阿蘇のピラミッド

天下一家の会が仕掛けた一大詐欺事件である。日本最大のネズミ講事件であって、一時は日本人の２％が会員になったと言われる。

４０年前の１９００億の被害は半端ではない。どうしてこうもたやすく騙されるのか。と言いつつ、僕もほかの詐欺には何度も引っかかった。

「儲かるから」と言われても食指は動かないが、人助けとか、行政の隙間を埋めるとか、悪人から金を取り返すとか言われるところっと騙されてきた。

ただ僕は、このマルチ商法だけには騙されない自信がある。今ものすごい勢いで闇から闇にはやってきた。若者は、ない金を絞り夢を見る。だめだと思ったときは遅い。怖いお兄さんがきて念を押してくれる、「辞めんとやろーね」。

合法不法の線引きにはプロは詳しい。頭に来て手を出すとこちらが犯罪人だ。いい国だなあ。


人間の直感と数学的真理とは大きくかけ離れているときがあり、詐欺師はそこをついてくる。下図。

上にいる人に上納金(10万円)を収めても自分より下のものが上納するときその一部を手に入れることができる仕組み。すると一度上納すれば下の下の…会員の上納によって何もしなくても大金を稼げる。という仕組みだ。

これはのちに法によって禁じられたが、詐欺師たちは、莫大な資金力と軽い刑罰ですぐ娑婆に出る。ほとんど執行猶予。この国の仕組みは、ザル法を作った。

まず、何人の会員が必要なのか。子の子の…・と１０段階もすると日本の人口を超える。



臆面もなくピラミッド商法一味は阿蘇にピラミッドを築いた。

今はない

遠い世界のことになったと思っていたが、「騙されないようにね」とか、逆に「勧誘」とかこの頃身近に聞こえてくる。上記の法のわざと開けられた抜け穴を通し、社会のごみが復活している。

INKORみたいにいい鍋だよ。お友達二人連れてくればそのうちあんたの分はタダになるよ。



そんなことは日本人が全員騙されたとしても１２回しかできず、気づいたころは会社は消え、海外旅行が鍋に代わり同じ文句で誘っている。

友達と海外旅行に行こう。友達二人連れてくればあなたの分はそのうち料金以上の振り込みがあるから。お友達も誘ってね。


どんなに仕組みを複雑にしても本質は変わらない。携帯の料金表のようだ。上納金の呼び名を変え商品を介在させるとそれはマルチ商法ではなくマルチまがい商法だそうな。

こんな詐欺師のためを思った優しい法律を作る国ニッポンはよい国だ。 ( 図はnetとwiki )