
この記事は、
シートと車体と乗り心地。に触発されて書いています。ええと単なる戯れ言なので、面倒だなと思った方はスルーしてください(苦笑)
また写真は直接本文とは関係ありません。
まず自分の車に座って、ハンドルのセンターが真っ正面にあるか確かめてください。たぶん正面には無くて、わずかに車体中心にオフセットされていると思います。もし中心にあるなら、外車かそれなりの金額の車なんだと思います。日本車の多くは悲しい事にオフセットしていると思います。オフセットされているだけならまだしも、左手と右手が握る部分までの距離が違う事すらあります。つまり体に対して斜めにハンドルが取付けられているということです。もっとも高い車でも、左ハンドルを右ハンドルに替えただけの車の場合、高い金払ってもオフセットされていることが多いです。人間工学云々を言う人もいらっしゃいますが、オフセットされている本当の理由は別のところにあると思います。
しかし多くのユーザは、オフセットに気がついてなかったりします。そんなユーザでも、シートは気になります。シートは最も五感に感じる部分だからです。
常々思うことは車のシートです。日本車の殆どに満足のいくシートが付いていないのは何故なんでしょうか。色々な理由があると思いますがオイラはメーカーの勉強不足なんだと思っています。作り手も売り手も、勉強不足なんだと思います。
時々、スタディモデルとしてのコンセプトカーが発表されますが、それを見てガッカリする事は度々あります。シャーシやボディの造形は素晴らしい物がありますが、インテリアのこと、特にシートに関しては無頓着すぎます。それなりに考えているのだと思いますが、本質を押さえたと思われる日本車のスタディモデルを見た事がありません。たぶん日本のメーカーは「乗り降りがし易い≠長距離が快適」だと思っているのではないでしょうか。そんなことは無いはずです。もちろん、人間の体格は個人差がありますし、人種的に見れば骨格や筋肉の付き方に差があるので、それらを全て考慮したシートを設計するのは容易ではありません。しかし、買い物に使う車でも長距離ドライブに耐えるシートは作れるはずです。コストは少なからず影響を与えると思いますが、本質を押さえたシートにすることは可能なはずです。何万人も雇用する大企業なのだから、追求していると信じていますが…
シートはただ腰掛けるだけのものではありません。どんなに素晴らしいシャーシや足回りがあっても、シートがそれを台無しにしてしまうことは良くあります。車体が伝えようとするフィーリングをシートがブロックしてしまい、結果的にコントロールに影響がでるのです。これはコンピュータによるシミュレーションでは分からない事なので、テストドライバーがきちんと伝えるべき事であり、スポーツカーだけでなく本来軽トラにも不可欠な要素であると思います。車の動きが正確に体に伝われば、ドライバーは的確に動作(できない人は別ですが)でき、ひいては安全性にも繋がるはずです。実車はゲームでは無いのですから、車が伝えられる情報は全てドライバーに伝わらなくてはなりません。ゲームなら寝ながらでもできますが、車の運転は五感と肉体を使った運動なのですから、運動器具としての機能を追求してもらいたいです。
ところで世の中には沢山の車があって、そのほとんどが商用車です。商用車こそシートを考えるべき存在のはずで、もし疲れにくく運転し易いシートになるならば、それこそ買い手が求める物であり、さらには居眠り運転すら減らす事ができて社会貢献にもなるはずです。もしそういう良い物(シートに限らず)を作って売れないなら、プロモーションが悪いという事です。CMが悪いのかもしれませんし、営業マンへの商品に関する教育が悪いのかもしれません。
さて長々と書いてますが、まだまだ戯れ言の折り返し地点に達したところです。読むのを止めるチャンスです(苦笑)
日本車のシートが本質的に駄目だなと思うのは、体重をお尻だけで支えようとする設計がほとんどだからです。少なくとも太腿にも体重が掛かり、できれば背中に体重が分散するのが望ましいです。もっとも背中に体重をかける形状にするためには、少々乗り降りが大変になったり、トラックのような高い運転席に向かないドライビングポジションを強いられたりするので難しいと思います。しかし太腿に体重が分散する設計はできるはずです。欧州車は、このあたりがよくできています。欧州の生活文化の中で、椅子の本質を知っているからなのかもしれません。
またファミリーカーにおいては後部座席も重要でしょう。なるほど、後部座席は大分マシ(折り畳める商用車は別ですが)になってきました。これは設計者が生活習慣の中で、ソファーなどを使うようになってきたからかもしれません。ソファーもいくつも使って審美眼を磨かないと、ちょっと座っただけで何十年も愛用できるレベルのものであるか分からないと思います。少しずつ進歩してきていると思います。
今の日本車に太腿に体重を分散させるシートを取付けるのは難しいと思います。理由は、ハンドルや床からの座面位置やペダルの高さなどが、そうしたドライビングポジションを考慮した設計になっていないからです。もちろんオーダーメイドで、シートを作ればそうした問題を克服できるでしょう。けれど万人向けのシートを取付けて、そのように調整するのは難しいと思います。
実はシート形状は、シートだけでは決まらないのです。ハンドルの位置やダッシュボードの形状、さらには床の形状やペダル位置、それからペダルのストローク、そしてドアの形状やウィンドウ位置など、総合的なコックピットのデザインの中で決められるものなのです。
昨年、泣く泣く別れたランサーですが、このコックピットは何度も改修して、満足の行く仕事ができるまでに仕上げてありました。ハンドルも正面に仕上げてましたしね。車検を通すために書類は苦労させられましたが…最終的には、車体の隅々に神経が延長したかのような錯覚さえ起きるほどの出来だったと思います。
長々と書いてきましたが、要するに、素晴らしい車体設計ができる企業でありながら、運転席の設計が台無しにしている車が多いのにガッカリします。確かに素晴らしいと思えるようなデザインがされていても、ハンドルとのコンビネーションすらできていない車にガッカリです。ワンオフで作られるコックピットには及ばないにしても、もっと自動車メーカーには研究してもらいたいです。でないと、日本の乗用車より欧州の商用車の方が使い易くてラクチンなどということになりかねないです。といいますか、まだ追いついていないのかもしれません。
オイラは近江商人十か条なるものが気に入っていて、これをメーカーや商社が守れば世に出回る商品は、生活を豊かにしてくれるのではないかと思っています。利益はその当然の報酬、正札を守れとか、売る側の立場でいいこと言っています。この十か条を表面的に捉えず、その深〜いところを読み取って、メーカーには頑張ってもらいたいです。その十か条の中で、一番守ってもらいたいのは・・・
無理に売るな、客の好むものも売るな、客のためになるものを売れ
日本の自動車メーカーには頑張ってもらって、いい車を沢山売ってもらいたいです。
え、オフセットさている理由の説明が無いって?
それはオイラにも判らないので、判る方、教えてください(笑)
最後まで読んでくださった方へ・・・
貴重な時間をこのような駄文にお付き合いいただきありがとうございました。
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Posted at
2011/11/02 10:21:48