
ちょっと足回りに興味がある人だったら
聞いたことくらいはある?この言葉。
単筒式 と
複筒式
はい、どちらもショックアブソーバの構造です。
その名称から想像されるとおり、
単筒式は筒が1本、複筒式は筒が2本。
そして常につきまとう疑問がこれ。
「一体、どっちが良いの?」
「そりゃあ、単筒式に決まってるがな!レクサスだって純正採用してるぜよ!」
とか
「どうせ複筒式は安物なんだべ?」
といった声がチラホラ聞かれることも・・・
そんなこんなで、
単筒式=高性能だけど高価
複筒式=性能はソコソコで安い
みたいなイメージを持たれている方も多いかもしれません。
でも、そんなに単純なものではないんですよ~ショックアブソーバって。

たとえば単筒式は、
・微低速から正確な減衰力を発生する
・放熱性が良い
などといったメリットがあり、サーキット等でのスポーツ走行に向いているのはもちろん
上質な乗り味を求める高級車に純正採用される例も多々あります。
しかしながら、
・構造上、封入ガス圧が高い
という特徴も持ち合わせています。
これはサーキット走行などフラットな路面のスポーツ走行では大きなデメリットになりませんが、
乗り心地を求めるストリートでは致命的なデメリットになる場合があります。
特に、軽量コンパクトなFF車のリアに単筒式を使った場合などは、
複筒式よりも5ミリ以上車高が上がってしまう事も・・・(本当の話です)
「ガス圧が高い」というのは「反発力があって縮みにくい」ということなんです。
重量級のセダンやミニバンなどで単筒式でも乗り心地が良い足が出来るのは
高いガス圧の影響を受けにくいからだったんですね。
もちろん、セッティング次第ですが・・・。

その点、複筒式は
・封入ガス圧を低くできる
・ストロークが確保しやすい
というメリットがあり、いろんな路面状況が存在するストリートに向いています。
重量級の車でも、軽量な車でも関係なく。
ショックアブソーバが非常に短い車種の場合により多くストロークを確保できるのも複筒式。
複筒式は、
ストリートの万能選手なんです。
道が荒れていたり、うねりの多いワインディング路などにも複筒式は向いています。
スポーツ走行でも、操縦性が路面の凹凸に影響されにくかったりするんですよ。
ただし、スポーツ走行をとことん突き詰めようとすると、単筒式に敵わない部分もあります。
微低速領域ピストンスピードでの減衰力特性などがその例で、
・豊かなステアリングインフォメーション
という点では単筒式に軍配が上がります。
あとは、ショックアブソーバを極端に寝かせて配置する事の多いレーシングカーでは、
複筒式は使えないケースが多々あります。なぜかというと、
・寝かせると構造上オイルにエアが混ざってしまうから
これ、市販車でも稀にあります。
「この角度では複筒式は無理だよね・・・」
という車種が(笑)
そういう車は純正ショックが単筒式だったりするわけです。
とまあ、長くなりましたが
単筒式 と
複筒式
一概に「どっちがエライ!」という訳では無い事が少しわかって頂けたかと思います♪
要は、それぞれに
得意分野があるというワケですね。
ちなみにテインは、アフターパーツメーカーとして
単筒式と複筒式の両方を自社工場で量産している、数少ないメーカーなんです。
皆さん、知ってましたか!?
なぜかって?それはもちろん、
「サスペンション専門メーカー」ですから(^^)
単筒式と複筒式のメリットとデメリットを知り尽くしているテインだからこそ、出来る事なんです。
byスギ
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Posted at
2014/03/12 15:58:33