
長らく間が空いてしまいましたが
12時間耐久レースも近づいてきたので
FF車の走らせ方(秘伝書解読版)第2部 理論編②を
掲載します。
実は、理論編②を記述するにあたって自分が理解して初めて記述する事が出来る訳ですが、内容が実践できず記述できない状態でした。
決して忘れて放置していたわけではございませんので(^^ゞ
前回の理論編①では、コーナーへの進入について記述しました。
今回の理論編②では、中間から出口に至るところを記述します。
さて、前回少し、ブレーキングについて触れましたが、今回はもう少し実戦的なブレーキングから入っていこうと思います。
基本的なブレーキの掛け方はご存じのように、初期に強く踏んで一気に慣性を殺し、後半で踏力コントロールするのですが、状況によってさまざまなブレーキングがあることをこの半年間、実戦で教わりました。
又、荷重移動から操舵への流れについても①では基本的な考え方を記述しましたが②ではより実戦的な流れを記述していくことにします。
サーキットの場合のブレーキはほとんどが止まるためのブレーキではなく、曲がるためのブレーキだと思います。
止まるのはピットロードに入った時だけですからね。
良くコーナーに入る時のブレーキは、「曲がれる速度まで落とすのが目的」と言いますが、「曲がれる速度」というのは、ブレーキを離した位置での車の姿勢、つまり回転量(ヨー)で大きく変わるはずです。
その時に、車がしっかりコーナーの方向に向いているか、或いはまだ真っ直ぐ向いているのか、によって「曲がれる速度」が全く違うからです。
例えば、姿勢が作れていなければ、80Km/hまで落とす必要があるコーナーでも、最適な姿勢が作れていれば、100Km/hまで落とすだけで曲がれる事があるわけです。
つまりコーナーに入る時のブレーキングでは、「曲がれる速度まで落とす」事と、「曲がれる量まで車体を回転させる」事の、二つが出来なければなりません。
※ ①では混乱するので分けて解説していました。
車を速く走らせると言う事は、物理的には「車の運動エネルギーを大きくする」と言うことです。
そして車の運動エネルギーを高めるには、エンジンによる加速力を使うか、車体の慣性を使うかの2種類しかありませんが、FF車の場合はパワーに頼ることが出来ないので、「車体の慣性」のエネルギーを使ったコーナリングがしたい訳です。
つまり、「出来る限りスピードを落とさずにコーナーに入る」と言う事ですね。
慣性を使って走らせる時に重要な事は、コース内でしっかりとラインに乗せられるように、車の向きを変えられる技術です。
慣性を生かすためにコーナーに速く進入しても、この技術が無いと当然思うように曲がれません。
よって、大きな慣性を生かしつつ、曲げる技術、ラインを変える技術が必要となる訳です。
特にFF車においては、リアタイヤを全く滑らさずに、この大きな「慣性」を殺さずに曲げたり、ラインを変える事は困難です。
FF車は特性上、速いスピードでコーナーに進入してアクセルを踏むと、リアタイヤのグリップはタップリ余っているのに、フロントタイヤのグリップがすぐに一杯一杯になってしまいます。
高速でコーナーに入ると、確実に重たいフロントが外に膨らんで、アクセルなんて踏めません。
前輪が駆動しているのでアクセルを少しでも踏めば、リアタイヤに対してフロントタイヤの横グリップが負けるので、余計にフロントが外に膨らみます。
ここで、強引に曲がろうとハンドルを切り足すと、いわゆる「手アンダー」という状況に陥ります(泣)
結局FF車でのコーナリングは、スピードが落ちて車体の向きが舵を切った、行きたい方向に変わってから、やっと少しずつアクセルを踏む事が出来るようになります。
つまりブレーキもアクセルも踏まずに、車の向きが変わるまでハンドルを切っている、「待ち」の時間が長いわけです。
FF車の場合は、スピードを落とさずに、つまり大きい慣性を生かして、キッチリと車を回転させてコーナーに進入したら、その後のハンドルやアクセルの操作は、積極的に曲げるとか加速すると言うよりも、ラインから外れないようコントロールするために、操作するイメージです。
出口のラインに乗ってから、初めて加速に移れる訳ですね。
では、どうすれば「曲がれる速度まで車体を回転させる」事が出来るのか・・・。
私もこれがうまく出来なくて悩みました。
何処が判らなかったのかと言うと。
ブレーキを完全に解除するタイミングに対してハンドルを切り始めるタイミングと量。
そのイメージがバラバラで一つに構築できなかったのです。
回転(ヨー)を作り出すには、ブレーキングによる減速+荷重とハンドル操作(時期と量)の一連の動作の流れが重要なポイントになってきます。
最近、二人の師匠から同乗レクチャーを受けて、ようやくイメージが出来てきた状況です。感謝です!
なかなか文書で表現するのは難しいのですが、ブレーキングとハンドルを切るタイミングと切る量のイメージが繋がった時に不思議なくらい無理なく車が曲がってくれるようになりました。
このタイミングは、走る状況によってすべて違うので数学のように「解」を表現する事が出来ません。
私の頭脳では無理ですが、方程式(プログラム)は作れそうかもw
(BMWが自動運転車でドリフト走行させていましたね・・・)
又、もう一つ。
ブレーキとアクセルは一生懸命踏むだけが能じゃないって事。
冒頭にも書きましたが、ブレーキは車を曲げるための道具なんですね。
減速させないブレーキもあるんですよね。
同時に加速目的では無いアクセルもあるらしい・・・w
このあたりは、実践編で解説できればいいなァ・・・オイオイ。
ここまでで、ようやく、普通に走れるようになったってレベルです。
まだまだ、奥が深くて先が見えませんが・・・(笑)
個人的にはミスを減らしていくことが当面の課題です(^^ゞ