
梅雨真っ只中にして雨空のこの日、わずかな曇り空の間隙を狙って新型ロードスターの試乗に行って詣りました。お世話になったディーラーさんは高知市内にある株式会社西四国マツダ 桟橋通り店さん^^
午前の仕事が午後以降まで食い込み、昼食も摂れず約束の時間に‥ディーラーに到着すると営業のK氏が迎えてくれました。しばし談笑‥ほどなくして目当ての新型ロードスターへと導かれました。
グレードはS、色はセラミックメタリック。ぱっと見ホワイト?て感じですが品の良いシルバーです。

非常にコンパクト‥画像で見るより実物はかなりイケてます。ヘッドライトはLEDになる事でユニットとしての容量を小さく出来た為、このようなデザインも可能になったとの事です。

アクセラ搭載ベースの1.5L高回転型ユニット、圧縮比13、カムプロフィールは?‥フルカウンター鍛造クランクと軽量フライホイール採用の効果もあり7,500rpmまでウルトラスムーズに吹け上がります。
エンジン搭載位置もより後方へ、より低重心に配されコクピットの圧迫感へと‥RX 8も似たような雰囲気を持つのでマツダスポーツモデルのテイストと言えるのか‥それとも今の風潮か、‥外観は今も昔も同じような四輪車に見えますが中身の設計思想が全然違っていて時代の変遷を感じます。

コクピットの質感はSグレードといえど上等、コストカットで質素な時代を経験してきた私世代には充分な質感に映ります。前述の低重心レイアウトも寄与しタイト感が一体感を演出しているとも言えますが、非常に窮屈(^^;
でも不思議と運転に集中すると、むしろ心地好いと感じるのは狭い所を好むハムスター気質な日本人に合っているのかも‥←私の個人的意見ではなく一般的な外国人の日本人観らしいです(^_^;)

テールランプの位置は保安基準ギリギリまで攻めたそうです。このコンパクトさで3ナンバーボディー‥フェンダーの張り出し具合といい、デザイナーの本気度がひしひし伝わって来て嬉しくなります。

トランク内は深さがそこそこあり、ボストンバッグが一つ余裕で収まる位でした。入口はやはり狭くボディ剛性を保つ為、許容範囲いっぱいなのだろうと推測出来ます。

フロント部、ホイールは16インチの4穴で軽量化と整備性に優れる上、デザインも良いと思います。タイヤサイズ195/50R16、ブレーキは1ポットキャリパーのベンチレーテッドディスク。

リア部、1ポットキャリパー、‥ブレーキ容量が気になりますが990㎏の車重、131psには必要充分だと判断したのでしょう。

最低地上高は140㎜、さらに40㎜は楽に下げられます。ローダウンは将来的にロードスター乗りには避けられない通過儀礼‥?

さて、今回興味深いオルガン式アクセルペダルの採用ですが、試乗した結論から△と評価せざるを得ませんでした。
私は昔からシンクロを痛めた中古軽トラのMTを仕事で毎日使っていた為、ダブルクラッチやヒール&トウは修得せざるを得ず運転の癖になっています。
足先で微妙なブレーキ踏力を加減しつつ踵でアクセルを煽る時、回転軸が下に位置するオルガン式だと余計に踏み込まないと煽れません、踵を使う以上ペダルを踏むポイントは回転軸と同じ下になるからです。
ブレーキ踏力を加減している時、アクセルを余計に踏まなければならない為、股関節が柔らかい人ならいざ知らず、やり難い事この上ないです。
発表会の時、ヒール&トウの操作も視野に適切なペダル配置にした旨仰っていたようですがオルガン式はやはり微妙‥製造工程等、構造的な理由からオルガン式にせざるを得なかったのでは‥としか思えませんでした。

画像は初代TE27カローラレビンのパンフレットから‥メーカーがヒール&トウのような操作を取り上げるとこの様になるという一例。
一頻り外観を監察した後は、待ちに待った試乗です。高張力鋼板とアルミ合金を駆使し現在の安全基準に適合しつつ高剛性を確保し3ナンバーボディーでありながら990㎏の車重を実現した外殻と最新技術が投入された高回転型NAエンジンによる先進設計の結晶に対しどのような感想が持てるか大変興味深いです。

車両に乗り込みドライビングポジションを決めます。ちょっと戸惑いましたが、間違いなくいつものドラポジだと確信し、6速シフトノブを操作。パターンはAE111の6速と同じですがこちらはRへ投入するにはNの時、ノブを下へ押し込み操作します。
操作確認が終わりエンジン始動の為、イグニッションスイッチを押します。始動しません‥ギアがN位置でも誤操作防止の観点からクラッチを切った状態で押します。
始動後ローに投入しクラッチをじわっと繋ぎます。ストールする事はありませんが車が中々前に進みません、ノロノロと店の出入口を抜け出し交差点へ‥高回転型ユニットだから低速域は弱いのカナ‥クラッチのタイミングもまだ不充分だし暖気中は慎重に行く事に。
今思うと少し慎重になりすぎていたようです、どうにも高回転型と思い身構えると発進には気を使ってしまうんですよね‥;

いくつかの交差点を右左折し、ふと水温計を見ると100℃以降10℃づつ数値が刻まれている事に気づきました。ちゃんと水温計として機能している純正メーターに感心し、また有り難い情報表示が残燃料で走れる距離。些細な事ですが好印象です。※画像はweb上から拝借
ワインディングに繰り出します。熱交換の高効率化で暖気が早い上、サーキット走行を想定しつつもオイルクーラーの必要性がないとか‥本当かよ(^^;
※以下画像がない為、web上で取得した画像をUP ;
1速落として加速してみます。沸き上がるトルクを伴いレスポンス良く加速します。‥実は途中から最後まで回転計を見ずに試乗を終了してしまいました。
かつて回転計のない軽トラを乗りまわしていた癖で、エンジン音、排気音、速度から得られる感覚でシフトチェンジしてしまいます、当然普段は回転計を見ますし、ましてや初見の車で回転計を見ないなんてありえません。
この癖は17年付き合った愛車では特に顕著に出ますが長年知り尽くしている為だと思います、が‥試乗車で無意識に出るとは‥;
けしてうるさくないのにエンジン音、排気音の体感がとても良く想定通りに加速、減速が来るので走りが気持ち良いです。長年連れ添った相棒のように無意識に回転計を見ない癖が出てしまった様でした。
加速の伸びも期待通りで1.5Lである事を忘れるほど、登坂加速もトルクとパワーのバランスが絶妙で満足度が高いです。
助手席のK氏に幌を開けて貰いました。オープンカーの太鼓見ですね^^
なるほど風の巻き込み具合も調整されていて心地好い微風しか感じません。普段車で窓を開けて走るのとでは風の感じ方が全然違います。オープンに出来る環境にいたらオープンにしないと勿体なさすぎと思える位です。
幌の開閉操作は驚くほど簡単な上軽く、運転席から片手間で行えます。

旋回性についてですが、フロントの操舵が軽くレスポンス良く、微妙にロールしながら車の中心部を軸に回頭するように感じました。重量物を中央に寄せている為か、こういう味付けなんだろうと思います。4輪の接地性も言うに及ばずですが、トラクションが大変良いと感じました。
ボディー剛性はガッチリ堅い訳ではないですが、取り立てて隙もなく必要充分な剛性が確保されている印象‥シフトレバーやペダル類もダルさなく、カチカチしつつ優しい感触で非常に馴染みが良い‥本当に新車?と勘繰るほど、慣らしが終了した後のような滑らかさがあります。
ブレーキも全然効きますね、パッドが奥で効いてくれるので急激な荷重移動もなくコントロールし易いです。峠やワインディング程度であれば必要充分ではないでしょうか。
う~ん‥隙がない(^^;乗れば乗るほど面白い、オルガン式アクセルペダル以外気になる部分が見当たりません。試乗の最中「スゴい!スゴい!!‥気持ち良い!」と連呼してしまいました。(^o^;)
‥‥何となく気づいた事ですが、
車重990㎏ FR NA 1.5L 131ps ‥何だか86、そうAEの方の86に何だか似ている(^^;
しかも最新テクノロジーで新たに創造されたパッケージング。さらにチューニングの余地はあらゆる所に残されているという‥;
無理があるとは思いません、オチを着けようとしている様にも見える事でしょう。
でもあえて言うなら‥‥TOYOTA86の後釜も充分射程圏内