
この連載を始めたのが2013年4月。
1年半かかりましたが、ようやく第3部実技編まできました。
私自身、この連載を書きながら練習しつつ理解したら
また次の連載に進むという同時進行でステップアップしてきました。
実技編まで来たという事は、ある程度実践できるレベルにまでこぎつけたって事で(^^ゞ
これからまだまだ、経験と、テクニックを磨いていく必要がありますが・・・。
第1部 基礎編では、FF車の特性とタイヤについてお話ししました。
第2部 理論編では、ターンを3つに分けてお話ししました。
ここまでのポイントは如何に慣性を殺さずにタイヤの性能を使い切って車を曲げるのかって事です。
理論としてのメカニズムと方策を単純化してお伝えしてきたつもりです。
さて、今までは、あくまでも理論です。
実際は、色々なことが複雑に絡み合って単純には事は運びません。
実技編では、私自身もそうでしたが、同レベルの方、あるいは初心者の方を拝見してきて皆さんが一番イメージするのが難しそうなところをピンポイントで解説していこうと思います。
正直、この連載はこの部分の事を述べてきたと言っても過言ではありません。
これをマスターすれば見違える走りになると思いますよ。
<ブレーキングの意義>
これは、第2部 理論編②で触れていますが、サーキットにおいてのブレーキングって何?
サーキットにおいてのブレーキはターンの道具です。
「曲がる」ためのブレーキングではなく、「曲げる」ためのブレーキングでなくてはいけません。
もっと簡単に言うと、ブレーキングが終わるまでに車に回転(ヨー)が発生していなくてはいけないって事。
ここで、思い出してほしいのは「タイヤの摩擦円」理論。「縦グリップ+横グリップ=100%」って事でしたね。
矛盾している?
いえいえ、そうではありません。縦グリップ(減速G)と横グリップ(横G)を同時に100%以内で使えばいい訳です。
なにもフルブレーキング時にステア操作をしろと言っている訳ではなく、フルブレーキ後ブレーキコントロールしながらステア操作をする事で、タイヤの性能をフルに使いながら車の姿勢を変える事が出来るという事です。
一般的には「ブレーキを残す」なんて言われてますが、ブレーキを踏みながらコーナリングする訳ではないので誤解なきよう。
タイヤの横グリップを100%発揮してターンするためには、ブレーキングはNGです。あくまで、ターン導入時点でブレーキングは終わってターンの姿勢が作れていなければいけません。
ちょうど、先日のK'sサーキットで良い画像かありましたので、それで説明してみる事にします。
これは、K'sサーキットのギャラリーコーナー(最終ヘアピン)で
教頭のやる気満々の画像です。
後ろの車のところあたりからブレーキングでターンに入ります。
前のが教頭ですが、クリッピングの手前でブレーキングは終了し、姿勢が作れています。
ここで、タイヤの横グリップが100%発揮している状態です。
※後ろの車がちょうど予備ステア操作中ですね。
次が、同じコーナーで、やる気のない教頭の画像w。
ほぼ同じタイミングですが、車はまだ直進しようとしています。
先の画像とフロントタイヤの切れ角を比べてみてください。
舵角が大きいほどロスも大きくなります。
整理してみると、
フルブレーキング=>ブレーキコントロール+予備ステア操作=>ブレーキOFF+フルステア操作=>加速。
と言うイメージです。
<予備ステアって?>
予備ステアって何?って方もおられるでしょうから、簡単に説明しておきます。
これは、ターン導入時に車にターンの姿勢を作るためのステア操作です。
この段階で車を完全に曲げてしまうのではなくゆっくりと小さな舵角を与える事で車に回転(ヨー)を発生させるためのステア操作です。
もう一度、この画像を見てください。
MINIの後続車(きなこ号)に注目してください。
ちょうど予備ステア操作中です。
あの少し手前からステアを入れていっています。(舵角に注目して見てください)
車の姿勢を見ていただくと判りますが、前方斜め外側に車が傾いています。
あの段階で、既にフロントの外側タイヤに荷重が乗って、車が曲がる態勢に入っていることが見て取れます。
これが、予備ステア操作の効果です。
この後にブレーキを完全にリリースして、ステアリングをグイッと入れて荷重曲げに移行し、前を走るMINIのような態勢になっていきます。
これは、是非マスターしてください。
これが出来ないとターンの姿勢が作れません。
最初は、凄く違和感があるかもしれません。
エ?こんなところからステア入れるの?って私も思いました。
グイッと入れるのではなく、ソッと入れてあげてくださいw
もう一つ、疑問が湧きませんか?
フルブレーキングの後のブレーキコントロールって何の意味があるの?って。
簡単に言えば、フルステアまで荷重を残しておくためのブレーキだと考えてもらえば理解しやすいでしょう。
さて、これで、ブレーキングについてはイメージして頂けたと思いますが、実戦では、状況毎にブレーキングを開始するタイミングが異なりますので、経験を積んでいただくしかありません。
一つ言える事は、イメージよりも少し早めに始めるとスムーズにターンに入れると思います。
ターンをスムーズに素早く曲がれるという事は、加速態勢にもはやく移れるってことで、当然タイムアップにつながるという事ですね。
第3部 実技編
一応、これで、この連載は完結となります。
少しでも、参考になればと(^^ゞ