
先日、当ブログに次に購入するクルマの条件ということで、「4WD車であること」、「広いラゲッジスペースがあること」、「願わくばディーゼルエンジン車」ということを書きました。
で、この条件に合致するクルマといえば…、そう、ハイエースです。4WDやディーゼルの設定はもちろんあるし、何よりラゲッジスペースの広さは他車を圧倒します。うーん、これは気になる。
ということで、近所のトヨタレンタカーで、ハイエースディーゼルを借りて試乗してみることにしました。
借りたのがこちらのクルマ。
9人乗りのバンDXです。借りる時にレンタカー屋のお姉さんに「お引越しか何かですか?」と聞かれ、「いいえ、試乗です」と答えたところ、ポカンとされてしまいました。
「試乗第1部」は、家族全員で三崎までドライブです。
奥さんを助手席に、子どもを後ろのシートに座らせて、自宅を出発します。しかし、のっけから奥さんの機嫌がよろしくありません。
まず、乗り込む時に乗りづらい、どうやって乗ればいいのか分からないとクレーム、そして走り出すと、ポンポンと跳ねる乗り心地に閉口…。
まあ、確かに、乗り心地は乗用車とは比べるべくもありません。とにかく上下動が激しく、常にシェイクされている感じです。この乗り心地は、さすがにファミリーカーとして使うにはかなり気になります。
後ろのシートに座っている子どもは、最初こそケタケタと笑いながら「何コレー、面白い!」とシートの上で上下に揺すられていましたが、すぐに「コレ、酔いそう…」と現実的な感想を漏らしていました。
インテリアはバンですから、至ってシンプルです。しかし、カーナビにエアコン、ETC、パワーウインドウと、およそ必要と思われる装備は一通りそろっています。装備面は、豪華とは言えませんが、不便を感じることは決してありませんでした。
また、視点が非常に高く、見晴らしがいいのはとても気に入りました。デリカD:5よりもさらにアイポイントが高く、且つ自分の前にボンネットやらダッシュボードやらが広がっていないので、とにかく前がよく見えます。これはホントに気持ちいいですね。
ステアリングホイールがワンボックス車にしては比較的起きているので、ドライビングポジションが自然な姿勢で取れるのも良いところです。
ただ、ブレーキペダルが小さく、「左足ブレーキ」ができないのはマイナスです(私はAT車に乗る時は、基本的にブレーキペダルは左足で踏むので)。まあこれはステアリングシャフトが通る都合上、ワンボックス車では仕方ない点ではありますが。
自宅を出てしばらく行くと、一般道から高速(第三京浜~横浜横須賀道路)へと入っていきます。
ここで感心したのがハイエースの直進性の高さと安定感です。
この手のワンボックスバンは、これまでに何車種か乗ったことがありますが、いずれのクルマも、高速走行はからきし苦手でした。横風や路面のわだちの影響を受けやすく、右に左にフラフラと振られてしまいます。そのため、ハンドルをしっかり持って常に修正舵を当てていかなければなりませんでした。
ところがこのハイエースときたら、修正舵などほとんど必要ありません。とにかく高速道路をまっすぐ綺麗に走ってくれるのです。途中、吹き流しが真横を向いている橋の上にさしかかりましたが、この時も進路を乱されることはありませんでした。
というように、高速道路での安定感は非常に高く、下手な乗用車よりよっぽといいんじゃないかとさえ思えるほどでした。
あまりの安定性の高さに「これって、まさか…」と思い、途中のPAに休憩で立ち寄った際に、ハンドルを目いっぱい切って駐車してみました。そしてクルマを下りてホイールハウスを覗き込んでみると、やっぱりありました。前輪にドライブシャフトが付いています。
そう、このハイエース、4WDだったのです。今回の試乗では「ディーゼルのハイエース」の乗り味を試してみるつもりでしたが、期せずして4WDの条件も満たすクルマを借りることができてしまいました。4WD狙いの私にとっては、これはラッキーでした。
また、直進性、安定性の高さもさることながら、意外にハンドリングもいいのです。コーナーではステアリング操作だけでなく、アクセルとも連携させながら曲がり具合をコントロールしていくことが可能なのです。
よく首都高あたりで、ペースの速い乗用車と一緒になってカッ飛んでいるハイエースを見かけることがあります。これまでは「あんな重心の高そうなクルマで、なんて無謀なヤツなんだ…」と眉をひそめていましたが、実はそんなに無謀でもなかったのかも…。
ラゲッジルームは他のどんなクルマよりも広いです。
「ワイド幅のスーパーロングなんて良さそうだナ」なんて思っていましたが、標準サイズのこのハイエースでも、十分すぎる広さです。
ハイエースの良い点のひとつがこれ。後方視界の良さです。
昨今のクルマは後方視界が悪く、バックモニター必須のクルマが増えています(デリカD:5もそう)。しかしハイエースはガラス面積が広く、バックする時はバックモニターに頼るよりも、後ろを振り返って見るほうが断然周囲の確認がしやすいです。
今回借りたハイエースは9人乗り仕様。小さなリアシートが2脚、装備されていました。
また、スライドドアの開口部が大きいのも良いですね。荷物の出し入れでも、人の乗り降りでも、開口部が広いほうがやりやすいのは言うまでもありません。
奥さんは試乗を終えて自宅に帰ってからも「ハイエースはないな」と言っていました。が、そんな奥さんが唯一気に入っていたのが、横並びで3人座れるフロントシートです。子どもを真ん中に乗せていると、会話がしやすく、3人でわいわいとおしゃべりしながらドライブできるのはいいネと言っていました。
…でも、私が買おうとしているスーパーGLは、フロントは2人乗りなんですが…。
さて、「試乗第2部」は私ひとりで、さらに乗り回してきました。
ここからは、肝心のディーゼルエンジンの感想を書いて見たいと思います。
ハイエースのディーゼルエンジンは3リッター、144ps/30.6kgmというスペック。以前乗っていたスペースギアのディーゼルと似たような数値ですが、乗った印象ではハイエースのほうが圧倒的に力強く、そして速い印象です。ゼロ発進は、ディーゼルらしいトルクの厚みが感じられ、アクセルをわずかに開けただけで後ろをグイッと押し出してくれるように加速します。このあたり、昨今のクリーンディーゼル搭載の乗用車とはちょっと違ったフィーリングです。
中間加速もなかなか速く、巡航中にちょっと加速したいなというような場面でも、全くもたつくことなく速度を上乗せすることができます。
ちなみに、トップスピードってどのぐらい伸びるのかな…という素朴な疑問のもと、ちょっとだけ試してみましたが、かなり出ます。スペースギアの最高速よりも軽く20km/h以上は上回りそうな勢いでした(汗)。
最後に燃費ですが、トータル317.4km走って、給油量はジャスト30.0リットルでした。ということで、今回の試乗での燃費は
10.58km/lでした。なお試乗ルートは、2割が渋滞を含む昼間の一般道、6割が流れの良い高速道路、残り2割が流れの良い夜間の一般国道といった内容でした。
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試乗 | クルマ
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2014/09/09 01:46:37