
うなずけない部分もあるものの、決断と行動の速さは我々にはできないなぁと考えさせられる。
VOLVOのEV化戦略路線は知っていて買った今の車(V60CC)なのだが、不安がないわけではない。私もそうですが、日本人は変化を特に嫌うからなぁ。こういうところは中国の人たちのほうが、対応、順応が早いし羨ましい。
ボルボCEOのインタビューより
(日経情報誌より一部抜粋。写真も内容もお借りものです)
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1.CEOについて
10年近く経営トップを務めるのが、スウェーデンの高級車大手ボルボ・カーのホーカン・サミュエルソン社長(70歳)。12年の社長就任から、車種を絞り込み、新デザインを根づかせるなど様々な改革を実行し、販売台数が急増。新型コロナウイルスの感染拡大前の19年まで6年連続で販売台数が伸び、過去最高の70万台を達成した。社長の任期を22年まで延長することが決まっている。
2.インタビューア
大西 孝弘 日経ロンドン支局長
3.EV戦略
(1)消費者はEVのみの製品ラインアップを受け入れると思いますか。
ホーカン・サミュエルソン社長(以下、サミュエルソン氏):
もちろん、このことについては内部でよく話し合いました。 以前、ボルボが6気筒エンジンから4気筒エンジンに移行したとき、顧客を失うのではないかと恐れていたのを覚えています。実際は、4気筒エンジンを採用してからこれ以上ないほどの速度で成長してきました。
その後、自動車に速度制限機能を導入したときには、顧客が離れていくという声も出ました。しかしそれ以降、当社は世界の中でも高速な運転で知られるドイツで急激に売り上げを伸ばしました。
同じように、EV化でも顧客を失うとは思いません。 また、お客様に車の電動化に慣れていただくための期間を設け、HVも生産します。特に、EV用の充電設備が近くにない人をターゲットとして考えています。ですので、あまり心配はしていません。2030年以降もガソリン車を販売し続け、それを買う人がいると考えることの方がよほど気がかりです。
(2)30年までに全ての新車を100%電動化するのは、自動車業界の中でも特に早い動きです。
(サミュエルソン氏):私たちは自動車を電動化することでより良い未来が築けると強く信じていますが、もちろん、他のメーカーは異なる視点を持っていることもあるでしょう。 大規模で多様なラインアップを持つメーカーであれば、迅速に電動化を進めるのは難しいと思います。小規模でそこまで多くの車種を持たないボルボは、その点でアドバンテージがあると思います。ボルボの将来は確実にEVにあります。個人の移動手段自体も将来はほぼ確実に電動化されると思います。ただ、多くの車種を持つ大企業は、転換にもっと長い時間がかかるでしょう。
(3)米テスラや独フォルクスワーゲンなど、すでに多くのEVを販売している企業とどのように競っていきますか。
(サミュエルソン氏):重要なのは集中することです。過去の遺産が重荷となることもあります。そのため、今年の1月1日から、内燃エンジンの開発と生産をボルボから別の企業に移しました。これは吉利汽車の内燃エンジン部門と統合する予定です。このような形で、当社はすでにEVだけの未来に適応しており、EV化を阻むような過去の遺産はもうありません。
(4)EVを全てオンラインで販売すると宣言しました。VWはEVをオンラインで販売していますが、ディーラーに配慮して、全面移行は宣言していません。
(サミュエルソン氏):当然、私たちはディーラーと話し合いをしていて、全部ではないですが多くのディーラーと取引を続けていきます。オンラインで注文を受けて工場からそのまま顧客に納車するわけではありません。新車は任意のディーラーのもとに届けられ、そこでお披露目となります。顧客は、今とまったく同じサービスをディーラーで受けることとなります。 ディーラーはとても大切なパートナーです。注文がオンラインになり、販売のプロセスでは少しだけ違いが出てきます。ディーラーの店舗に行って、自分に適した製品を決めるためにサポートを求める人は多くいるでしょう。そうした点で、ディーラーはお客様をアシストすることになります。顧客はどんどん家から注文をするようになっていくと思いますが、それを最初に助けるのがディーラーです。ディーラーはそれに対し報酬を受け取るようになっています。また、中古車販売の需要もあるでしょう。心配する必要はまったくありません。 私たちが顧客の需要に応えられなかったら、ディーラーは大変不安になるでしょう。顧客はオンラインに移行したがっていて、透明性も求めています。もしボルボがそうした要望に応じられず、米アマゾン・ドット・コムやその他の企業にチャンスを渡してしまったら、ディーラー側の不安は大きなものになるはずです。
(5)全ての新車をEVにするという決断を後押ししたものは何ですか。
(サミュエルソン氏):特定の出来事が理由ではなく、事実に目を向けました。取り組まなければならない深刻な課題として、気候変動と二酸化炭素(CO2)の排出削減が挙げられます。当社もより真剣にこの問題の解決に取り組むようになりました。ボルボとしては、製品を電動化することでこの動きに加わることができると思っています。
それ以外で徐々に伸びてきたものに、顧客からの反応があります。以前は、EVを欲しがるのは環境について特に高い意識を持つ人でしたが、現在は普通の高級車ファンもEVを求めるようになってきています。EVは素晴らしいパフォーマンス、加速性、俊敏性、パワーを持ち、従来の高級車よりもさらに高い品質を持つからです。
(6)新型コロナウイルスの感染拡大(パンデミック)は、ボルボの事業変革の動機になりましたか。
(サミュエルソン氏):オンライン販売の面では特にそうですね。従来の販売方法は大きく妨げられてしまい、ショールームは閉鎖となってしまいました。これまで通りに車を売るのがとても難しくなってしまったんです。試験的に行ってきたオンライン販売は素晴らしい成功となり、20年後半にはパンデミックがなかった19年後半よりも多くの車を売り上げました。 車のオンライン購入という新しい傾向は定着するでしょう。自動車業界は世界でも電子商取引の導入が最も遅い業界でしたが、新型コロナが後押ししてくれました。パンデミックは全体的に損失をもたらしましたが、この点は少なくとも結果的にポジティブな側面だったと言えます。
(7)自動車各社がEV化を加速しています。その中でどのように違いを打ち出していきますか。
(サミュエルソン氏):私たちは「~を除く」という制約を設けなかった初めての企業ではないでしょうか。他社が軽トラックは除外とか、または米国を除外などという条件をつけている中、世界中で例外なくEV化を進めるのはボルボ特有の動きだと思います。 この方向性は目新しいものではありません。車の電動化は長年行われてきたことで、それが今さらに速く、確実に進んでいる状態なのです。ボルボのブランド力を強めるためにも、その取り組みは必要なのです。顧客やボルボで働いてくれる人に魅力的に映らなくてはなりません。EVは顧客にとって大きな魅力があります。すでに試乗した人にとっては特にそうです。しばらく運転してみたら、絶対にEVの方が好きになりますよ。
以下省略
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V60クロスカントリー | 日記
Posted at
2021/03/21 20:00:59