ひきつぎ。

昨年末。父が他界しました。

中学卒業後に集団就職で街に出て、しばらくは工場で働いていたものの、建設業界に転職し腕を磨いて若くして独立。
その後は信頼を第一に働き続け、最後は小さいながらも会社にして、下の息子に引き継いでから逝きました。
今思い出しても、盆と正月以外はほとんど休みもなく働いていたような、子供の時の記憶があります。

僕はといえば、高校を卒業したら家業を継げと言われたものの「俺は自分のやりたい道に進む！」と父とは反対の意見でなかなか相容れず、何とか説得して二十歳になるまでは学校に行かせてもらい、今の仕事に就いております。
自分で独立して何かを立ち上げたい。と、それが父に追いつくことだと思いながらも、家族も抱えて勝手も出来ず、未だ時を待ちながらサラリーマンでいる自分です。

毎晩の晩酌以外の楽しみはない。
と、言いながら、ずっと見守ってくれていた。今はそう思えます。

今までろくに父の言うことをきかず、いつも自分の思うように生きてきたなぁと思いますが、今回最後に二人で出かけた通院帰りに言った父の「わしゃあもう乗られんわ。これ、お前が乗れや。」のひとこと、亡くなった後になりますが、最期ぐらい一つぐらいは父の言うことを聞いておこうかと思いました。

それでも当初は、毎日父を思い出しながら乗り続けるのは辛いなぁと思い、すぐに手放そうかと思ったりもしました。
しかし、少し気持ちが落ち着き、あらためて考えると、仕事で悩んだりした時にも毎日そばで見守っていてくれる、成長も見守っていてもらえる、のではないかと思い直し、定年退職その日までは、まずは乗ろうと決意をあらためました。

さて、その日までは相当の距離を走ることになりそうです。メンテを怠らず、事故にも気をつけてこれからも走り続けていこうと思います。

よろしく、えぬ。