ようやく、念願かなってロードスターの試乗をすることができました。
関東マツダで実施している「Try! 1日試乗キャンペーン」でロードスターを体験してきましたので、今回はその感想などを書いてみたいと思います。
かねてより、このキャンペーンを利用してロードスターに乗ってみたい!!、と強く思っていましたが、私の住む地域のディーラーでは試乗車の用意が少ないのか、いつも予約がいっぱいでなかなか借りることができませんでした。このままではいつまでたっても試乗できそうもなかったので、予約枠に比較的余裕のある北関東エリアのお店まで含めて検索してみることに。すると、私の仕事が休みの日にちょうど空いているロードスターの試乗車を、群馬県は桐生のディーラーで見つけることができました。
今回の試乗車は「ロードスター Sスペシャルパッケージ」です。グレード的には下から2番目となるモデルですが、値段と装備のバランスを考えると最も売れ筋となりそうなグレードです。
ディーラーを出発した私は、国道122号線を北上、日光方面へとクルマを走らせます。もちろん、ソフトトップはお店を出発して一つ目の信号待ちで開けてしまいました。あいにくの曇り空ですが、やはりオープントップのクルマを駆ってのドライブは気持ちのいいものです。
途中、草木湖を横目に見ながら快調に走り、お昼ごろにはいろは坂の入り口まで到着しました。
平日ということもあって、日中でもいろは坂は交通量もまばら。ということで、多少ハイペースな走り方をしながらいろは坂をかけ上っていくとあっという間に中禅寺湖に。
いろは坂を走りながら印象的だったのが、新型NDロードスターのハンドリングは、これまでのマツダ車とはちょっと違う味付けがされているように感じられたことです。
マツダのFR車というと、RX-7(FD)やRX-8、NB・NC型のロードスターなどに乗ったことがありますが、これらのクルマの全てに共通していたのが、「舵の効きが恐ろしくいい」ということです。コーナー入り口でフロント側に荷重移動しつつステアリングを切り込んでいくと、アンダーステアとは無縁だと言わんばかりにグイグイと曲がっていくのが特徴的でした。また、旋回中にアクセルを抜くと強烈なタックインが出るようなところは、まるで前荷重の大きいFF車のようでもありました。
というようなハンドリングですから、ともすると「曲がり過ぎ」てしまうような車種もあり、上級者にしか扱えないという評価を下されるようなクルマもありました。しかし、基本的にはドライバーの意思に忠実でよく曲がるスポーティなハンドリングがマツダFR車の持ち味でした。
ところが、このND型ロードスターは従来のマツダFR車に比べると、いくぶん常識的なハンドリングに修正されているように感じました。もちろん、マツダ車らしく「良く曲がる」ことには間違いなく、ブレーキを残しながらコーナーに入っていくことでテールスライドを誘発させるようなことも可能です。しかし同時に、安定性の高さ、コントロール性の高さも持ち合わせており、妙な緊張感を強いられることなくステアリングを握っていられるようになったと感じました。
また、今どきのクルマらしく横滑り防止機能(DSC)も当たり前のように付いていますが、多少のテールスライドは許容する設定になっているので、DSCオンのままでもスポーツドライビング時に興を削がれるようなこともありません。
エンジンはロードスター史上最少となる1.5リットルの排気量で、決して「速い」とは思いませんでしたが、逆に「力不足」を感じることもありませんでした。
実は、試乗前に一番気になっていたのがこのエンジンでした。1トン弱の軽量ボディとはいえ、たかだかNA1.5リットル・131psのパワーユニットで、果たして満足できる走りが実現できるのか?と疑問に思っていました。
もちろん、ターボ車のようにパンチがあるわけではありません。しかし下から上まで繊細に回り、回転の上昇に比例するように力強さを増していくナチュラルなフィールは、改めてNAエンジンの良さを見直したほどでした。サーキットなどで絶対的な速さを求めていくとストレスもたまってくるかもしれませんが、公道を気持ちよく走るという点では不満は全くありませんでした。
中禅寺湖のほとりで小休止後、国道120号線を金精峠目指して登っていきます。写真は金精峠トンネル手前の展望所にて。
ロードスターの乗り心地ですが、基本的には固めの足が与えられていますが、同時にしなやかさも持ち合わせており、ゴツゴツとした不快感とは無縁です。街中をタウンスピードで乗るような時でも、路面の凹凸による突き上げや微振動に悩まされるようなこともありません。
ですから、山道をハイスピードで駆け抜けるような走り方でも、景色を楽しみながらゆったり流すような時でも、ロードスターの持ち味を存分に楽しむことができるはずです。飛ばして良し、流して良しのバランスの高さもロードスターの魅力といえるでしょう。
初代や二代目までは、ちょっと窮屈なロードスターのコクピットでしたが、3代目からはだいぶ改善され、この4代目も狭苦しく感じるようなことはありませんでした。
最近多く見られるようになってきた、とってつけたようなカーナビモニターですが、視界の妨げになるようなことはなく、操作性も良好。
また、シートが多少リクライニングさせることができるのは、ドライブの休憩時に助かりました。
ソフトトップの開閉は手動式ながら、至って簡単に開閉が可能。下手な電動式よりも、よっぽど素早く手軽に開けられます。
手順としてはまず、ルーフ前端にあるレバーを引き起こしてロックを解除します。
ロックを解除したら、レバーを持った左手をそのまま後ろのほうに持っていけばあっという間にオープンスタイルに。折りたたんで収納されたルーフ部分を最後に少し押し込んでやれば、パチンとロックがかかって作業終了。慣れればここまで5秒程度でできるはず。
反対に閉める時は、まず写真のレバーを持ち上げます。するとソフトトップ収納のロックがパコンと解除されてルーフが浮き上がります。あとはルーフをぐいっと持ち上げて、ルーフのフックをフロントウインドウ上のストライカーに引っ掛けてロックしてやればOK。アシストスプリングが組み込まれているおかげで、ソフトトップは片手だけで軽く持ち上がります。
また、屋根を開閉する際は、ソフトトップのロックを解除するとサイドウインドゥが自動的に数センチ下がって、より開閉しやすくなる機能もついています。
ちょっと重箱の隅をつつくような些細なことですが、このオルガン式のアクセルペダルは若干ヒールアンドトゥがしにくいように感じました(ロードスターに限らず、オルガン式ペダルではまれにあることですが)。
ヒールアンドトゥは、ブレーキを踏みながらシフトダウンの回転合わせのために右足をひねってかかとでアクセルを踏み込むわけですが、この時に右足のひねりが少ないと、かかとでアクセルペダルの根元付近を押すような形になります。つまり、アクセルペダルの支点に近い部分を踏むことになるわけです。
吊り下げ式のぺダルだと、逆に支点から最も遠い場所を踏むことになるため、十分にアクセルを開けることができますが、ロードスターのオルガン式ペダルではうまく回転を上げられないことがありました。
しかしこれは、右足を意識的に大きくひねるようにして、アクセルペダルの先端付近を踏んでやるようにすれば解決しました。
この日は、国道122号~日光いろは坂~中禅寺湖~国道120号~金精峠~片品村~上毛三山パノラマ街道~赤城山・大沼というルートで群馬県と栃木県にまたがるエリアを一回りすることができました。
なお、総走行距離は211.6km、試乗車の返却時に給油した量は13.28リットルでしたので、トータル燃費は15.93km/lということになります(メーター内の燃費計では15.2km/l)。
全て下道のみ、しかも途中はいろは坂や赤城道路といった、アクセルを踏み込みがちになるようなワインディングロードを多く選んでのドライブだったにもかかわらず、この燃費はなかなか良好な数字と言えるのではないでしょうか。
以前、アルトワークスに乗った時にも感じましたが、ロードスターに乗って改めて思い知らされたのが「マニュアルミッション車の楽しさ」です。クラッチを切ってシフトレバーを操作し、回転を合わせてクラッチを繋ぐという一連の動作がスムーズになされ、歯切れよく綺麗にギアチェンジできた時の気持ちよさは、格別のものがあります。
効率だけで言ったら、良くできた最新の多段式トルコンATやツインクラッチ車のほうが優れているのでしょう。しかし、たとえそれらのATにマニュアルモードがついていたとしても、シフト操作で得られる気持ちよさ、満足感はMT車には全く敵いません。
これ一台で何でも、というわけにはいきませんが、通勤用件買い物用のセカンドカーとしての役割も与えてやれば、ロードスターは十分あり得る選択肢だと思いました。
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