2011年08月12日
お盆なのでこんなお話いかがでしょう??(怖い話ではありません^^;)
あれは私が20代のころ、郊外にある農家の納屋を解体作業に行ったときのことでした。
そこは宅地開発のため畑を売った農家の納屋のひとつ。
その納屋は農家の自宅から相当離れた場所にあり、非常に古いものでした。
しかし不思議なことにおばあちゃんも、息子さんもその中には入ったことが無いらしく、多分古い農機具などをおじいさんがしまってあるんだろうとのこと・・・・・
それでも解体の基本としてやはり中は確認しておかなくてはならないので扉を開けることに。
でも、なぜかその扉は鉄製で錠前3個で厳重に鍵がかかっていてなんだか???^^;
木製の古い建物なので隙間から中を見ようとすると・・・・中が見えない???内張りがあるみたいです・・
とは言え、こちらも仕事なので作業員の方々が家族の了解を取り鍵を壊していきます・・・・
私は暑かったのでダンプの中で涼んでおりました^^;
うとうとしかけたころ、もう1台一緒に来ていた仲間の運転手のかたが呼びにきまして。
『サイコー君は車詳しかったよな??ちょっと見てくれないか??』
とのこと
話を聞くと、多分クラウンだと思うんだけど・・・・と
まあこの手の解体では、よく廃車になった車を納屋に入れっぱなしはよくあることなので、何でわざわざ呼ぶかな??位に思ってました・・・・・・・・・
がっ!
見てびっくり!
そこには初代クラウンが・・・・・まあそれだけでも貴重な体験ですが・・・
まるで納車されたばかりのような綺麗な初代クラウンがそこに堂々と鎮座していたのです^^
埃は積もっていますが口で吹くだけで飛んでいきます、WAX効いてるんですよ。
すぐにもう1台のダンプからエアガンを引っ張りブローすると博物館並みの綺麗な状態になりました。
しかしここで問題・・・・カギがありません^^;
みんなで小1時間さがしましたがありません・・・・・
オーナーであるおじいさんは2年前に他界したそうで場所がわかるわけも無く・・・・・
しかし、おばあさんが何かを思い出したらしく家に戻り、もって来たカギが・・・ビンゴです!!
おじいさんが生前から、わしが死んだらこれを仏壇においておいてくれといわれていたお守りの中に入っていたそうです。
ここまで書いてお気づきの方いらっしゃると思いますが、実はこのおじいさん、家族にクラウンを買ったこと内緒にしていたらしいです。
そのために自宅から遠いところに納屋を建てて隠してあったみたいです。
あれは1980年代でしたので40年以上・・・しかも亡くなってもまだばれていなかった・・・・すばらしい!!??^^;
とりあえず車内に乗り込みメーターを見てまたびっくり!!50Kmくらいしか走っていません!!
タイヤもよく見るとまだイボがあるオリジナル、さすがにサイドはヒビが多少ありましたが、それにしても劣化が少ない・・・・・手入れしてたんですね~~^^
エンジンは??バッテリーは4年ほど前に交換した痕跡がありましたが、ターミナルははずしてあったのでつないでみました。
メインスイッチ(確かそんな構造だったような??この辺はあやふやですみません)を入れると・・・・・何の反応も無い・・・というかエンジンチェックランプなんてなかったんでしょうね^^;
でも、カチンという音がしたのでウインカーレバーを倒すとしっかりランプ点灯^^
いきなりエンジンを回すのもいやなので、そこにあったトヨタキャッスルオイル(マジです^^;)を少しオイルキャップから流し込み少ししてからクランキング・・・
ボボッボコボコと言いながら少しだけ白煙を上げてエンジンはかかりました・・・・・・
みんなが歓声をあげる中、ラジオがあることを発見・・・・しかもラジオのスイッチだけが少し減ってます。
スイッチをひねると、バチンッ!と音がしたまま何も聞こえてきません・・・やばい・・・こわした??
と思っていると少しずつ声が・・・・・多分真空管ラジオだったのだと思います^^;
これで私はこの車がどのように使われていたのかなんとなくわかりました。
おじいさんはお酒と野球が好きだったらしいです・・・・もちろん車もね。
おそらく隠れて買ったクラウンの中で、たまに仕事が終わると、野球中継を聴きながらお酒を飲み、車を磨いて眺めていたのではないでしょうか??
そこに埃のかぶった手作りベンチ風の腰掛と、数本の空の一升瓶と、飲みかけの一升瓶がありましたから・・・・なんとなーく見たこともないおじいさんがこちらを見て笑っている・・・そんな気がしました。
まああくまでも自分の想像ですが、形は違えど車を愛する気持ち・・・ものすごく・・・涙が出そうなくらい感じました。
では、なぜ家族はここに近づかなかったのかきなりませんか?
実は私も気になり息子さんに聞いてみたのですが、家族にはお化けが出るとだましていたようです(笑)
確かに家向きには窓も無く、反対側に換気扇があるだけの構造・・・しかし中から少しこぼれる光が真っ暗な中には気持ち悪かったんでしょうね???私もこれなら近づかない(笑)
奥さんは(おばあちゃん)はさすがに何かあると気がついていたようですが、昔の女性は素敵ですね^^
おじいさんが絶対に入るなというから入らなかった・・・そうです・・・^^
ちなみにおじいさんは車の運転が下手で、仕事用の車は数台壊しているそうで・・・・だから乗らなかったのかな??と笑っておりました。^^
その後その車がどうなったのかは知りませんが、いまでも息子さんがお酒を飲みながら野球中継聞いてくれてるといいな~~なんて思ったりしました。
Posted at 2011/08/12 14:28:55 | |
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