2022年02月10日
【BMWコーディング】 純正TPMS (タイヤ空気圧監視システム) / RDC
いやね、脱ランフラットと併せて
これを早くやりたかったんですよ。
RDC/TPMSレトロフィット
実を言うとTPMSセンサー自体は
納車前から準備してましたw
TPMS(Tire Pressure Monitoring System)/タイヤ空気圧監視システムには「直接式」と「間接式」の二種類あることは皆さんもご存じかと。
現在、日本のBMWが標準装備している「RPA」は間接式ですが、海外では直接式の「RDC」が主流となっています。
■ RPA (Reifen-Pannen-Anzeige) / 間接式TPMS
ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)のセンサーで個々のタイヤの回転数を比較して、空気圧低下(パンクの可能性)を警告するシステム。
タイヤ内部の空気圧が低下すると外径が小さくなって、他のタイヤに比べて回転数が増加する現象を応用したもの。
■ RDC (Reifen-Druck-Control) / 直接式TPMS
ホイールにTPMSセンサー(送信機)を取り付けてタイヤ内部の空気圧や温度を検知し、車体側の受信機へ電波(無線)で送信するシステム。
受信した情報はiDriveのディスプレイやメーターパネルに表示される。
空気圧を直接検知するため正確かつ即時に警告することが可能。
BMWは今後日本でも「RDC」に切り替えていくと表明していて、一部導入も始まりましたが、ほとんどのモデルはいまだに「RPA」のままです。
でもね、実は…
Gシリーズなら純正TPMSセンサーつけてコーディングするだけ。
「RDC」のための車体側のハードウェア的な準備は整っているのです。
(残念ながら、E/Fシリーズの場合は追加モジュール(ECU)を取り付けないとダメです。僕がALPINA B4のときに着手しなかったのもそれが理由。)
これがBMW純正「TPMSセンサー付きエアバルブ」です。
いつものごとく個人輸入で調達しました。
よく見かける横長のタイプではなくスリムですね。ステムはアルミ製。
だから鉄チンホイール(スチール)には使えません。当たり前かw
製造元は自動車用エアバルブ(米式)を発明した老舗のSchraderです。(※1)
※1 厳密にはBMWの「RDC」としては第4世代の「RDCi」に対応したTPMSセンサーになります。(僕の2021年式G15も第4世代RDC=RDCiです。)
最近の新しい車両は第5世代まで進んでいますが、Schrader製の純正TPMSセンサーであれば第4世代でも第5世代でも問題なく動きます。
心配な場合はETK(部品データベース)で品番を検索して手配すれば確実です。

詳しくは後述しますが、純正TPMSセンサーなら登録も簡単です。(※2)
もちろん周波数「315MHz」版で、日本の技適マーク=丸囲みに旧逓信省の〒(テ)も取得済みですから電波法違反に問われることもありません。(※3)
※2 おそらく廉価な汎用TPMSセンサーも使えないことはないと思いますが、TPMSを無線で初期化してセットアップする「トリガーツール」が必要になります。
もしクローンを作る場合は「プログラミングツール」も必要です。
※3 内蔵式、外部式に関係なく433MHzのTPMSセンサーを使用したアフターマーケット向け商品が出回っていますが、国内で使用すると電波法違反で「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」、さらに他の公共電波に影響を与えた場合には「5年以下の懲役または250万円以下の罰金」に問われる可能性があります。
電波法違反って実はかなり重い罪なので要注意です。

このようにセンサーをホイールに取り付けたらタイヤを組み込みます。
タイヤを装着して車両側をコーディングすると…
iDriveにこれまでのRPAと入れ替わりで「タイヤ空気圧コントロール」というRDCのメニューが追加されるので、タイヤの種類やサイズ、積載状態を選択していくと、そのモデルの規定空気圧が自動的に設定されます。
(G15でサマータイヤ20インチ、一部積載状態の場合は前後とも270kPa)

設定を保存して走行を開始すると初期化が始まります。
あとは「RDC」が、四輪のTPMSセンサーそれぞれのポジションを判定してID登録まですべて自動で完了、まさに純正ならではのカンタン登録です。
(普通は車輪ごとにTPMSセンサーのIDを登録するか、先に車輪を決めて間違えないようにTPMSセンサーを取り付ける必要があるのですが、こちらは受信機が受ける電波強度で車輪を特定するようです。)
そして、初期化が無事に完了すれば、このように画面上に四輪それぞれの空気圧と内部温度が表示されるようになります。
(もちろん単位は「bar」や「°F」など好きな組み合わせに変更可能です。)


画面内の「目標圧力」というのはタイヤの内部温度に応じた適正な空気圧のことで、画像の通り、内部温度が変わると「目標圧力」も変化します。
本来は警告に先回りして異常な内圧変動に気づかせるためのものですが、点検時の調整目安としてもめっちゃ有難い機能だと思いますよー。(※4)
※4 僕の場合、空気圧を調整するときは昼間にガソリンスタンドで「気持ち多めに」補充して帰宅、翌朝エンジンをかける前に冷間点検して規定空気圧に合わせる、というのがルーティンになっています。
ただ、二日がかりで面倒な上に、「気持ち多め」のさじ加減をミスると、翌朝に規定値以下まで下がっていて『アチャー』みたいなことが時々あるんですよね。
実際「RDC」で内圧の状態を観察しながら走ってみると、エンジンかけて500mも走らないうちに10kPaぐらい上昇しますし、高速道路に10分も乗ったら余裕でプラス20~30kPaぐらいハネ上がってしまうことが分かります。
でも、この「目標圧力」表示をうまく使えば、冷間、温間に関係なく、いつでも適正な空気圧に調整することができますね。
ちなみに、自前のRAYSエアゲージ(アサヒのOEM)で空気圧を測定すると、エアゲージの方が目測で「4kPa」ほど高い数値を指しました。
規格上の精度内(=誤差)ではありますが、このエアゲージは購入以来ずっと校正していないので、今度しっかり校正されたものを使う機会があったらあらためて比較してみたいと思います。
(基本的にはブルドン管よりも圧力センサーの方が精度は高いはずなので、おそらく僕のエアゲージが狂ってるような…)

今回、純正ランフラットから非ランフラット化して、これまで以上に確実なパンクへの備えが必要になりましたし、何より「RDC」が付いていると
・ 車内から気軽に空気圧チェックができる ・ 目標圧力を参考にいつでも(冷間/温間関係なく)調整ができる
というのが非常に嬉しいですね。
(ただ、1kPa単位でリアルタイムに数値が変わるので、逆にちょっとのズレでも無性に気になり始めてしまうという弊害もありますがw)
あ、そうそう、ついでに、こんなモノも付けてみましたよ。
(本来はTPMSセンサー専用品なので注意。もちろん物理的には普通の真鍮製バルブにも付くけど電触を誘発しますので自己責任で。)
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Posted at
2022/02/10 16:07:38
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