このトンネルはそもそも、戦後になって山林を開拓して水田を開墾した際に、その農業用水を山向こうの百瀬川から導水するために掘られた水路と、それに併設された人道用の通路が始まりとなっています。その後、自動車も通れるサイズに拡幅されて、現在の姿になっていますが、さらにその後の道路整備で二車線幅の立派な新トンネルがすぐ横に作られ、いつしかこちらは使われなくなってしまった、という経緯を持っています。
廃トンネルとはいっても、入り口は特にバリケードなどによる封鎖はされておらず(進入禁止の注意書きは出ていますが・・・)、ちょうど乗用車一台が通れる幅があるため、入ろうと思えばクルマでも進入できてしまいます。入り口付近の壁が崩れていますが、デリカだったらこれを踏み越えていくことも容易に思えます。とはいえ、やはり進入禁止を明示された場所にクルマで入り込むのはさすがにどうかと思われたので、徒歩で少しだけ入る程度にとどめておきました。
ただ、この15分後にはこれが「正解」だったと思い知らされることになるのですが・・・。
楢尾トンネルの反対側(東側)にやってきました。こちら側はガードパイプによるバリケードが設置されていました。土台がコンクリートブロック塊になっているので、ひとりではとても動かせそうにありません。もしあのままデリカで西口から進入してしまっていたら、暗くて狭いトンネルを延々800メートルもバックするはめになるところでした(汗)。
正面から。普通に撮ったトンネル正面の写真ですが、何か違和感を覚えませんか?
ちょっと高い位置から見下ろしているように見えますが、地面に立って目線の高さで撮影したのがこの写真です。高さは一番高いところで約2メートルぐらい、斜めの湾曲したところは少し屈むようにしないと頭が天井にぶつかってしまいます。
また、足元は泥と水でグチャグチャです。
トンネルはこの先もまだしばらく続いているようでしたが、このあたりで引き返すことにしました。
「ある出来事」で、3時間ほど山中に足止めをくらってしまいましたが、牛岳林道を再び引き返し国道471号に戻り、今度は秘境(!?)利賀村を目指します。庄川をはさんで右岸側に471号、対岸の左岸側に国道156号線がしばらくの間並行するように進んでいきます。
しかしこうして見ると、156号線のほうは延々とシェッドが続くフルカバードで、落石・雪崩への備えは万全です。実はイチコロと呼ばれた酷道もそれは昔の話で、現在ではバイパス整備が進み、大型車でも問題なく走れる快走路となっています。普通に現在の156号線をたどるだけでは、あまり「酷道」感は得られないかもしれません。
・・・どうでもいいけど、156号の上にも怪しい道が見えるなぁ。
対岸に見える完全防御のイチコロ国道よりも、どちらかというと471号のほうがイチコロ感は高いです。切り立ったような場所に一応2車線分の幅で道路が通されていますが、ところどころかなり狭く屈曲していたり、ガードレールがなく、写真のようなコンクリート製の低い駒止程度のものしか設置されていなかったりで、酷道度合いではこちらのほうが断然高いレベル(?)にあるといえるでしょう。
視界が開けた場所から利賀川の谷を臨むと、そこには谷からかなり高いところを山の奥深くへと進んでいく国道471号線の姿がくっきりと見てとれます。行政センターや小中学校のある利賀の中心地ともいえる地区は、さらに回りこんだ山の裏側にあるのですが、こんなところ(失礼)に本当にそんな人の営みがあるのだろうかと疑ってしまうような景色です。
ところで、この471号線は完全な尾根道ではないのですが、山のだいぶ高いところを通っているせいか空が近くに感じられ、また視界をさえぎる高い木が少なくて遠くまで良好な景色が見通せるため、ドライブにはうってつけの気持ちの良いルートです。まさに「天空へ続く道」とでも形容したくなるような、そんな清々しい「酷道」です。
そしてこの橋のすぐ近くには2つの「見どころ」が・・・。
とやまの名水「脇谷の水」の水汲み場が。
ただ、471号線沿いにはいくつもの沢が見られて、そのどれもが透き通ったきれいな水を流れ落としていたので、特別ここでなくても良いのでは・・・、という気もしないではありませんでしたが。
この時すでにお昼を過ぎていたので、ここで昼食でも食べていこうと予定していたのですが、道の駅にある唯一の店舗らしき「いっぷく茶屋」は閉店中。どうやら道の駅移転準備のため、4月から営業を中止しているようです。どうりで、土曜日の昼だというのに、道の駅には誰一人いないわけです。
なお、道の駅の片隅に、ここが海抜533メートルであることを示す看板が出ていました。周囲の景色やここに至るまでの道のりから、もっと高い場所に来たように感じていましたが、実際の標高はそれほどでもないようです。
付け替え道路やダム湖にかかる橋など、いかにもダム建設地といった風景が広がっていました。
利賀ダムは、民主党政権時代に一時建設が凍結されていたようですが、どうやら「継続」の決定がなされたようです。ただ、谷底に数機の重機が動いているだけで、八ツ場ダムのように大規模にガチャンコガチャンコやっている感じはありませんでした。完成にはまだだいぶ時間がかかりそうです。
そして、ついに目指す利賀の町並みが利賀川の谷を一跨ぎにする湖面橋の左上の斜面に見えてきました!
利賀中心部ではいくつかのトンネルたちと遭遇してきました。
続きは次回。
今回の富山・岐阜ドライブでは、「156号線と並行する庄川のダム(小牧ダム~御母衣ダム)を巡ること」「秘境と名高い利賀村及びその周辺のB級スポットを訪れること」が二大テーマで、さらに時間が許せば156号線沿いにある五箇山や白川郷といった観光地にも行ってみたいと思っています。これらを丸二日かけて回る予定にしています。
というわけで、前回のブログでは国道156号を巡るドライブ・・・、なんて書いていましたが、利賀方面に向かうため、早くも156号を外れて、今度は471号線へと進みます。これから目指すは、「牛岳林道」とそこに穿たれた「牛岳トンネル」です。
牛岳トンネルは、林道のトンネルとしてはかなり長く、地図読みで1キロほどもありそうです。林道でありながらも、それが集落同士を繋ぐ地域の幹線として使われているようなケースでは、比較的高規格な道になっていることがあります。しかしながら牛岳林道に関しては、地図を見ても周囲にはそれほど大きな集落は見当たりませんし、目立った観光地のようなものもなさそうです。正直なところ、あまり利用価値が高い林道であるようにはとても思えません。にもかかわらず、どうしてこんな山奥の林道に、1kmにも及ぶ長大なトンネルがあるのか非常に不思議に思っていたので、今回のドライブで見に行くことにしてみました。
国道471号線を利賀方面に向かう途中に牛岳林道(正確には林道 牛岳線)の分岐があります。道は舗装されているので普通の乗用車でも十分に走れそうです。
どうやらこちら側が林道の終点となるようです。後ろの案内図によると、牛岳林道の全長は4.6km、牛岳トンネルの長さは1.145km(!)だということが判明。
序盤はこんな感じ。路肩には前日に降った雪が残っています。一応、クルマが通ったような跡はありますが、路面には落ち葉や木の枝が散乱していて、あまり手入れはされていないような印象です。
こんな大きな落石が路上に放置されたままになっています。何やら赤いテープが貼ってありますが、道路管理者によるものでしょうか?
道はきつい上り坂が続いており、ぐんぐんと標高を上げていきます。ちょっとイヤな予感も・・・。
その予感どおり、やはり上のほうは雪が残っているようです。路肩だけでなく、路面にもだいぶ雪が残っています。スタッドレスタイヤにしてきたのは正解でした!
ほどなく、完全に路面のアスファルトは雪に埋もれて見えなくなってしまいました。しかしここに来てもまだ先行車のわだちが続いています。ひと気の全くない林道で、これは心強い!
ついに到着! 牛岳トンネルの西側坑口です。坑口前には、湯田谷川を渡る「湯田谷川橋」が架かっています。
幸いなことに、どうやら通行止めにはなっていないようです。
トンネル前には、こんな立派な展望台と東屋が。ちょっと行ってみます。
展望台の中はこんな感じです。四角いコンクリートの無機質な階段をぐるぐる回りながら上っていくのですが、周りにひと気が全くないせいか、なんだかちょっと気味が悪いです。角を曲がった瞬間に何か得体の知れない何かが出てくるのではないかという漠然とした気持ち悪さと、野生の大型獣(クマちゃんですね)が息を潜めているのではないかという現実的な恐怖が襲ってきます。
そんな気持ち悪さを振り払って展望台のてっぺんまで上ってみると、眼下に砺波平野を一望することができました。砺波平野といえば散居村で有名ですが、こうして上から見るとその様子がよく分かります。
わだちの跡を見ると、先行車はどうやらこの橋とトンネルを越えずにここでUターンして戻ったようです。橋の上にはわだちがなく、きれいな雪が降り積もったままになっています。
いざ、ファーストトラックを刻まん!!
牛岳トンネルをくぐって、東口に出ました。こちらもクルマのわだちは一切なく、積雪後に反対側から上ってきたクルマも全くないようでした。
本当に、どうしてこんな人も多く寄り付かないような山奥に、わざわざこんな長いトンネルを掘ったのでしょうか? ネットでもほとんど情報がなく、ご存知の方がいればぜひ教えていただきたいと思います。
さて、前回の記事でも書いた「ある出来事」がこの後起こります。そしてそれにより、今回のドライブの予定は大幅に変更を余儀なくされ、この日の夕方には自宅への帰路につくことになりますが、それについては今回のドライブに関するすべての記事を書き終えた後に書いてみようと思っています・・・。
私がスノースクートでいつもお世話になっているのが、富山市内にあるスクートのプロショップ「トゥーレイト」さんです。今年もシーズンイン前のメンテナンスをお願いしていましたが、整備の完了したマイスクートを引き取った帰り道、少し寄り道をして帰ることにしました。
実はこの道中、人生初となる、ある「出来事」(本当はあまり遭遇したくないようなことなのですが・・・)にも出くわしたりしました。今回は、その話も交えながら、何回かに分けてその道中の様子をブログに記していこうと思います。
トゥーレイトさんからスクートを引き取った私は、当日の車中泊場所となる、国道156号線沿いにある「道の駅・庄川」を目指しました。富山市内からは南西方向に30キロほど離れた場所にあり、クルマでの移動は1時間ほどかかりました。
国道156号線はかつて、庄川の急峻な谷合いを、あまりにも狭隘で危険な道路で抜けていたことから、その路線名「156」にかけて、「イチコロ(事故を起こして谷に落ちれば、即、死につながる)」と揶揄された「酷道」です。そして「道の駅・庄川」は、そんな国道156号線が、ゆるやかに広がる砺波平野に別れを告げ、いよいよ目の前にそびえる急峻な山に取り付いて、「国道」が「酷道」に転落していく、まさにその入り口に位置しています。
今回の私のドライブは、この156号線をメインルートとしてたどりながら、その周囲に広がる見どころを巡るということがテーマでしたので、朝一から「酷道」とその周囲の雰囲気を存分に、余すことなく味わうことができるという意味で、道の駅庄川は今回の車中泊に最適な場所だったと思います。
湖面に伸びているスロープはかつて、庄川で行われていた木流し(上流で伐採した木材を川に流す運搬方法)が継続できるよう設けられた、木材運搬施設の跡です。
♠警告灯点灯【ウインカーハイフラ現象】 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/06/15 06:25:47 |
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