
昨年もAGOでは、ミニサーキットを貸し切っての
「安全運転講習会」や「こそ練」を開催し
初めてサーキットを走られる方も大勢参加されました。
私も2年前にAGOのこそ練でサーキットデビューを
果たしたのですが最初は、何をしていいのか解らず
おろおろしたものです(^^ゞ
初めてでも前もって手順を知っているとずいぶん落ち着くと思います。
という事で、今回は、初めてサーキットを走ってみようという方や
興味はあるけど、どうすれば良いのか解らないしな~
なんて思ってる方向けに
つたない経験からですが、全体の流れからあれば便利な物まで纏めてみる事にしました。
今回は、プライベート走行会を対象としたものですので
安全装備等は主催者のレギュレーションに従っていただく事を前提とします。
※安全装備については次の機会にUPしようと思っています。
<全体の流れ>
①受付(ゼッケン・計測器貸与)
②走行準備
③ブリーフィング
④コースイン
⑤ゼッケン・計測器の返却
⑥帰宅準備
<走行準備の手順>
①荷物を車から降ろして基地(パドック)を構築
②室内の小物をすべて降ろす。
運転席のマット
運転中移動してしまう恐れのある物
(コンソールに置いている物やポータブルナビ等)
足元に転がってくる可能性のある物
(後部シートのペットボトルやティッシュケース等)
ラゲッジスペースに搭載している物すべて。
③フロントナンバープレートの撤去(出来れば)
④ゼッケン・タイム計測器の設置
⑤ホーイルナットの締め付けトルクチェック
⑥タイヤ空気圧調整とタイヤ・ホイールの目視チェック
⑦エンジンルームの確認
(チェック項目)
エンジンオイルキャップ・ブレーキリザーバータンクキャップ・ラジエターリザーバータンクキャップ
エンジンオイルレベル・プラグコード(イグナイター)の緩み・その他補機類のガタツキが無いか
⑧身支度(肌の露出しない動きやすいウエア・運転に支障のないシューズ等レギュレーションに則した物)
⑨ヘルメット・グローブの準備(レギュレーションに則した物)
⑩見落としが無いか確認
<走行後、パドックに戻ってきた時の作業>
①エンジンを切らずにボンネットを開けてエンジンルームの冷却(概ね10分程度)
②タイヤ空気圧調整とタイヤ・ホイールの目視チェック
③ホイールナットの締め付けトルクチェック
④エンジンルームの確認
オイル漏れや、異常な箇所が無いか確認
<帰宅準備の手順>
①フロントナンバープレートの設置(忘れると道交法違反になりますw)
②ホイールナットの締め付けトルクチェック
③タイヤ空気圧調整とタイヤ・ホイールの目視チェック
④エンジンルームの確認
(チェック項目)
ヘッドカバーオイルキャップ・ブレーキリザーバータンクキャップ・ラジエターリザーバータンクキャップ
エンジンオイルレベル・プラグコード(イグナイター)の緩み・その他部品のガタツキが無いか
⑤身支度と基地(パドック)の撤収
⑥見落とし&忘れ物が無いか確認
さて、以上の事をこなそうと思うと最低でもプラスドライバー(ナンバープレート用)
トルクレンチ、エアゲージ、養生テープが必要になります。
最初のうちは近くの人に借りれば事足りるのですが、サーキット走行を継続するのであれば自分の道具を揃えておきたいものです。
とわ言え、どんな物を揃えればいいのか解らないと思うので最低限揃えておきたいものや、あれば便利な物を紹介しておきます。
<工具類>
①エアゲージ
これは¥1,000クラスから数万円するものまでさまざまなのですが、
計測器なので精度、信頼性は価格に比例すると考えてください。
仕様は400~500kpa程度まで計測でき、減圧機能の付いたもの。
(ゲージ精度は下2桁まで計測出来る物が絶対条件です)
出来れば少々嵩張りますがコンプレッサーからエアを入れる事も出来る
「3ファンクション」タイプが便利です。
※サーキットによってはエアバルブアタッチメントが無い場合が多いので・・・。
②トルクレンチ
これも¥3,000クラスから数万円するものまでさまざまなのですが、
計測器なので精度、信頼性は価格に比例すると考えてください。
最低でも200~300Nm程度まで計測できる物を選んでください。
ちなみに、トルクレンチは「工具」ではありませんので、
これでナットを緩めたりすることはNGです。
ナットを緩めたり締め付けるのは十字レンチ等を使ってください。
又、使用後のイニシャル設定は必ず最低目盛に戻しておかないと狂いが生じます。
(それほどデリケートな計器です)
③ドライバー・レンチetc
プラス/マイナスドライバーと8mm/10mm/11mm/12mm/13mm/14mm程度の
ソケットレンチと同じくコンビネーションレンチ
プライヤー、ラジオペンチ、ニッパ程度を揃えておけば良いかと思います。
※さしあたってはプラスドライバーだけでも事足りるとも思いますが。
ドライバー・レンチ類について語るときりがないのですが、最低でもホームセンターのワゴンに並べてある「セット」はNGです。
精度、強度不足で、後で後悔する事になります。
上を見ればきりが有りませんが、個人的には「KTC」がお勧め。
ホームセンターでも手に入りますし精度、強度も十分です。
④メカニックグローブ
走行後のエンジンルームやホイールはかなり熱くなっており、素手ではやけどする可能性があります。
ホームセンターで売っている滑りにくいものでOKです
⑤ウエス
オイルレベルチェックや、窓ふき等にあれば重宝します。
使い捨てのペーパーウエスが便利。これもホームセンターで売っています。
⑥養生テープ
ゼッケンを貼り付けたり、計測器を固定するのに必要。
ガムテープや梱包テープでは糊が残ってしまうので養生テープが便利です。
<あれば便利なもの>
①フォールディングチェア
サーキット走行は、思った以上に体力と精神力を消耗します。(スポーツですからw)
次の走行枠を待つ間ゆっくりと体を休めてください。
タイプはお好みで。
②フォールディングテーブル
あると重宝します。
私は造りもしっかりして、収納性抜群の小型の「コールマン イージーロール2ステージテーブル」を
使っています。
あまり大きなものはかえって邪魔になる事もあるので小型のものが良いかと思います。
③小物類を収納するボックス
パドックで小物類が散らかっているのも何かとトラブルの元ですのでボックスに収納してしまうとスッキリ。
又、パドックが屋外の可能性が高いので雨対策としても有効です。(下からの浸水にも安心です)
私は、コールマンの「パーティースタッカー」を大小2種類使っています。
④ブルーシート&ゴミ袋
シートは、2畳程度のサイズの物を用意しておくと、何かと便利です。
ゴミは持ち帰るのが基本です。
さて、最低限これだけ準備すればサーキットでまごつく事は無いと思います。
この中で<走行前準備>の⑤⑥⑦項は、法規で定められた「走行前点検」なんです。
走行会によっては、「車検」として検査員が確認します。(テーピング等レギュレーションに則した処置が必要)
普段からこれをされている方はまずいらっしゃらないと思いますが、いかがでしょ?
ここで、直接事故につながる可能性があるのが、「ホイールナット」です。
特に、社外ホイールに替えている、スペーサーをつけている、アルミナットに替えている
これに該当する方は特にナットが緩みやすくなっていますので、普段からチェックする事をお勧めします。
走行中に自分のタイヤに追い越されたのではシャレになりませんw
サーキットを走るってことは、普段一般道では緊急時にしか使わないような性能を引き出してあげる事なので整備や対策を怠ると即トラブルにつながります。
テクニックや経験ばかりがクローズアップされがちですが、実はこういった地道な意識付が普段の安全運転に繋がるのだと思います。
これで、走る準備は整いました。
次回は、安全装備や注意点、マナーについてUPしていきたいと思います。