ALPINA B4の指定タイヤはMichelin Pilot Super Sport (PSS)です。 これはALPINAの伝統のようなもので、古くはMXXシリーズからずっとミシュランのフラッグシップタイヤを使い続けています。 ALPINAほど偏屈なコダワリはないようですが、BMWの歴代Mモデルもミシュランを指定してくることが多いですね。 もちろん現行のF80 M3/F82 M4も、ミシュランをタイヤ供給パートナーに据えて開発されました。 ……だったのですが、実は2015年1月製造のF80/F82から、コッソリとContinental Conti Sport Contact 5P (CSC5P)も指定タイヤ(19インチのみ)として追加されています。これはF80/F82向けのPSSの生産が追いつかなくなったことに伴う苦肉の策です。 う~ん、F80/F82デビュー当時の資料でもBMWはPSSで開発したことをアピールしてたのに、もしCSC5Pで納車されたらショボーンかもしれませんね。(最近けっこう多いみたいです。) まあ、BMWを擁護するわけではないけどCSC5Pもいいタイヤですよ。 耐摩耗性はもう少し欲しいところですが(もちろん国産よりは優秀)、ウェット性能はPSSよりもいいと思います。 しなやかさについては、少なくとも先代のMichelin Pilot Sport PS2との比較では同等かほんの少し劣るぐらいですかね。 実は、ALPINA B4の前に乗っていたE92 335iで、最後に履かせていたタイヤがCSC5Pでした。(PS2からの変更) いきなり話がCSC5Pに逸れてしまいましたw とりあえず、個人的嗜好による若干のバイアスは否めないものの(笑)、やはりPSSはトータルバランスに優れたタイヤだと思います。 あえてウィークポイントを探すとしたら、CSC5Pや先代PS2に比べてヘビーウェットの状態で少しインフォメーションが薄いのと、良路と荒れたアスファルト路面でのノイズ変動が大きいことかな。(元々ミシュランはどちらかというとノイズ対策には無頓着だけど。) ミシュランの特徴でもあるタイヤそのものの軽さと、薄くしなやかなサイドウォールのおかげで乗り心地もいいですね。 また、ユニフォーミティ(均一性)や真円度の高さも申し分ありません。実はこれも、他メーカーから交換するとすぐに体感できるミシュランの特徴のひとつです。 特にPSSなど、Pilotシリーズの中でもさらにトップレンジのタイヤでは、その製造プロセスにおいて「C3M」と呼ばれる独自の製法(秘密の製法とも言われる)が採用されており、ミシュランの中でも極めて高いユニフォーミティを実現しているそうです。 (実はピレリにも「MIRS」というC3Mに似た製法がありますが、ユニフォーミティの点では遠く及ばない模様。) ※2016/06/26 08:30 JST 追記 先月ブリヂストンからも新たな製法「EXAMATION」のプレスリリースがありました。詳細不明ですが、高い生産効率と同時にユニフォーミティ向上を実現するのが目的のようです。 ----- 他メーカーとの比較についてもう少し話をすると… タイヤメーカーは各社それぞれに素晴らしい技術を持っていますが、設計思想や製法の点でミシュランとブリヂストンは正反対に位置付けられるメーカーではないでしょうか。 サイドウォールを薄くして空気圧も含めた構造全体で車重を支え、強靭なカーカスで超高速域の安定性を確保するのがミシュラン。 サイドウォールやトレッドを厚くして剛性と衝撃吸収性能を確保するという設計思想の下に、コンパウンド(ゴム)の研究開発とシミュレーションに力を入れるブリヂストン。 代償としてミシュランは空気圧の変化に敏感、ブリヂストンはタイヤ重量が嵩む傾向にあります。(単体で概ねミシュランの3~4割増し。) 乗り心地については「構造で解決する」か「ゴムの特性で解決する」かという設計思想の違いがそのまま現れていて、ミシュランはしなやか、ブリヂストンはソフトな方向に仕上がることが多いです。 (乗り心地の評価は官能検査と同じで、個人の主観によるところが大きく、どちらが良いとか悪いとか一概に言うことはできません。) ※2016/06/26 08:30 JST 追記 コメントをいただいたのでちょっと補足します。 ブリヂストンはステアリングレスポンスに優れたタイヤが多いです。これは構造的にサイドウォールの剛性が高く「たわみ」が少ない特性によるものです。 一方、ミシュランは、PSSも含めて中立付近のレスポンスはあえてダルに仕上げてあり、長距離の高速移動に向いているタイヤだと思います。 ----- また話が飛んでしまいました。 なんで今回いきなりタイヤの話をし始めたのかというと… そろそろトシ棒号もタイヤ交換時期なんですよ。 ぶっちゃけ僕は「いいタイヤ」であればメーカーは問いません。 2011年にデビューしたPSSもそろそろライフサイクルの末期ですし、年内(早ければ秋)には後継のタイヤがデビューするのではという噂もあります。 そこで白羽の矢を立てたのはContinental Sport Contact 6 (CSC6)。 昨年CSC5Pの後継としてデビューした最新設計のタイヤです。UHP(=Ultra High Performance)タイヤのカテゴリーにおいて、特にOEM供給では圧倒的なシェアを誇るPSSを仮想敵に据えてガチンコ勝負を挑むべく開発されたとか。 (細かいですが、この「6」からConti Sport ContactでなくシンプルなSport Contactにネーミングが変わっています。) 見た目の印象は… CSC5Pがコンフォートタイヤ並みに細かいブロックパターンを採用していたのに対し(P-Zero Rossoもそうでしたね)、CSC6はいたって普通の雰囲気になりました。 あと、レイングルーブが太いのでLand-Sea Ratioはかなり小さい(※)と思います。これだけでウェット性能は約束されたようなもんですw ※ 日本ではなぜかシーランド比という言い方が浸透してますね。 シーランド比なら値は逆転します。 新しいタイヤなのでまだまだ情報は少ないのですが、独AutoBild誌の比較テストではPSSよりも評価は上でした。 詳しく言うと、ドライでのハンドリングが大きく改善(前述の通りウェットは先代CSC5P時代から高評価)、ノイズに関する評価もCSC6はかなりいいようです。 残念ながらAutoBildのテストではコンフォート性能(乗り心地など)に関する評価がありませんでしたが、これはさすがにミシュランの方が構造的にも製法的にも優位かも知れません。 よーし、CSC6にしちゃうかあ? いや、待てよ…サイズがないじゃん!! 正確にはリアの265/30R20はあるんだけど、フロントの245/30R20がラインナップされていないんです。 日本に来てないだけなら、E92のPS2の時のように個人輸入しちゃうんだけど本国でも未発売。念のため独Continentalの本社に問い合わせてみましたが、今のところ予定もないらしく… …ということで、やっぱりPSSしかないのかなあ(ぼそっ) |
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