この記事は、
海保ガンガレ!について書いています。
9月7日夜、東シナ海の尖閣諸島近くの領海内で中国漁船が違法操業後に逃走して海上保安庁の巡視船に接触した。この件に関し、(日本の)海上保安庁は同日夜、中国漁船の男性船長(41)を、公務執行妨害容疑で逮捕する方針を固めた。
この件に対し、中国外務省の姜瑜副報道局長は7日、日本側に厳重に抗議したことを明らかにした。
姜副局長は「釣魚島と付属諸島は古くから中国の領土だ」と主張した上で、
「日本の巡視船は付近海域で『権益』を守る活動や中国漁船と乗員の安全に危険を及ぼす活動をしてはならない」と非難した。
「日本の巡視船は付近海域で『権益』を守る活動や中国漁船と乗員の安全に危険を及ぼす活動をしてはならない」
つまり、
「尖閣諸島付近において、警察権の行使など一切するな」
ということであり、これは言い換えれば、
「中華人民共和国の領土である部分を、日本が、軍事力・警察力によって不当に占領している」
という意味になる!
ここからだけだと、「?」の人も多いだろうから、
確認しておきたい。
↓
日本政府の立場からの「領土問題」は、今のところ、主として、以下の三箇所が存在する、としている。
「北方四島」
「竹島」
「尖閣諸島」
で、コレを純粋に、「今、どこの国が軍事的に占拠しているか」を一覧すると、
「北方四島」 ロシア
「竹島」 韓国
「尖閣諸島」 日本
となる。
要は、尖閣は、軍事的に言って、日本の範囲内。
もしも中華人民共和国政府の言う通りにする場合、日中の軍事境界線を「ズラす」必要性が生ずる。
それは、何を意味するか?
「中国軍の、軍事力の、直接・間接的行使をする」ということになる。
もうすぐ、モロにこう言うだろう。
「中華人民共和国の領土である部分を、日本が、軍事力によって不当に占領している」
と。(既にコレと同じ意味のことを言っているのだから)
だが、これは、明らかにおかしいだろう。
「中華人民共和国の成立はいつか?」
という事実を出してしまえば、中華人民共和国の主張など、全てに正当性がない。
(以下は、「尖閣も沖縄も、歴代中国王朝の直接支配下にはない」という事実は、とりあえずのところ、置いといて、見るだけ見てほしい。中華人民共和国の「主張の根拠」とやらであるから)
では、中華人民共和国政府の主張根拠は何か?といえば、
「過去に支配した地域は「中国の領土」」
「今日の中国、すなわち中華人民共和国の陸地国土を形成している国境線は、1840年に勃発したアヘン戦争を契機に帝国主義列強が中国を侵略してできたものであり、弱体化していた清朝政府に対して強力な帝国主義諸国が押し付けた「不平等条約」の産物であるから、新政府(中華人民共和国政府)は改めて政治交渉を行ない、国境条約を締結して国境線を画定するという立場に立っている」
「指導者毛沢東を受け継ぐ中国共産党の根底にある歴史観には、やはり1840年のアヘン戦争を契機とする帝国主義列強の中国領土の収奪、さらには中国の領土・版図とは過去において支配が及んでいた地域であるという考え方が厳然としてあり、その認識によって一種の「失地回復主義」ともいうべき、それらの地域を取り戻すという考え方が導き出されているのである」
(平松茂雄『中国は日本を併合する』2006年講談社インターナショナル)
「尖閣諸島」については、
「今、軍事的に日本のエリアである」
歴史的にも、「尖閣も沖縄も、歴代中国王朝の直接支配下にはない」ということに、もはや議論の余地などない。
それは、中華人民共和国政府も、重々承知でいる。
だから、今、こういうことを言うのだ。
「中華人民共和国の領土である部分を、日本が、軍事力によって不当に占領している」
勿論、もはや、ここ数十年の「実績」から言って、
「空虚感」
(日本の場合、領土が軍事侵略されたことはあったが、していない。
対して、中華人民共和国は、ここ50年で10回以上の戦争を行っている)
漂う内容だが、それは詰まるところ以下のことを意味する。
「領土問題について、話合いで解決するつもりなどない。軍事力を行使して、占領する。守りたいなら、どうぞ守るがいい。出来るのならね。圧倒的な兵力差で、あっという間に、壊滅させてやろう」
おそらく、
もうすぐ、こう言ってくるだろう。
もう数年以内に、中華人民共和国政府は、日本政府に対し、
「尖閣諸島などの割譲要求」をするのではなかろうか?
(先掲の『中国は日本を併合する』ではないが、併合要求もあり得るかもしれない)
ただ、ここに書き残しておくこととしては、
「尖閣諸島」については、
「今、2010年、軍事的に日本のエリアである」
歴史的にも、「尖閣も沖縄も、歴代中国王朝の直接支配下にはない」ということに、もはや議論の余地などない。
ここまでの話に加えて、このブログでは、以下のような歴史性・正当性も指摘しておく。
平松茂雄『中国は日本を併合する』2006年講談社インターナショナル
において、引用・指摘してある、「中華人民共和国の言い分」、
「過去に支配した地域は「中国の領土」」
「今日の中国、・・・中華人民共和国の・・・国境線は、・・・、弱体化していた清朝政府に対して強力な帝国主義諸国が押し付けた「不平等条約」の産物であるから・・・」
「アヘン戦争を契機とする帝国主義列強の中国領土の収奪、さらには中国の領土・版図とは過去において支配が及んでいた地域であるという考え方が厳然としてあり、その認識によって一種の「失地回復主義」ともいうべき、それらの地域を取り戻すという考え方が導き出されているのである」
↑
これらは全て、「ひとつの前提」に依拠している。
↓
「中華人民共和国は、清朝の正統なる後継者である」
このブログにおいて、私は、
「中華人民共和国は、清朝の正統なる後継者である」
という前提を否定している。
このブログは、以下のような前提に立っている。
「中華人民共和国は、清朝の正統なる後継者ではない」
すべての人に問いたい。
「清朝の正統性について、一度でも考えたことはあるか?」と。
いや、もっとわかりやすくいえば、
「元朝の正統性は何か?」
もっともっと広い言い方をしてみよう。
「回部地域での、正統性は何か?」
さらに西に目を向けてみても、
「権力集団に共通する、普遍的な正統性は何か?」
もっともっと古代から共通することとしては、
「古来から、最強の権力者の集団とは、ある共通する様態をしているのだけれど、それはどのようなものか?」
ということ。
ただ、そこまで話を広げるより遥かに手前のこととして、
「中華人民共和国は、清朝の正統なる後継者ではない」
ということは、明らかにしておきたい。
もはや、中国軍の戦力は、日本の自衛隊のそれを遥かに凌駕するところに至りつつある。
奴らは、そろそろ、言い出すことだろう。
「領土問題について、話合いで解決するつもりなどない。軍事力を行使して、占領する。守りたいなら、どうぞ守るがいい。出来るのならね。圧倒的な兵力差で、あっという間に、壊滅させてやろう」と。
そうなれば、日本政府は蹂躙される以外にないかもしれない。
だが、我々も言い出すだろう。
「中華人民共和国は、清朝の正統なる後継者ではない」と。