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2022年02月22日

ミシュランPS4S インプレッション と ユニフォミティに関する誤解

ミシュランPS4S インプレッション と ユニフォミティに関する誤解 ミシュランPS4Sに履き替えて
300キロほど走りました。

まだまだ皮剥き途中ですが、
簡単にインプレッションを
ご報告しますね。



今回は
 ピレリ P ZERO (PZ4) RF (ランフラット)
  ↓
 ミシュラン PILOT SPORT 4 S (非ランフラット)

への履き替えになります。

まあ、予想通りではありましたが「激変」です。
ランフラットは普通の道路でも常に「ゴロゴロ」、「ざらざら」した感触がつきまとっていましたが、PS4Sに履き替えたら不快感は完全に消失。
ジョイントや段差通過時のエンベロープ特性も大幅に改善しました。

さらに、綺麗に整備された舗装路に出ると「路面を舐めるように滑らか」でニヤニヤしてしまうほど。
これこそ、高いユニフォミティを誇る「C3M」製法の面目躍如ですね。
今回はさらに「ユニフォミティ/フォース マッチング」もやってるし…
(実は不整路面よりも綺麗で平坦な舗装路面の方がユニフォミティの高さはハッキリと現れます。理由は後半を読むとお分かりいただけるかと…)

運動性能については、まだ走り込んではないけどPS4Sも二回目でよく知っているので心配してません。特にウェットでの信頼感はハンパないです。

見た目に関しては…
P ZERO(PZ4) RFは、異常にゴツいリムガードに加えて、実効トレッド幅が狭いせいで相対的に「引っ張りタイヤ」のような見た目でした。
(そもそも、あんだけサイドが分厚けりゃゴツゴツするのも当然かと。)
一方、PS4Sのサイドウォールはスッキリとした雰囲気になった代わりに、偏平率が上がったように見えるかも。サイズは全く同じなんだけどなあ。



さて、ユニフォミティ(真円度)についてのお話です。

実は、先日のブログに関していくつかご質問をいただいていたのですが、結局はいずれも次のようなギモンに集約されるようです。

 『タイヤは潰れながら回るのに、真円度って関係あるの?』

はい、たしかにそう思っちゃいますよね。
おそらく「真円度」という言葉が混乱を招いているのではないかと。
(悪いのはマスコミです。)

メディアやSNSの記事等では『ユニフォミティ(真円度)が高いから滑らかに転がる』などと書かれることが多いので、僕もついつい無意識に使ってしまいましたが、本来であれば、

 ユニフォミティ (ユニフォーミティ/uniformity) = 均一性/均質性

というのが「正しい日本語訳」となります。
つまり、これは文字通りの「真円度(丸さ)」ではなく、タイヤの回転方向に対して、いかに製品が「均質化」されているかを示しています。
(つまり外見からは全く分からない構造的な品質の優劣です。)

もう少し平たく言い換えるならば

 「走行中のタイヤの潰れ方にムラやバラつきはないか?」

という感じでしょうか。
例えば、回転するタイヤの一部が硬かったり、逆に柔らかかったりすると、その部分だけ潰れ方が変わるので滑らかに走行できないですよね?
そのようなバラつきが少なくて、荷重がかかった走行状態でも滑らかに転がるタイヤを「ユニフォミティ(均質性)が高いタイヤ」と表現します。(※)

以前ブログで触れた通り、パーツごとの中間部材を貼り合わせて一体成型する「通常製法」に対して、PS4S等で使われる「C3M製法」では部材を連続的に巻き付けながら製造するので、継ぎ目のないユニフォミティ(均質性)が高いタイヤを作ることができます。
乱暴な例えですが、通常製法は「お寿司の太巻き」、C3M製法は「糸がクルクルと巻かれた糸巻き」を想像していただけると分かりやすいかもしれません。


職人技でユニフォミティマッチングするショップさんでは、バランサーを改造して回転数を上げたり、横回転のものを使ったりしているところも多いのですが、これは、高速で回転するタイヤのトレッドや縦グルーブ(溝)、ショルダーの「ブレ」を目視で確認しやすくするのが目的です。
それで「ブレ」が大きいと判断した場合にはタイヤを組み直して、綺麗に「丸く」回るようにします。(中には綺麗に回るようになるまでトレッドを削ってしまうところもあります。)

もちろん、これはこれで凄い技術ですし、普通に組んだタイヤに比べたらかなり滑らかに転がるようにはなりますが、厳密には負荷がかからない「空転」状態の真円度を見ているだけで、走行中に重要となる「均質性」を見ていることにはなりません。

そこで、その「均質性」を職人技ではなく、機械的に測定してしまおうというのがHUNTER GSP9700のような特殊なバランサーです。

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ユニフォミティ/フォース マッチングでは「ローラーをタイヤに押し付ける」と説明しましたが、これはローラーで潰しながらタイヤを回転させることで、そのローラーに伝わるタイヤの反発力(剛性)が回転中にどう変化するのかを見ています。まさにタイヤが接地して、潰れながら回転する状態のシミュレーションです。

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そして、その変化の指標が「RFV」という数値です。

 Radial Force Variation = 半径方向(たわむ方向)の反力の「変動量」

反力の「変動量」とはすなわち、タイヤ剛性の「バラつき」ですね。
RFVの値が低いほど、回転によってタイヤの接地部分(=位相)が変わっても剛性の変化が少なく(均質性が高く)、逆にRFVの値が高いほど、硬い部分と柔らかい部分の「差」が大きい(均質性が低い)ということになります。

そのRFVが、僕が今回組んだPS4Sのセットでは四輪いずれも40N(ニュートン)以下だったので、どのタイヤもユニフォミティ(均質性)が高くて優秀な製品でした、ということですね。
(下の画像右下のバネのようなイラスト横にある「40 →」がRFV値です。)

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以上、稚拙な説明ながら皆さんのご理解の一助になれば幸いです。
ブログ一覧 | BMW カスタマイズ | 日記
Posted at 2022/02/22 17:33:39

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2010年からBMWのカスタマイズコーディングをやっています。 当時はどこもやってなくて完全に独学。日本初でした。
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