2022年03月27日
F430チャレンジに乗るの巻
ドーモ、AE100ことグワさんです。
皆様お久しぶりです。
みんカラで筆を執るなんて何年ぶりだよと思ったら大凡9年ぶりだそうで。
京都で大学生やってた自分も気付けば社会人8年目、時が過ぎるのは早いものです。
普段はTwitterでしょーもないことを垂れ流しておりますが今日は何だか気が向きましたのでこちらにてあれやこれやを書き連ねてみようかと。
実は先日縁あってF430チャレンジなる車に乗せていただくことが出来ました。
そうですフェラーリです。赤い跳ね馬のカッコいいやつです。
E36を軸にあれやこれやといろんな車をつまみ食いしてきた私ですが、フェラーリは今回が初めて。
初めてがエラい個体なんやけど大丈夫なんかコレ。
もちっと市販されとる普通のやつから始めた方がええんちゃうか...。
不安な気持ちを抑え込みつつ試乗場所に着いてみると、そこには物静かな怪物がこちらを眺めていました。
「おい小僧、お前に俺が操れるのか」
彼はおそらくこんなことを語りかけていたと思います。
まぁイタリア人なんで何言ってるか分かんないし憶測ですけどね、てへぺろ。
サムいやりとりはさておき、車両はチャレンジだけあって流石の作り込み具合です。
ストックのF430に比べてデザインを崩さないまま張り出したフェンダーに軽量化されたウィンドウ類とそれを飾るシングルワイパー。
豪華絢爛な革ではなくスパルタンなバックスキンが貼り込まれたダッシュボードには飾りっ気のないデジタルマルチモニターのみがセッティングされています。
通常であればオーディオやエアコン等の操作パネルが設置されているはずの場所には簡易なスイッチパネルに置き換えられており、ラジエーターファンやベンチレーション、ASR(トラコン)等のトグルスイッチが備わっていました。
さも当たり前のように何点式なのか分からないレベルのロールケージが張り巡らされていたのですが、興味深いのが運転席側と助手席側でサイドバーの形状が違ったんです。
運転席側は弧を描くように外に張り出していたのですが助手席はフレームに沿ってストレートでリアまで繋がっていました。
これなんでなんだろう、理由をご存知の方はぜひ教えていただきたいです。
パッと見の感想はここらで締めくくりまして、いよいよテストドライブへ。
ビビりな私は初乗りを友人に押し付けましてそそくさと助手席担当に。
慣れないフルハーネスを装着しセンターコンソールにあるキルスイッチにキーを差し込んで回路ON、センターパネルのイグニションスイッチをONにすることで補機類が一斉に動き始めます。
燃料ポンプの加圧する声が落ち着いたのを確認、スターターボタンを押してエンジンに火が入った瞬間、全身が激しいエキゾーストノートに包まれました。
ん~、とんでもない爆音やな君ィ...。
「そりゃ俺はレーシングカーだからな!!」という主張を全力で感じ取らせてくれます。
ここで驚いたことが一つ、ハイカムハイコンプなチューンドエンジンと言えばアイドリングがバラつくというイメージがあったんですが、非常にキレイにアイドルするんですよね。
流石メーカー謹製だけあって素晴らしいセッティング(失礼)
そんなこんなで慣れない二人組でファーストラップを刻んだワケですが、どちらもおっかなびっくり過ぎて恐る恐る転がすばかり。
搭乗前にオーナーから車の特性や経験談を伺っていたのですが、エンジンの咆哮やらミッションの歯打ち音やらの圧が強すぎて全部吹き飛んでいきましたねハハハ。
「あぁこらもうぶっつけ本番や、何とかなるやろ」と諦めモードで同乗走行を終えたのですが、地上に降り立った僕の足は震えており、胃はキリキリしておりました。
横乗りで胃が痛くなる車は初めてかもしれません。
二人してオーナーに感想を伝えつつ小休憩を挟み、ついぞ自らの手でハンドルを握る時間が訪れました。
ええいままよ、なんとかなるわ!と覚悟を決めて運転席に乗り込み、火入れの儀式を終えると再び爆音が身を包みます。
あぁ怖いよぉ...とカタくなりつつパドルを引いて発進、恐る恐るスタートしたのですが、その不安は思いの外すぐに払拭されました。
あれ、これ存外普通の車じゃね???
いやいやこれだけ書いておいてどう考えても普通じゃないでしょう、と思われること間違いなしなんですが、ステアリングを握ってペダルを踏んでいると案外そうでも無いことが分かるんです。
先の横乗りで薄々感じていたのですが、エンジンに癖が無いんですね。
パワー空燃比付近にバシッと合わされたであろうエンジンは高回転域のみで安定するのではなく、街乗り領域で5速6速に入れて大きめにスロットルを開けてもグズらない超優等生です。
更にどこから踏んでもツキの良い大排気量NAエンジンは普段転がしているディーゼルターボとは正反対の素直さ。
いやー楽しい、なんて楽しいエンジンなんだ。
ミッションもまた安心材料の一つでした。
チャレンジにはストックF430にも設定があるF1マチックが搭載されています。
流石にレーシングカーだけあってAUTOモードは装備されておらず、変速はステアリング背面にセットされた大型のパドルを用いて行います。
レーシングカーというキャラクター上変速時にシビアな挙動を見せるのかと思っていたんですが、決してそんなことはありませんでした。
シングルクラッチAMT故に一瞬Nに入って次のギアに変わるワケですが、変速ショックは決して大きくなく十二分に実用範囲。
ただやはり全開状態でシフトアップを行うとASRによるセーフティが入るのでしょうか、自動的にスロットルが緩められて回転の上がりが急激に落ちました。
どうやら変速時はしっかりとスロットルを抜いて加減してやるのが最も速く走るためのコツなようです。
そして何より一番の安心感を与えてくれたのがシャシー。
ちょっとした段差を乗り越えてもボディが変な動きを示さないのです。
脚そのものは非常に良く動くもののストロークが短めなせいで加速しながらギャップを乗り越えた際には一瞬トラクションが抜けて回転数が上がるのですが、その後着地してもドシッと安定したまま車が突き進んでいきます。
シャシーの剛性感と相まって煮詰められたジオメトリが相当効いているのでしょう。
跳ねることにこれほどまでに恐怖感を覚えなくてい良いクルマには出会ったことが無いかもしれません。
そうと分かればもう後は踏んでいくのみです。
最初は軽くスロットルを開けて6速100キロで大人しく走っていましたがすぐにペースアップ、3速8000rpmまで回してパドルを引いて4速へ。
荒々しい雄叫びを上げながらもどこまでもスムースに回る気がするエンジンにパワーバンドを外さないギア比のおかげでスルスルと速度計が上がっていき、気付けばスピードメーターは200を超えていました。
楽しいテストドライブタイムはあっという間に終わり、ピットに戻った我々は興奮覚めやらぬままアレが良かった、コレが良かったと語り倒したのでした。
きっといい笑顔で喋りまくっていたと思います。
そう言えばV8のはずなのになんかV8らしからぬ音だなぁ...と感じていたことを思い出しまして、帰ってから少し調べてみますとF430のV8はシングルプレーンなんだぜ!って書いてありました。
V8と言えばあのドコドコという重低音なイメージですが、これは主に振動を抑えるために採用されているクロスプレーンによる点火タイミングのズレ、エキマニ形状等による排気干渉が原因ですよね。
対してシングルプレーンは片バンク内で等間爆発させるため排気干渉が起きず、そのまま直4の2基がけのような音になるわけです。
その分どうしても振動が大きくなってしまうんですが、その振動すらも味付けの一つとして楽しめてしまうスパルタン具合でした。
フェラーリ?あんなん高いだけやろ!!と斜に構えてましたがこれはなかなかどうして楽しい1台でした。
今回のコースは直線基調でしたので、もしまた機会があればもう少しコーナーの多い場所で味わってみたいものです。
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Posted at
2022/03/30 23:42:07
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