
リチウムイオン電池の大型化に伴い、電気自動車やグリーン発電用/住宅用蓄電池等の巨大市場が誕生し、近い将来10兆円を超える規模に達するとされる。
1970~2015年代シカゴ近郊アルゴンヌ国立研究所バッテリー・ガイ達の熾烈な開発競争をリアルに活写したノンフィクション。及び、日本企業が次世代産業を制する"電池覇権"戦略の2冊を紹介する。
○"BATTERY WARS"ー次世代電池開発競争の最前線 スティーヴ レヴィン(著),田沢 恭子(訳) 2015/11/4発刊
1966年フォード電気自動車が40マイルで走行、その頃アルゴンヌで電池部を設置し、1980年グッドイナフがコバルト酸リチウムを材料としブレークスルー。更にサッカリーが酸化鉄スピネルを材料とし補強。その後NMC特許、ベンチャー企業エンビアの騒動、クマールの野望と挫折、GMの迷走と話が展開し、次世代電池を制する者が電気自動車の市場を獲るが、開発に後塵を喫した感のある米国での開発競争が綴られています。
グッドイナフは、2001年日本国際賞受賞者
「環境適合材料の科学と技術分野 環境調和型高エネルギー密度リツウム二次電池用電極材料の発見」
バッテリーウォーズ 次世代電池開発競争の最前線 | スティーヴ レヴィン, 田沢 恭子
○"電池覇権"―次世代産業を制する戦略 大久保 隆弘(著) 2010/10/27発刊
過去の半導体や液晶ディスプレイ、最近の太陽光に於いて日本企業は技術で先行しながら成長期に国家とスクラムを組む韓国企業や中国企業に追い付かれ、追い抜かれてきた。経済のグローバル化が進む中、世界における日本人の技術力と戦略的頭脳を示す事ができる最後のチャンスかもしれない。
半導体、パソコン、液晶テレビ…、いつも同じように繰り返されたきた失敗を
経営戦略の面から分かりやすく教えてくれる。
そして、今唯一日本が競争優位にあるのが電池である。
日本が先進国(経済大国)の地位を維持できるか、二流国に陥落するか。
その最終決戦の場が電池覇権である
電池覇権 ―次世代産業を制する戦略 | 大久保 隆弘
○トヨタ・パナソニックEV電池で新会社
2020年に共同で出資比率トヨタ51%パナソニック49%の新会社を設立し、コスト競争力の向上と全固体電池等次世代技術の開発強化を図る。
パナソニックはテスラ向け車載電池工場を除き、5カ所の工場を新会社へ移管。ハイブリッド車用容量約50倍のEV向け電池の量産を本格化する。共同生産電池は、ダイハツ工業や提携関係のマツダ,SUBARUの他、他メーカーにも供給。
EV電池で新会社=20年、中韓勢に対抗-トヨタ・パナソニック