばらく貸してあげようかと思ったのです。
なぜって可哀想に思ったから。
7万程度のローンも通らず、車検代が払えなくて、3~4万の保険すら分割にしようとしている人です。代車としてはもう一台ヴィッツ君がいましたから、まあ何とかなるだろう、と。なんとなればベンツ君も使いますし、ロードスターだってあるわけですから。
貸与期間として想定していたのは「半年ほど」。今までその方が乗っていた車は仕方がないので廃車とし、その代わりに乗ってもらうワゴンRの貸与料として、4万を頂くということならどうだろう、と考えました。
こちらとしては車検時の経費実費+アルファ分程度を負担してもらい、半年の貸与後は残り1年半の車検期間が手に入る。
あちらとしては4万円を支払う代わりに半年の間ワゴンRを自由に出来て、その間ある程度の額の頭金を貯めてもらい、次の中古車を買う原資を用意してもらう。まあ、その時の中古車も、もちろん私のほうで手配させてもらえるんですよね?という含みはありました。はっきりと口に出しては言いませんが。
もちろん、はたから見たら馬鹿みたいな条件です。もちろんこちら側にとって、という意味で。いくら保険上のお付き合いがあったとはいえ、そんな条件で代車を貸してくれる所などあるわけがありませんし、聞いたこともありません。知人からは「相変らず人が好い(まあ、馬鹿という意味もこもっているでしょう)ねえ」といわれる始末です。
実際嫁さんにも「そこまでしてあげなくてはいけないお客さんなの?」と聞かれたくらいです。自動車税もこちらで持つということで、わざわざ4月になってから名義変更(保険のことがあるから)をしたくらいですから。
そんなこんなで、無事車の入替も終わり車検も済ませてワゴンRは長期貸与の旅に出て行きました。
事件はいつも突然やってくるものです。初めに電話がかかってきたのは9月ごろの事だったでしょうか。「イタズラでリアガラスを割られた」という電話でした。
まあ、それそのものはいいのですが、経緯からすればその修理は当然ウチでやるのが当たり前の話しかと思います。それを何故か、先方の方でやると言って譲りません。理由を尋ねると「主人の知り合いでやった方が安くできるかもしれないから」という理由にならない理由です。ただ、途中でこっちも馬鹿馬鹿しくなり「好きにしやがれ」と思い、放おっておきました。
第二弾は、その方の息子からの電話でした。
何でも「バイクを買おうと思うので、ワゴンRをその下取として処分しようと思っての相談なんですが.....、」という寝耳に水の話です。その話を聞きつつ私の頭の周りには「?」マークが300個ほど出てました。
努めて冷静に、「あのね。お母さんからどういう話を聞いているか知らないけど、あの車は単に私の好意で長期で貸してあげてるだけで。だからあくまでも私の車であって、君達が好きにして良い車じゃあないんだけど。」
「え?そうなんですか?母に確認してみます」と息子。10分後くらいに当人に電話して「思い違いをしてもらっては困るので、そういうことなら返却していただきたい」と伝えました。
その後、まだガラスを直していないだの、車を探してもらいたい、という話から何から。第3段、第4弾と続きましたねえ。
次の車を買うために銀行の融資用の見積りを作って送ってあげたりなんだり。車を買う前に見に行きたいと言うので「買って来ちゃってから、やっぱり銀行からお金を借りられなかったので止めたい」という話では困るので、軍資金が用意できるまで車の手配はしない、と言ってやったり。
一応予算や条件に合う車の目星は付けてあったんですがね。ただ、先立つものの手配が出来きない限りこちらもリスクは負えませんから。
そのうち、私の名前では借りられないので主人の名前で借りるだの、主人からは「見積りを出してもらって、削れるところは削ってもらって」と言われただのという電話が来たりしました。何のどこを削るというんだろう。いつも経費なんか実費でしか貰っていないのに。それともタダで仕事をしろってか?
で、流石にこちらも腹に据えかねたので「もう私のほうでクルマを買っていただかなくてもいいですから、そちらでお探しください。すぐに探されるのでしょうから、ワゴンRは至急お返しいただきます。」ということで、今日、ワゴンR君はやっとうちに帰ってきました。ごめんなあ、ワゴンR。お疲れさん。
さっき気がついたんですが、半年ちょっとで13000キロぐらい乗られてやんの。あーあ。オイル交換なんかしてあるわけないよなあ。やってあげなきゃあ。
なかなか、いくらこっちが気遣ってあげているつもりでも、思いというのは通じないものなんですねえ。思い知りました。
というわけで、今後決して分を超えた親切は決してするまい、と心に決めましたよ、あたしゃあ。馬鹿馬鹿しい。
Posted at 2009/11/10 23:08:12 | |
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