2018年11月23日
人手が集まらなくて倒産するという話は聞くけど、何でかなあ、と思う。
仕事量が少なくって取り合いになるのなら過当競争になり、現状の戦力では価格競争力が維持しきれなくなる、イコール倒産という流れなら理解出来るのだけど、仕事量がそれなりにあって消化しきれないのなら、こなしきれない、割の合わない単価の仕事は断わるって判断もあるんじゃないの?と思うのだけど、そういう事はしないのかな。安定してきた単価分、給料を上げる方向に持って行ければ人材確保だって出来そうなもんなのに。
もちろん私も自営業者の一人だから、協力業者(下請け業者という言い方は失礼だと思う)が請けてくれる作業単価は安い金額で留まってくれる方がありがたい話ではあるけど、そこはそれ、持ちつ持たれつの関係でもある以上、もう少し金額を上げても良い?と聞かれれば足蹴には出来ない。
結局、大企業さんは良い環境で回り出してるのかもしれないけど、充分その恩恵が循環しきっていないというか、そもそも循環させるつもりがないと言ったら良いのか?
ちょっと前に浜松市内の信用金庫行内の無料チラシで市内の企業の景気短観みたいな記事があったので読んだんだけど、そこに掲載してあった各業界の経営者アンケート結果も「今の景気は良い」と答える割合が多かった。
信金がやったアンケート結果なだけにワリと信用性が高いと思っているんだけど、実際、自分の周りでも車を買い替えようかと言う話が結構継続して出てるから、一般的な空気としても上向きの雰囲気はあると思ってる。でも回りきっているという感じまではしない。何故か。
色々考えるんだけどボトルネックの一つかなあと思うのは、仕事を出す側の仕事量は増えていても、まだまだ仕事の単価自体は出し渋られたままで、現場作業者の給料を上げる原資にまで行き届いていない、という事かなあと。
外国人技能実習生の失踪原因も、やはり多いのは給料の単価が安いと言うのが大勢を占めているわけだし、そこにパワハラ、モラハラが続くという事は結局受け入れ先がブラックな職場だったという事なんじゃなかろうかと。
という事はブラックな職場が一足飛びにホワイトとまでは行かなくても、せめてグレーになれるためには、そもそも実習生受入先に仕事を出している元請け(=中間業者)がそれなりの仕事単価を出す規制も作らないとダメでしょ、と。単に頭数を外国人労働者の増員で埋めようとした所で、そこが過当競争になるだけです。
以前、浜松はブラジル人だらけだったけど、あいつら(失礼)残業代にはものすごくシビアでした。なんてったって稼ぐために地球の裏側から日本に来てますから、今の職場より50~100円時給が違えばサッサとドライに職場を変えていきます。その姿は見てて新鮮でした。
そういえば、そのブラジル人に「なんで日本人は働かない?」と聞かれた事があります。もう10年以上前の話です。
「ウチの息子は夜勤専門で、そんなにきつい仕事内容でもないが、今の工場で月に50万近い給料がある。だが日本人がやらないから俺たちにその仕事が回ってくる。日本人はこんなに良い仕事を何故やらない?何でこんな良い仕事を断るんだ?」
まあ、何で?と聞かれても私などには答えようも無かったし、今もその答えを持ち合わせていないのですが、一つ言えそうなのは「家族ぐるみで妙に贅沢になっちゃった」って事もあるのかな。
あ、そうそう。働かなくても生きていけてしまっているのも問題の一つかもしれません。色々な理由はあるでしょうし、必ずしも本人の責に帰すべきでないという声もあるのでしょうけど、別に差別的な意味を含めて言うわけでなく五体満足な状態に生まれつきながら40年間も引きこもり続けられる世界ってどうよ?とは思いますねえ。荒川弘さんのマンガ「百姓貴族」中に「働かざる者食うべからず」というのは真理だと思うなあ。
Posted at 2018/11/23 17:17:22 | |
トラックバック(0) | 日記
2018年11月18日
スリーサイズを言われた所で、そういう情報に疎いワタクシとしては果たしてどのくらいナイスバディな数値なのかは全く想像出来ないのと同様、クルマの定番情報らしい「車種・年式・走行距離」(ちなみにガ○バーさんのCMによれば、この3つの情報で大体の金額を教えてくれるそうです)を言われた所で、それだけの情報で、そこから何を想像すれば良いのかよく分からん、というのが実情なんじゃなかろうか?と思います。結論を先に言ってしまうと
「もっと情報を」
って事ですね。
どんなに愛されて育ったクルマなのか、どんな育てられ方をしたのかが分からないと養子縁組には至らないというか、いくら金銭面では購入可能なクルマであったとしても、なかなか決断に至らない・至れないのが実情&人情ってものでしょう。
ただ圧倒的にそういう情報が少ないというか、そもそもそうした情報を求めても、別に個人情報なんて求めていないんだけど、個人情報云々を盾に整備記録簿以外の情報がほぼ無いのが普通です。個人的には記録簿に載る事の無い、お出かけ前の状態というか普段のイジラれ具合や売却される前の状態の方が気になるんだけどね。
例えば「女性ワンオーナー」って売り文句に書かれてるクルマもあります。当然売る側はそれがセールスポイントになると思って書いてるんだろうけど、そこにどんな幻想を抱くことを想像してるのかなあ?現実的には、仮に当人はメイクや服装にはいつも気を遣っている方だとしても、車内も同様に小綺麗で掃除がいつも行き届いていた筈なんてのは、ちょっと期待させすぎだと思います。もちろん女性に限らず、イケメンが乗っていたクルマだったとしても同じですけどね。どうせなら前オーナーはこんな方でしたって顔写真付きで売る方が潔いかもしれない。
クルマ屋さんの中には、全ての商品車は並べる前に外装のコーティングまで済ませる、という所があります。内装だってもちろんクリーニング済です。こんなんじゃ以前の乗られ方なんて判断のしようがありません。あらかたの痕跡は抹消済というわけです。仮に軽トラックも例外でないと言いますから徹底してます。
もちろん、そうした作業を丸投げされる側であるクリーニング業者からしたら仕事量は確保出来る一方、どんな状態の車でも一定以上の見栄えをクリアーすることが求められる訳で、ちょっと可哀想にも思います。
ただ内・外装は販売開始前にそれなりにメイクアップされている事が普通ではあるのですが、一方で機械の整備は契約後という事も殆どの業者で共通している点です。
随分前にハイエースのキャンパー仕様車を仲介したことがあるのですが、そこの業者からは納車前の車検整備という名目で20万の整備費用を請求されました。必要か否かは別として、年式・走行距離からすると一般的に考え得る、ありとあらゆる定期交換品をほぼ網羅した交換リストとなっていて、こりゃあ余程のことがない限り問題が出ない様にしている(言い方を変えれば消せるだけの履歴は消してある)整備項目だな、と思ったものです。
もっとも後年、バックドア付近の天井部分の塗装が剥げる、という現象が出て板金屋さんに修理して貰ったことがありました。板金屋さんの見立てでは「このクルマ、後ろから突かれた事がある修復歴アリ車じゃね?」って話でした。天井一枚塗り直した際、バックドア付近には補修跡もあったらしいし。チョット見では分からない・分かりにくい所は知らん顔しますという訳です。ちなみにこの業者(カー○イフオート)、当時トヨペットから要注意業者として出入り禁止になっていました。今は知りませんが。
話を戻してスリーサイズ以外の情報が欲しいという話。
結局コレって新車も中古車も、しばらく乗ってみないと分からない事も多くって、ディーラーから買えば信用出来るか?って話でも必ずしもない。気がします。ある程度自分自身で滑った転んだしないと分からない事も多い。気がします。
だから余計にいろんな情報が欲しいんだけど限られた情報の中でのお買い物になってしまうのなら、金銭面的に痛くない範囲のお買い物に収めるか、買うクルマの方を痛い思いをしなくてすみそうな範囲の年式・走行距離のクルマ(新車・新古車、ディーラーの試乗車や社用車だったクルマ)に狙いを定める。安全策としては、その2つのうちの何れかかなあ、と。そんな気がします。
ん?そのどっちでもない中間ですか?
博打ですねえ。
インサイダー取引(直接売買)を狙うか、せめて値を吊り上げられ易い、新車価格から年式相応の値下がりをしていなさそうな銘柄は避けて通った方が安全策でしょう。それか販売業者の勧める延長保証の内容をキチンと確認した上で、キチンとフィーを支払う方が良いでしょう。それよりもクルマへの愛情が金銭面の障壁をものともしないのなら幸せが掴めるかもしれませんねえ。なんかどっかの占い師みたいな言い回しですねえ。
Posted at 2018/11/18 12:43:02 | |
トラックバック(0) | 日記
2018年11月16日
肋骨折ってから、乗り心地が骨に響きやすいクルマに乗ってません。乗っていない順に同率一位でアイとロードスター。次にラッシュ。結局一番乗り心地の良いオーリスばっかり近頃は乗ってます。
そんなわけで優先順位の低いクルマは整備優先度も下がる(それ以前に自分で整備する気にならない)為、ラッシュのタイヤ交換もあれだけ騒いでおいて何時のことになるのやら、という状態です。
ただ一方でタイヤの記事は読んでるし、お客さんのタイヤ交換もしてるのでチラチラと気にはなっているのも事実で、多分ラッシュの次のタイヤはTOYOのプロクセスだろうなあと考えています。ミシュランは今回脱落。
基本的に私個人の銘柄選び優先度は1位がミシュラン、2位がコンチネンタルです。まず最初にミシュランの適当な銘柄を考えますが、選択肢が無ければコンチネンタルを選んでいます。アイのタイヤはそうした理由でコンチネンタルです。何故コンチネンタルが次点かと聞かれれば販売価格が高いから。ミシュランと横並びで2割くらい高いんですよね、コンチ。好きなのは好きなんだけど。
じゃあミシュランの適当な銘柄という部分で、何が適当な銘柄でないのかと聞かれれば中級グレードと新銘柄です。これは選択肢から外す傾向が強いです。
例えばパイロット系統はやはりトップグレードですから手抜きを感じないし、個人的にも何度か履いていますが落胆した事も少なかったです。評価に困るのがプライマシー。わりと高価格帯の筈なのに、悪くはないけど、世評言われるほど良いとも感じない。そこまで出すんならパイロットで良いじゃん、という感じ。
それと、買ってみて当てが外れたというか肩透かしだったのがミシュランの出たばかりの新銘柄です。当時エナジー3って言ったかなあ。平成17~8年頃に出た銘柄のタイヤ。
適合サイズがあったので当時XM1だったかとエナジー3とで迷い、「欧州タイヤ基準の新銘柄」とか何とかいう売り文句をみて、まあ良いやとエナジー3をNA6ロードスターに履かせました。結果は見事に肩透かし。確か2年ぐらいでエナジー3の銘柄そのものがラインナップから消えていたと思います。たしかエナジーグリーンも初期の製品は「?」な印象のタイヤだった記憶があります。
おそらくはミシュラン内部でもランニングチェンジはどんどん行われているのでしょうけど、やはり新製品は出してみて市場評価が返ってきてナンボの世界なのでしょう。市場の声も聞きつつ、ミシュラン内部で潰しきれなかったネガはその都度ランニングチェンジされていく・されている。その事を思うとミシュランは古くから残っているグレードの方が信頼感は強いです。その意味ではプレミエLTXはこれからの進化を期待する様子見のグレードというのが個人的な感想です。むしろラティチュードの方が信頼性は高いんじゃないかな、未だ今は。
で、優先度3位はやはり国内メーカー・国内生産タイヤです。中韓製のタイヤは技術は上がってきている(おそらくは日本人エンジニアがかなりの数で流出してる所為じゃないかな?)とは思いますが、以前ほど安いわけでもなく、その程度の価格差なら国産を選びます。
但しブリジストンは選びません。何でって聞かれれば他社製品と比べて比較的高額な値付けが目に付き、そのくせ価格差分の良さを感じることが少ないから。
選び方の一指針としてメーカーの広報車にどんなタイヤが履かされていたか、を調べる事もたまにあります。広報のためのクルマに、メーカーが敢えてそのタイヤを履かせているわけですし。福野さんの新車紹介記事には広報車のタイヤ銘柄も書かれていますしね。
話は少々タイヤから逸れますが、詰まる所「世の中は損得勘定」で動いています。その人にとって、その時は得に思えた選択を常に選択する。ハタから見たらリスキーな選択に見えても、その人にとっては優先順位が違ったのだ、という推測はしてみても良いかもしれません。さっきの技術者の流出にしてもです。
その意味で日本国内の、例えばタイヤの売れ行き・売れ方がどうか、と言うことを考えると、ワリと高確率でタイヤなんぞにお金を掛けたくない、という声が出てきます。その一方でクルマを購入してから時間が過ぎれば過ぎるほど無関心の度合いが上がってきます。クルマのことはよく分からない、という声も良く聞く話です。
そうした環境の中でどういう風にタイヤが売られていくかを考えると「そろそろタイヤが寿命です」とガソリンスタンドや整備工場で言われ「今ならキャンペーン中でお安くなっています」という声をきっかけに、スマホで価格調査を始める位ならまだマシな方です。
黒くて丸いだけの物体がズラリと並ぶ光景はさながら電気売り場でアイロンを品定めするようなもの(失礼)で、似たような価格で何が・ドコが特徴的な製品なのかサッパリ分からない人にとっては「色が綺麗だった」「聞いたことのあるメーカーの製品だから」「三菱の車はブレーキが良く効くから、三菱の製品を(←昔、実際にそう言って三菱のテレビを買っていった人があります)」とかね。
話をタイヤ販売に戻すと、一般の人にとってのタイヤの商品性は有って無きが如しなのが普通です。結局「どれも一緒だろうから、どうせなら安い方が良いや」「どうせ買うなら、こっちの方が燃費が良くなるんでしょ?」という選ばれ方、勧められ方をされるのが一般的じゃないのかな、と。変に「空気圧をマメにチェックしましょう」などと言う店員が居たとしたら無関心層にとっては面倒な奴に思われるだけかもしれません。
同時に関心の無い買い物はお手軽にすませたい、という心理も良くある光景ですからガソリンスタンドで「じゃあ、それで」とか後日、自動後退などのお手軽カーショップで、その場で済ませられる在庫商品の中で安いもの、とか。
で、そういう買い方や店員からの薦められ方が数多くなれば、メーカーにとってはそれが「お客様の声・お客様のご意向」になります。だから低燃費のラベリングばかりに目が行く様にもなるし、メーカーの認知度・ブランドイメージを上げるために「新車装着基準の『ちゃんと買い』」とか言ってみたり。
販売店は販売店で、安さが武器と思えば安さが目玉になるブランドの扱いを多くするだろうし、利益率を高める為、メーカーに自社ブランドのOEM品を作らせたり(元の金額が分からなくなる)、入れるだけで金になる窒素ガス入れますと言ってみたり。但しこの時、真鍮製のエアバルブにNと書かれたアルミのキャップをはめるブービートラップが仕掛けられる事も有るので要注意です。ヒドい時は接触腐食して最悪エアバルブ交換になります。
話を戻してタイヤ選びですが、今まで書いてきたことはあくまで自分の買い物だった時のことで、お客さんのタイヤ交換となると基本「日本メーカー製の国産タイヤを、作業手順のこなれた専門業者で、エアバルブも一緒に同時交換して貰う」事にしています。理想と現実は違うので、必ずしもお客さんに此方の意図が理解して貰えるとは限りません。その辺は臨機応変に、という事ですね。魅せるだけの目的でピレリにする事もあるし。
もっともいくら安くても中韓・東南アジアメーカーのタイヤは未だに売ってません。だってクレーム来た時に対処しなきゃならないのは自分だし、最低限の一線として中韓はちょっとって事で。否定はしないけど肯定はもしてません。
Posted at 2018/11/16 12:18:37 | |
トラックバック(0) | 日記
2018年11月10日
ピケティの「21世紀の資本」を読んでいる、と言いたいところですが学が無いので、嘉悦大学の高橋教授が書かれた「21世紀の資本」の副読本・解説本を読んでします。
その中に書かれていたことで印象的だったのは、全体的な統計上での話とはいえ、世界経済の平均値として、2%のインフレはごく普通の事だということが書かれていました。単純計算で100万円の物価は翌年には102万円に上がっているのが普通である、と。もちろん給料(というより手取り金額)もそれに合わせて2%以上、上がってくれないと実質的には給料が減っている事になります。
私は自営業なので、給料などという月末になると自動的に天から純益が舞い降りてくるなどという素敵な状況にはありませんから手取りの給料の額面など理解のしようもありませんが、世間様一般的にはどんなもんなんでしょうね?
ただ、そうした世界的な傾向と比べて日本経済はずっと成長していないというよりマイナス成長してきた印象なのが実感だろうと思います。
平成15年ごろ私がアリコに居た時分に売られていたアメリカ国債ベースの年金保険は4%の金利が付いていました。今でもアメリカ国債の金利は3%台の様です。同じ頃に販売されていた日本円建て終身保険(主に日本国債で運用)の利回りは1.5%から1.25%に引き下げられたばかりで、そのうちに配当金は無いのが当たり前の時代になり、そこから更に解約返戻金が一定期間少ないか無いタイプに切り替わってきて、今では終身保険そのものを売っていない保険会社もある状態になりました。ちなみに日本国債の現在の金利は0.1%台ですから平成15年と比べ金利は10分の1以下です。
そんな日本国内の景気はさておき海外市場の比率が飛躍的に高くなった日本メーカーとしては、やはり「インフレ率2%」の販売価格であるべきだろうという値付けは、まあ当たり前といえば当たり前の感覚かもしれません。その一方でカムリの新車価格が400万前後もするのは高すぎると思う自分もいるんですが。
こう言うと非難されるかもしれませんが日本経済はバブル以降、成長しなさ過ぎたのかもしれないという感覚をいい加減持たなくちゃいけないんじゃなかろうか?とも思うようにはなりました。
ちなみに平成11年に私が買ったマークⅡ2.0の新車車両本体価格は250万円でしたから、複利で金利2%の19年後は?と計算すると3,642,028円となります。これが世界平均のインフレ率を経た現在価格であり、それに見合う収入を稼がない・稼げないと世界の周回遅れになる(なっている?)という意識は必要かもしれません。
ちなみに初代NA型のロードスターは当時170万円くらいの本体価格だったそうですから同様にインフレ率を足しあげた現在価格は307万円位となります。それが2,365,000円(消費税抜き)で売ってくれているわけですからありがたい話です。最も、それでも買うか・買えるかと聞かれると即答できないのがつらいところです。
Posted at 2018/11/10 11:50:44 | |
トラックバック(0) | 日記
2018年11月05日
「豊田章男が愛したテストドライバー」という本を読みました。
トヨタのテストドライバーのトップ集団は「トップガン」と呼ばれていて、そのトップガンの中の更にトップに成瀬弘さんという人が居るという事は、最後のカルディナの発表時に新車販売資料の中でアナウンスされていました。LFAのテスト中に亡くなられたテストドライバーです。
何でカルディナか?と聞かれれば当時のカルディナにはトヨタの肝煎りモデルとして「カルディナGT-Four」がラインナップされていたから。こういう人たちが作り込みました、という事で紹介されていました。
ちなみにカルディナの新車営業向け説明会会場は富士スピードウェイで行われたくらい気合は入っていました。初めてコースも走ったし。中谷明彦が説明に駆り出されてたくらいだしね。ま、売れたか否かはご想像にお任せしますけど。
まあ、それはそれとして文中にはこんなエピソードがありました。「トップガンの仕上げたアルテッツァは素晴らしかったが、製品化されたアルテッツァはまったく別の車になっていた」。うーん。それでも一方では「アルテッツァは成瀬さんが仕上げた作品」なんて話もまことしやかに流れたりもしていて。
まあ個人的な感想では、確かにアルテッツァに初めて乗ったときは「フロントが軽いなあ」と感動しましたが、わりとその感動は長続きしないというか、それだけだったというか、妙に薄味だったなあ。内装の仕上げはチープでおもちゃっぽかったし。まあ、トヨタの総意としての仕上げというかまとめはそういうものだということなんでしょう。
幾らチーフテスターが頑張ったとしてもチーム全体がそういう方向に向かない限りは結局声の大きい部門によって角が取れ、凹凸が減り、という仕上げになっていくのだろうなあ、と。
本の中にはこんな一節もありました。
「部品一つ一つの精度は高いし品質も良い。個々のプロフェッショナルは居て、技量のあるシェフも居るんだが、肝心の、お店の味と方向性を決める立場に居るべき筈のオーナーシェフが居ない。だから仕上げが無味乾燥になる。」
「07年くらいの頃から数値で車が作れると勘違いする空気が濃厚になった」
そのあたりが印象に残った文章ですね。尻切れトンボですが、この辺でおしまい。
Posted at 2018/11/05 13:19:17 | |
トラックバック(0) | 日記