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私の会社では30年ほど前から、副業で損保の代理店をやっています。

当時は「代理店の数」イコール「保険会社の売上」というのが常識でしたので、私のところも保険会社の営業が日参、「社長、お願いですから当社で代理店を」と頭を下げられていました。

また当時は「加入する時だけいい事言って、何かあったらナン癖付けて払わない詐欺業界」という認識の人もたくさんいました。

元々1年だけ日産で働いていたので、その時に損保資格は取得済み。
悩んだ末、当時五大損保といわれる中で唯一財閥系で無い「日本火災」で代理店登録をしました。


業界No.1の東京海上で加入しようが中小会社で加入しようが、当時は親方日の丸でしたのでどこでも保険料は端数まで一緒。ならばと零細経営者の横のつながりでたくさんのお客さんが加入してくれました。

そこへ割り込んできたのがアメリカ。
第三分野に参入させろと「ガン保険」で上陸を果たします。

その後「アメリカンホームダイレクト」（現在は撤退）という代理店を介さない自動車保険が登場。
保険料の価格破壊が始まりました。

最初は呑気に構えていた五大損保も通販系子会社を作り(ソフトバンクがYmobileを作ったように)「タコが自分の足を喰う」という状況へ。

日本火災も興亜火災と合併を経て数年前に損保ジャパンとまたまた合併。社名も「損保ジャパン日本興亜」と何やら訳の分からん社名に。
(日本とジャパンがダブって入ると言うセンスの無さでしたが、4月からは損保ジャパンに変更)

その間、3社でだぶっている支社を統合。統合どころか支社を廃止する市町村まででる羽目に。
私の住む相模原市は人口70万以上の政令指定都市ですが、損保ジャパンの支社は廃止され1か所もありません。

以前は自動車保険の満期が近づくと、契約者さんの住所氏名や前年同条件、お勧めコースがプリントされた複写の契約更新書が届いていましたが、今は代理店が自社の専用PCに条件を入れてプリントアウト、それを本社のサーバーに自分で計上するという、経費節減という名の保険会社の身勝手なシステムになっています。
この時点でPCが使えないジジババ代理店はさようなら！

当然代理店手数料も半減以下。
以前と同じ手数料を貰おうとすると年に1億以上は契約を取ってこなければならなくなりました。
たとえば年間5万円の自動車保険で1億円と仮定すると、年に2000台の契約を取る/更新をしなければならず、365日で毎日5人以上のお客さんのとこへ行かなければいけません。もちろん事故もそれなりの数になりますから、当然1人ではやっていけません。1億のから貰える手数料が15%として、たかだか年商1500万の零細企業が営業や事務員に給与やボーナス、年金や社会保険、事務所家賃、複数の営業車経費や光熱費、備品のリース料を考えると一体手元にいくら残るのか？
もし手数料20%で2000万貰ったって、それは「年収」ではなく「年商」。
長年零細を経営してきた私には、とても食っていけるとは思えません。

以前も書きましたが、代理店による自動車保険の販売という形は、別に主たる収入がある副業だから成り立つもので(例えば自動車ディーラー)、近々に無くなると思います。

大手損保は将来的には有力な代理店のみを支社の代わりに各市に残し、事故処理のみを東京や香港などのコールセンターで受ける形にしたいようで、コストカットもここまでやるか？　役員報酬いくら取ってんだ？世界の名画なんか買って美術館やってる場合か？ゴーンの事を言えるか？

私自信、傷害保険に加入していますが、ウインドで背骨を圧迫骨折した際に貰った後遺症傷害、受けとった保険金は損保ジャパンが60万でしたが、別に加入していた県民共済は120万の査定でした。未だにナン癖付けて払い渋る会社です。

ここまで違うと、お客さんに勧める事はできません。そろそろ潮時かと思います。

私は20台半ばで起業しましたが、こういう裏切られたような仕打ちは、商売としどうなんてだろうと思います。
「時代が時代だから」なんて身勝手な言い訳は聞きたくないですね。

当社がもし代理店を辞めれば、生涯損保ジャパンと付き合う気はありませんし、現在契約してもらってるお客さんにも事情を話して通販系損保や共済に乗り換えてもらうつもりです。

しかしこんな会社でも文系大学生の就職人気ランキングの上位にいるってのが、とっても不思議です。みんな年収だけ見て内情を知ってるんでしょうかね？

当社の担当者、ここ30年で何人も代わりました。早慶をはじめ有名卒の新人君もたくさんいましたが皆退職されてます。
大学生諸君、甘いなぁ！　そんな業界じゃないよ。



「チロ」がプリンタの上で寝てたので、起きだすまで自動車保険更新の申込書がプリントできませんでした。



=^_^=