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2013年11月28日

FF車の走らせ方(秘伝書解読版)第1部 基礎編

FF車の走らせ方(秘伝書解読版)第1部 基礎編 K校長より解読せよとの命を受けて託された秘伝書
原本は物理学的見地からFF車のコーナリング手法を
解説したもので内容は論理的で理解しやすいのですが
ボリュウムが半端ではないので私なりに消化し、
要約した内容で記述していく事にしました
(出来るだけ専門用語も使わないように)
出来る限り原本の趣旨を忠実に記載するつもりですが、
不備があれば都度修正加筆していこうと思っておりますので
悪しからず。




基礎編、理論編、実技編の3部構成とする予定です。



では、早速。
 
第1部基礎編です。

最初に、目的から順に掘り下げていく事にします。

目的はサーキットを速く走る事
 
ではどうすれば速く走れるのか?

それは、0.001秒でも長い時間アクセルを全開にしておく事に尽きます。

その為の方策を考えて行きましょう。

サーキットには当然カーブ(コーナー)があるのでそこを素早くクリアしないといけませんが、車にはジェットコースターの様な軌道が無く、平坦な路面とタイヤの接地面の摩擦(グリップ力)のみで繋がっています。
 
コーナーでは、遠心力に逆らうタイヤのグリップ力の物理限界を越えるとコースアウトしてしまう為、遠心力を軽減するためせっかくのスピードをブレーキングで減速せざるを得ません。
 
コーナー手前で素早く必要な速度まで減速し、素早くコーナーをクリアし、素早くアクセル全開に持込む必要があります。

さあ、ここで課題が3つ見えてきました。
 
①コーナー手前で素早く必要な速度まで減速する(ブレーキング)
②素早くコーナーをクリアする(ターン)
③素早くアクセル全開に持込む(立ち上がり加速)

この①から③の繰り返しをコース全体として組み立てて行けばベストラップが引き出せる訳です。

では、更にこの3つの課題を精査して行く事にします。

①②③の中で一番重要な物は何でしょうか?

・・・・・・・・。
 
 

そうです。
 
③です。

③をいかに早いタイミングで行えるかがタイムに影響してきます。
その為に②があり、②を実現するために①があると考えられます。

前置きが長くなってしまいましたが、③を達成するための②と①を考えて行く事にしましょう。

おっと、その前に、もう2つだけ知っておく必要がありました。

一つは、タイヤの事。
もう一つはF/F車の事。

これを理解しないと次に進めません。

 

タイヤとは?

車と路面と繋いでいる唯一のものです。

前に進むのも、曲がるのもタイヤのおかげ。
それほど重要なアイテムです。

タイヤの特性全てを語ると終わらないのでここではグリップ力に限定して進めて行きます。

タイヤには、前進後退 加減速時に発生する縦のグリップと曲がる時に使う横のグリップが有ります。

解説の為の単純化モデルとして、仮に、縦横それぞれ100のグリップ力が有ったとします。

そこで問題です。
このタイヤが斜め45°前方向に進んだ場合グリップ力はどうなるでしょう?


・・・・・・・・。



 

答えは50+50=100です。

つまり、縦横それぞれのグリップ力が半分になってしまうという事です。

縦100+横100=200にはなりません。

解りやすく例えると、ブレーキングに縦グリップの100%を使っている時にステアリングを切って横グリップが必要になった場合、使える横グリップは0%という事です。

また、このような状況で、ABSが作動中にステアリング操作が出来るのは、一瞬ブレーキ(縦グリップ)を解放して横グリップの領域を確保する事で曲がる事を可能にしたため。

この特性は重要です。覚えておいてください。

もう一つ重要なポイントがあります。
タイヤにグリップ力を発揮させるためには、しっかり路面に押し付けて摩擦係数を高めてやる必要があります。 
これが「荷重をかける」という事です。
「荷重」については後の理論編で解説する予定です。
 
 
 
次に、
 
FF車とは?
 
ご存じのようにフロントエンジン/フロントドライブの車です。
 
ここで特徴的なのはフロントドライブという事。
前輪2輪で操舵と駆動を受け持っており、後輪2輪は転がっているだけの機構です。

察しのいい方は何故前にタイヤの話を持ち出したのかピンと来られたかと思います。
ピンと来なかった方は「タイヤとは?」を読み返してみてください。

そうです。
F/Fはフロントタイヤだけで操舵(横グリップ)と駆動(縦グリップ)を受け持っているという事。
 
しかも、エンジンとミッションがフロントにあり、重量物が集中しているため、減速時の荷重は殆どフロントタイヤが受け持つことになります。
FF車のブレーキディスクの前後を見比べてみると解るように、リアブレーキが貧弱ですよね。
減速時の縦グリップもフロントタイヤがフルに使う事になる訳です。

タイヤにとっては非常に過酷な構造です。

FF車はアンダーが強いと言われる所以がここにあります。
又、加速時は荷重が転がっているだけのリアに移るため、駆動輪である前輪の荷重が抜けてしまいパワーが路面に伝わりにくくなってしまいます。
FF車に大パワー車が無いのはこれが理由。
いくらパワーがあっても伝わらないのであれば宝の持ち腐れって事です。

とは言え、良い事も有ります。
 
アンダー傾向という事は裏を返せば安定方向にあり、スピンしにくい構造だという事です。
一般的に雪道ではFFが有利と言われる理由の一つです。 

仮にリアタイヤが外に流れ、スピン挙動に入っても加速する事でリアタイヤに荷重をかけてグリップさせスピンを止める事が出来ます。

次の理論編ではこの特性を利用して走る方法を考察して行くことにします。


   
                                                  つづく
 
 
  第2部 理論編①
 
  第2部 理論編②

  第3部 実技編
 

ブログ一覧 | サーキット」(秘伝書) | クルマ
Posted at 2013/11/28 12:45:44

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シュールさん

この記事へのコメント

2013年11月28日 13:20
わかりやすい!
コメントへの返答
2013年11月28日 15:14
ありがとうございます~
2013年11月28日 16:58
分かりやすいご教授ありがとうございます
(^_-)
コメントへの返答
2013年11月28日 18:22
これからが難しい・・・w

2013年11月28日 17:50

勉強に なります。

次回 講義 待ってます。
コメントへの返答
2013年11月28日 18:24
ありがとうございます。

理論編執筆中ですが、悪戦苦闘しておりますw

2013年11月28日 22:10
いわゆる摩擦円の説明、分かりやすいです(^^)

FFってスパッとリアが流れるとリカバリー難しいんですよね~早くて(^^;)

最近はCPまでブレーキ残さない欧州スタイルがトレンドみたいですし、ドライビング理論は奥深いですよね(^^)
コメントへの返答
2013年11月28日 22:43
ありがとうございます。

スピン挙動のリカバリーについては
実際流れてからでは間に合わないですね。
このあたりも次回解説しようと思っていました。

そうですね。
ドライビングスタイルは人それぞれですので
正解は無いと思っています。

今回は、私も含めて、これからサーキットを走ろうとする人や、ステップアップしようと考えている人のヒントになればと思っています。


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